国内道路公団、高速道路における逆走の発生状況と今後の対策を発表


東日本・中日本・西日本・首都・阪神・本州四国連絡高速道路株式会社の6社(※)は、平成27年4月28日に、平成23年から平成26年までの高速道路での逆走発生原因の分析と、逆走対策の推進に関する情報を公表した。

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(※)6社とは、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社、首都高速道路株式会社、阪神高速道路株式会社、本州四国連絡高速道路株式会社。

具体的には今般、平成27年1月~9月までの9か月間の逆走件数や発生状況などを分析し、平成26年度中に対策を完了した箇所での効果を検証して、新たに優先的に対策を進める箇所を取りまとめた。

今後も引き続き、関係機関と連携して逆走対策を実施すると共に、国土交通省が公表した「2020年までに高速道路での逆走事故ゼロを目指す取組み」への参画を通じて、さらなる逆走対策を推進していくとしている。

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【逆走対策のポイント】
○平成23年から平成27年9月の間に、高速道路会社管内の高速道路で、事故または確保した逆走事案は916件発生あった。

○平成27年3月までに対策を実施した33箇所では、対策実施前の4年間で、年平均約20件の逆走が発生していたが、対策実施後の半年で2件に減少した。

○これまで、対策の実施を公表した67箇所のうち、47箇所で具体的な逆走対策を完了している。

○引き続き関係機関と連携して、逆走対策を実施するとともに、「2020年までに高速道路での逆走事故ゼロを目指す取組み」への参画を通じて、さらなる逆走対策を推進していく構え。

1.高速道路での逆走の発生状況(平成23年~平成27年9月)と、その逆走原因

平成23~27年9月の間、6社の高速道路会社管内における、交通事故または車両確保に至った逆走事案916件を分析したところ、以下のような特徴を確認した。

・逆走事案の約半数は、インターチェンジ(IC)・ジャンクション(JCT)の逆走で始まっている。

・各年の1月~9月分のみで比較をしたところ、逆走(確保・事故)は平成27年が最も多いが、逆走(事故)は横ばいだった。

・65歳以上の高齢者が起因するものが約7割を占めている。

・認知症の疑いのあるドライバーが約1割で、精神障害や飲酒などの状態の方を合わせると約15%となる。

(1)平成23年~平成27年9月の逆走事案(事故又は確保)の発生状況(全916件)
japan-japan-highway-public-corporation-announced-the-future-of-measures-and-occurrence-of-reverse-run-in-the-high-speed-road20160130-1 (参考)平成23年~平成27年(各年の1月~9月を抽出)の逆走事案(事故又は確保)の発生状況(全723件)
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(2)平成23年~平成27年9月の逆走事案(事故)の発生状況(全171件)
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(参考)平成23年~平成27年(各年の1月~9月を抽出)の逆走事案(事故)の発生状況(全142件)
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(3)年齢構成・運転手の状態
(平成23年~平成27年9月に発生した916件)
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2.これまでに実施した対策の効果について
平成26年度に逆走対策を実施した33箇所においては、対策実施前の平成23年~平成26年までの4年間の逆走発生件数は81件(1年あたり約20件)だった。

その後、対策実施を行った平成27年4月~9月の間に、同対策実施済み地点で発生した逆走発生件数は2件となった。今後も引き続き対策の効果を検証していく構え。

平成26年度に対策を終えた33箇所での逆走発生状況
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3.今後の対策の実施について
平成26年9月、平成27年4月に公表した、一般的なIC・JCT、休憩施設の分合流部を優先して対策を実施。67箇所のうち、平成27年10月までに47箇所での対策工事を完了した。

今後、67箇所に加えて、以下の27箇所を優先対策箇所として対策を実施していく。(別表1)

・平成23年から、平成27年9月までの逆走発生回数が新たに複数となったのは18箇所ある。

・平成27年1~9月までに逆走が死傷事故につながった9箇所
平成27年4月に公表した。総じて高速道路出口部における優先して対策を実施する7箇所について対策を実施中。

今後、7箇所に加えて、以下の5箇所を優先対策箇所として据えて具体策を実施していく。(別表2)

・平成23年から平成27年9月までの逆走発生回数が、新たに複数となったのは3箇所。

・平成27年1~9月までに逆走が死傷事故につながった2箇所
、平成27年4月に公表した、平面Y型IC交差部における優先して対策を実施する3箇所のうち、平成27年10月までに1箇所での対策工事を完了した。

今回、新たに平成23年から平成27年9月までの逆走発生回数が複数となった箇所や、平成27年1~9月までに逆走が死傷事故につながった箇所はなかった。(別表3)

4.今後の逆走対策の進め方
今後も引き続き、国土交通省や警察庁をはじめとする関係機関と連携し、高速道路での逆走対策を実施するとともに、国土交通省が公表した、「2020年までに高速道路での逆走事故をゼロとすることを目指す取り組み」への参画を通じて、さらなる逆走対策を推進していく。

(参考)高速道路における逆走対策(平成26年9月、平成27年4月に公表済み)
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≪対策の基本パターンのイメージ(高速道路出口部)≫
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(2)高速道路出口部
1)出口ランプでの大型矢印路面標示。
2)一般道接続部付近への高輝度矢印板と「進入禁止」看板(できる限り逆走方向に方向転換する前に見える位置に配置)。
3)左折からの逆走に対する物理的抑制策として、ラバーポールを設置。
4)一般道右折レーンでの路面標示の延伸や、緑色のカラー舗装などによる入口での誘導強化。
※高速道路出口部での対策は、警察や一般道管理者との個別協議を踏まえ実施。

≪対策の基本パターンのイメージ(高速道路出口部)≫
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≪対策の基本パターンの運転者からの見え方イメージ(高速道路出口部)≫
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(3)平面Y型ICの平面交差部での対策
1)大型矢印路面標示、高輝度矢印板
2)大型方向案内看板、案内看板と同色のカラー舗装
3)逆走方向(左折)に進入しにくくさせる対策(ラバーポール・ゼブラ帯)
※平面Y型ICの平面交差部での対策は、警察や一般道管理者との個別協議を踏まえ実施。

≪対策の基本パターンのイメージ(平面Y型IC交差点部)≫
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≪平面Y型ICの交差点部の対策事例(北陸道 能生IC)≫
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