スーパーGT第2戦・富士、MOTUL AUTECH GT-Rが逆転2連勝


トップを走るカルソニックIMPUL GT-Rが残り3周を残し、左リヤタイヤのバーストで敗退

2016 AUTOBACS SUPER GT第2戦「FUJI GT 500km RACE」の決勝レースが富士スピードウェイ(静岡県・5月4日)で開催された。GT500クラスは、#1 MOTUL AUTECH GT-Rの松田次生・ロニー・クインタレッリが2連勝。GT300クラスは#3 B-MAX NDDP GT-Rの星野一樹・ヤン・マーテンボロー組が首位でチェッカーフラッグを潜り抜けた。

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決勝レース開始時の気温は24度・路面40度の晴天、PPは#12 カルソニックIMPUL GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が順当にスタートし、ターン1に侵入していく。

これにセカンドポジションスタートの#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山哲)が続く。序盤は上記2台が先行する中、当初3番手を走っていた#38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路)を、4番手の#1 MOTUL AUTECH GT-R(ロニー・クインタレッリ)がオーバーテイクするも、翌周に#38 ZENT CERUMO RC Fに抜き返すという抜きつ抜かれつの展開。

この状況は27周目あたりまで続き、ようやく#38 ZENT CERUMO RC Fが2番手を固め始める。

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しかしその後、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R、#1 MOTUL AUTECH GT-R、#39 DENSO KOBELCO SARD RC F(ヘイキ・コバライネン)の3台が#38 ZENT CERUMO RC Fに追いつき、4台による争いとなった。

各車、レース中に義務付けられた2回のピットストップの内、1回目のピットストップを終えた時点のトップ3のオーダーは、#12 カルソニックIMPUL GT-R、#38 ZENT CERUMO RC F(石浦宏明)#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(千代)という隊列。

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これを43周目に#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rが、交わすも翌周、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rが再奪還するという展開。

さらにレースは72周目を迎え、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(伊沢拓也)の左リヤタイヤがバーストして、同車のカウル等等が散乱しフルコースコーションになった。

この際、3番手を走っていた#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rが車両の燃料が足りず堪らずピットインしてしまい、今季から導入されたペナルティストップ90秒を科せられる展開となった。

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フルコースコーション解除後の78周目以降、各車も燃料補給を求めて次々とピットイン。

この際、コース上を快走する#39 DENSO KOBELCO SARD RC F(石浦)が燃料不足でスローダウンし、セクター3で車両を停めてしまう。

これで上位陣営の変動が起こり、首位争いは#1 MOTUL AUTECH GT-R(クインタレッリ)と、#12カルソニックIMPUL GT-R(デ・オリベイラ)の一騎打ちとなっていく。

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この首位争いは、96周目に#12カルソニックIMPUL GT-Rが、#1 MOTUL AUTECH GT-R(クインタレッリ)をパスし、残り周回14周という時点になって、いよいよ#12が首位固めに入る。

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しかしそうこうして迎えた107周目。#12 カルソニックIMPUL GT-Rの左リヤタイヤがバーストして車両を停めてしまう。

これで図らずも首位になった#1 MOTUL AUTECH GT-Rが110周を迎えてシリーズ戦2連勝。

2位は#39 DENSO KOBELCO SARD RC F(平手/コバライネン)、3位は中団から着実に追い上げた#37 KeePer TOM’S RC F(ジェームス・ロシター/平川亮)となった。

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GT500優勝
No.1 MOTUL AUTECH GT-R
松田 次生
今回は40kgのウェイトを気に掛けていたが、自分のスティントでは2ラップほど多く走ることができた。そのことで燃料補給量が少なく済み、ピットストップ時間を短縮できた。

またセーフティカーがコースインしてから、流れが自分たちの方に来た気がする。いつもレースではピットワークで助けられていたが、今日もピットで逆転に成功して勝てた。

オートポリス戦がキャンセルとなったので次回はSUGO戦になると思うが、次戦の80kgウエイトは厳しい。次回は重さに打ち勝って1ポイントでも多く獲れるよう頑張りたい。

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ロニー・クインタレッリ
40kgのウェイトハンディを積みながらも予選4位になれたが、クルマのバランスが今ひとつでレース自体は考えていた以上に厳しかった。

それでも最初のピットインで燃料を上手く使えたので、最後のピットインは短くて済んだ。これで最後のスティントでは、搭載燃料が少なかったことでプッシュできた。

今回もチームが素晴らしい作戦を立ててくれた御陰で、優勝することができた。 次回のSUGOは個人的に好きなサーキットだが、80kgのウェイトハンディは正直厳しいと思う。

次戦前のSUGOと鈴鹿でテストで80kgのウエイトに合わせたセットアップを進めていくつもり。出来たら10位以内に入賞して1ポイントを獲ることを目指したい。

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GT5002位
No.39 DENSO KOBELCO SARD RC F
ヘイキ・コバライネン
自身のスティントは上手くこなせた。レースではハードタイヤを選択したが、それも上手くいった。

レース終盤にトップを追ったが、差があったことで届かなかった。しかし富士では岡山に続いて、GT-R勢が強さを見せている中、開幕戦以降、車両の改善が進み、大きな進化があったと思う。

これからSUGO、鈴鹿と公式テストが続くので、しっかりと仕事をして彼らに追いつき、追い越せるようにしたい。

平手 晃平
今週はフリー走行からタイムも良く、決勝を見据えて選んだタイヤでコンペティティブに走れるなど、自分たちに有利な方向に向いたなと思っていた。

ヘイキ(コバライネン)もファーストスティントで頑張ってくれた。ピットインの時にトラブルでスロー走行しているクルマに引っかかってしまって4〜5秒ロスしたが、あれがなければ当初からもっと前で走れた。

ただ結局、最終的には2位表彰台に上れたので自分たちに運があったのだろう。

3位
No.37 KeePer TOM’S RC F
ジェームス・ロシター
今日はいろんなことが沢山あった。僕らが3位に入るなんて、信じられない。ただレースでは良いペースを刻みながら周回を重ねることができた。

まずスタート後、2、3台を抜くことができたし、その後のスティントを担当したリョウ(平川 亮)も実にいい仕事をしてくれた。

最後のピットストップのタイミングもコースに戻ったとき、クリアラップが取れて良かった。

最後のスティントではスタートと同じミディアムのタイヤを選んだ。ソフトがいいと思ったけれど、リスクが高いと言われた。厳しい展開の中で、岡山から連続で表彰台に上がれたことは、本当に嬉しい。

平川 亮
今回、自身は本当に何もしていない。誰も抜いていないし、ただ間をつないだだけで、ロシターがいい仕事をしただけ。

ピット作業を改善した部分があって、チーム全体がレベルアップしたので、チーム力で3位になれたと思う。自身はあまり速く走れなかったし、本当になにもなくて淡々と走っただけ。

次戦は1号車と同じく、ウエイトハンデで相当重くなるのでトップ5ぐらいを目指していきたい。表彰台は厳しいとは思うが確実にポイントを獲っていこうと思う。

 

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GT300
GT300決勝は、B-MAX NDDP GT-R優勝、2位#55 ARTA BMW M6、3位は健闘した#25 VivaC 86 MC

PPスタートの#55 ARTA BMW M6 GT3(小林崇志)に続き、#25 VivaC 86 MC(松井孝允)、#31 TOYOTA PRIUS apr GT(中山雄一)をトップ集団にターン1に進入。

その後#55 ARTA BMW M6 GT3が後続を引き離しに掛かり、#7 Studie BMW M6と、#31 TOYOTA PRIUS apr GTが追う展開。そこに後方から追い上げてきた#3 B-MAX NDDP GT-R(ヤン・マーデンボロー)が加わった。

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14周目に、同集団から#7 Studie BMW M6がペースダウンしてピットイン。上位争いから脱落する。以後は#31 TOYOTA PRIUS apr GTと、#3 B-MAX NDDP GT-Rの2位争いが続いた。

その間、#55 ARTA BMW M6 GT3は6秒近いリードを稼いで独走状態のまま中盤戦へ。29周を終えたところで#55 ARTA BMW M6 GT3がピットイン。

続いてピットアウトした#31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀)が直後の1コーナーでオーバーランし上位陣から脱落する。

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これでレース中盤はピットアウト後トップに立った#3 B-MAX NDDP GT-R と#55 ARTA BMW M6 GT3の戦いに移るが、GT500クラスのタイヤバーストでフルコースコーションとなる。

この影響で結果的に周回遅れとなっていた#88 マネパ ランボルギーニ GT3、#51 JMS LMcorsa 488 GT3(新田>都筑晶裕)、#18 UPGARAGE BANDOH 86(中山友貴>山田真之亮)、#25 VivaC 86 MC(松井>土屋武士)が同一周回に復活した。

併せて、フルコースコーション時のピットイン禁止もあって、コース解除後に各車が一斉にピットに向かう。

この時#3 B-MAX NDDP GT-Rは逃げの体制に入る。また集団とはタイミングが違った#25 VivaC 86 MCが2番手となっていた。

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レース終盤、#25 VivaC 86 MCは、最後のピットインでタイヤ無交換作戦を実施するも、#55ARTA BMW M6がストレートスピードに勝る強みを活かし、89周目に2番手へ浮上。

結果レースは、予選5番手から着実に走った#3 B-MAX NDDP GT-Rが今季初優勝。2位#55 ARTA BMW M6、3位#25 VivaC 86 MCとなった。

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GT300優勝
No.3 B-MAX NDDP GT-R
星野 一樹
新体制で臨んだ今シーズン、開幕戦の岡山では最悪のレースとなったが、チームやヤン、それに(タイヤの)ヨコハマさんと一緒になってが頑張ってきて、やっと優勝することができた。

予選ではヤンが5番手グリッドをプレゼントしてくれたし、今日のレースでもチームが素晴らしい仕事をしてくれた。本当にチーム全員で勝ち獲った優勝だと思う。

オートポリスがキャンセルされたのはとても残念だが、今日の優勝で被災した人たちを力づけてあげることが出来ればいいと思っている。

次回のSUGOは、(東日本の)震災にあった人たちを支援するプロジェクトをやっていて、レースに子供たちを招待することもやってきた。

それもあって個人的に思い入れの強いサーキットだ。去年は悔しい思いをしたので、今年はSUGOでもリベンジができると思っている。

ヤン・マーデンボロー
SUPER GT2レース目で優勝できて、今日の気分は最高だ。 富士は(3月に公式)テストで走っているし、レースウィークでもプラクティス(公式練習)からじっくり走り込んで準備をしてきた。

今回はハード目のタイヤを選んだが、路面温度が高くなっても安定して走ることができた。スティントの後半になってもタイヤがタレることはなかったし、走行後にチェックしてもまったくダメージが出ていなかった。良いタイヤを用意してもらったことも、今日のレースの勝因のひとつだろう。

オートポリスがキャンセルになったのは残念だが、次回のSUGOも、走ったことがないサーキットのため、GTAの公式テストで走り込むことはもちろん、シミュレーターやビデオを見て、周到に準備してレースに臨みたい。

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2位
No.55 ARTA BMW M6 GT3
小林 崇志
レース結果は悔しいが、昨日の朝の練習走行でのトラブルを考え、今日2位になれたのを喜びたい。

とはいえ、レースでの2スティントをぶっちぎって帰ってきたのに、結果として2位で終わってしまったのは辛い。

それでも、予選と決勝で16点を獲って、シリーズを考えれば大きなポイントを獲ることができたと思う。引き続き残りのレースでしっかりとポイントを獲り続けられるよう、頑張りたい。

高木 真一
予選練習でトラブルが出るなど、いろいろな不安があった。とはいえ、そんなに悪くないペースだったが、上には上がいて、3号車に先行されてしまった。

今年、BMW M6にマシンを変えて、開幕戦はパーツが届かなかったりしてセッティングもままならず結果も残せなかったが、その後チームがきっちりクルマを作ってくれ、ブリヂストンも2戦目にしてM6に合わせたタイヤを作ってくれた。

ポールからの2位は悔しいが、今までのことを考えれば、今後に期待できる結果だと思う。オートポリスが中止になってしまったのは残念だが、SUGOも多分、(M6が)得意なサーキットだと思うので上位を狙っていく。

3位
No.25 VivaC 86 MC
土屋 武士
スタート前に孝允(スタートドライバー)がタイヤカスを沢山拾って、ズルズルとポジションを落とした。

けれども後の戦略はスタンダードプランで行けた。セーフィティカーが入ったことの場合も含んでいた。

ピットインのタイミングは、無線でやりとりして、戻るタイミングを決めた。

ピット作業では、最初にミディアム(のタイヤ)でスタートして、4輪交換でハードを着け、最後は無交換というイメージを持っていた。

結果いろいろあったが、マザーシャシーで富士の表彰台に上がれたことは、正直とても嬉しい。ハードのタイヤで劣勢の中、やれることは全部やれたと思うし、良かったと思う。

松井 孝允
今回の結果はすべて(土屋)武士さんのおかげ。僕がスタートで大失敗したのを取り返してくれた。

今回は運もあったけど、武士さんのエンジニアリングに助けられただけなので、僕としては課題の残るレースとなった。単独で走る分には問題はないが、スタートの混乱の中での戦い方についてはまだまだと思っている。

次のSUGOはクルマ的にも合っているので、ウエイトを積むことにはなるが、優勝を狙っていきたい。

 

なおSUPER GTは次戦、オートポリスでの開催予定であったが、熊本県を中心とした地震の影響により、開催中止が決定した。

現状に於いて次戦は、第4戦スポーツランドSUGO(7月23、24日)となる。オートポリスの代替戦など、今後のレーススケジュールについては、追って発表される予定だ。

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