英国の自動車雑誌「ビークルダイナミクス・インターナショナル」（ＶＤＩ）と２３人の自動車ジャーナリストによる選考委員達は５月６日、２０１６年の同誌カーオブザイヤーに、フォード·モーター·カンパニー（本社：米ミシガン州ディアボーン、ＣＥＯ：マーク·フィールズ）の「フォード フォーカス ＲＳ Ｍｋ３」（FORD FOCUS RS MK3）を選出したと発表した。
同車を選んだ２３人の選考委員によると「クラス最高の仕上がり」、「優れたドライビングプレジャーを提供した」と表しており、同時に、同車の開発を担当していフォードパフォーマンス・チームを「今年のダイナミクスチーム」として表彰した。
日本国内では、そもそも先々代のＭｋ１１、先代のＭｋ２も正規には導入されず、さらに今回のフォード撤退もあってＭｋ３を入手するのは、ますます難しくなってきている。
ちなみに同車に搭載されるパワーユニットは、ＲＳシリーズ初の直噴ターボ、２.３Ｌ エコブーストエンジン。これがフォーカス ＲＳ Ｍｋ３ 用にアップグレードされ、大型の低慣性ツインスクロールターボ、大型インタークーラー、電子制御バルブを備えたハイパフォーマンスエキゾーストシステム等が奢られている。
これにより最大出力２５７ｋＷ/３５０ｐｓ/６,８００ｒｐｍ、最大トルク４４０Ｎｍ/２,０００～４,５００ｒｐｍ（オーバーブースト時１５秒間は４７０Ｎｍ）を発揮。０-１００ｋｍ/ｈ加速４.７秒、最高速２６６ｋｍ/ｈ（１６５ｍｐｈ）と公表されている。
上記エンジンパワーに負けず劣らず、駆動系もリファインが加えられており、同社が自ら「フォード・パフォーマンスＡＷＤ」と呼ぶダイナミック・トルク・ベンダリングＡＷＤを採用。
この装備の走行中のトルク配分は、フロントとリアの双方が０：１００～１００：０の範囲で、秒間１００回のセンシング速度に対応して可変するというもの。
また、電子制御のツインプレート・クラッチを、ＲＤＵ（リア・ドライブ・ユニット）の左右両輪に装備することにより、ＬＳＤ（リミテッド・スリップ・デフ）と同じ働きも実現している。
この駆動システムを支える足元から支えるサスペンションは、スプリングレートとブッシュを強化し、アンチロールバーが固められた他、２段階のモード切り替え可能なダンパーを採用。
この足まわりの固め方によって、クローズドコースやサーキット等のスポーツ走行時のパフォーマンスアップに貢献する。
さらに最終的に動力を伝え切るためのホイールには、８.０ｘ１９インチのマルチスポーク形状のものを装着。タイヤは２３５/３５Ｒ１９が標準となっており、オプションで１０本スポークの鍛造ブラックタイプも選択可能である。
上記に併せストンピングパワーの確保も確実に行っており、軽量タイプの３５０ｍｍ径ベンチレーテッドディスクに、ブレンボ（Brembo）製モノブロックの４ＰＯＴキャリパーを組み合わせる。
最後に環境性能だが、公道仕様大きく超えたスポーツ車でありながらも、欧州複合基準燃費をクリアする約１３.０ｋｍ/Ｌ。ＣＯ２排出量も先代Ｍｋ２比で２０％程低減され、１７５ｇ/ｋｍ。なんとアイドリングストップ機構も搭載されている。なお気になる価格は￡２８,９４０（標準車）からとなっている。
全長ｘ全幅ｘ全高 ：4389 × 1824 × 1473 mm
ホイールベース ：2649 mm
トレッド（前/後）：1547 mm/1524 mm
トランスミッション ：6MT
エンジンタイプ ：水冷直列4気筒DOHC 16Vターボ
総排気量/内径ｘ行程 ：2260cc/87.5×94.0mm
圧縮比 ：9.37
最高出力 ：350ps/6800rpm
最大トルク ：44.9kgm/2000-4500rpm（OB時15秒47.9kgm）
燃料タンク容量 ：47L
燃費 ：約13.0km/L（欧州複合基準）
ブレーキ形式（前/後）： 350mmベンチレーテッドディスク
ブレンボ製モノブロック4POTキャリパー／ディスク
タイヤ/ホイール ：8.0ｘ19ホイール ／235/35R19 ミシュランパイロットスーパースポーツ／鍛造8.0ｘ19ホイール OP（ミシュラン/パイロットスポーツカップ2 OP）
最高速度 266km/h
0-100km/h加速 4.7秒
