ボルボ・カーズ(本社:ヴェストラ・イェータランド県・イエテボリ、CEO:ホーカン·サミュエルソン、以下ボルボ)は、2015年の世界累計販売台数が503,127台を記録し、89年間の歴史上初めて50万台を超えた。
同社によると今回の販売台数は、現在進行中のボルボ社における経営と財務の構造改革の力強さと継続性を明確に示すものだという。
また、2015年の下期に発売された新型XC90が、世界的な売上に大きく貢献していることも、その新しい商品戦略の正しさを証明していると述べている。
ボルボは欧州で、前年比10.6%増の269,249台、世界販売全体の53.5%を占めた。また、米国におけるボルボの復活も追い風となり、2015年には全体の24.3%となった。
一方、中国では、困難な市場環境の中、横ばいの傾向が続いたが、年末には好調に推移し、第4四半期には前年比11.4%増とした。
ボルボの新しいモデルレンジの第2弾であるプレミアム・セダンS90は、デトロイトで開催されている北米国際オートショー(NAIAS)で発表され、今春に米国で発売される予定。ボルボは、今後4年間で全てのモデルラインナップをリニューアルする予定だ。
同社のホーカン・サムエルソンCEOは、「2015年の記録的な販売を報告ができることを嬉しく思っています。2015年が成功裏に終わった今、ボルボは、世界的なビジネス変革の第二期に入ろうとしています。
それが実現した暁には、マイナーブランドからの脱却を図り、プレミアムカーを生産する真にグローバルな自動車メーカーに生まれ変わります。そして今後、更に多くの記録を更新することになるでしょう」と語っている。
今後数年間は、ボルボは競合プレミアムブランドと互角に渡り合うべく、ブランドの再構築を続けていく。そして、米国での事業再建を継続し、新工場建設に向けた投資を続ける。
中期的には、中国市場での成長を続け、ヨーロッパ地域ではマーケットシェアを現状の2倍まで伸ばし、世界販売台数を年産80万台にまで増やす予定。
今後数年をかけて、大型の90シリーズと60シリーズは、SPA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャ)を採用。同時に、グローバル小型車戦略の実現に向け、CMA(コンパクト・モジュラー・アーキテクチャ)の開発により、SPAで実現した高いクオリティーとテクノロジーをコンパクトカーに導入していく。
併せてボルボは、3気筒、及び4気筒エンジンのハイブリッド・モデルを開発する構えだ。さらにボルボとしては初の電気自動車の開発にも着手する。中期的には、少なくとも販売構成比の10%を、電動化されたモデルが占める想定を立てているようだ。
ボルボは、2010年にジーリー・ホールディング・グループに買収されてから、生産拠点を拡大し、飛躍的な躍進を遂げた。今年の米国サウスカロライナでの新工場建設の発表で、今後、世界の主要3拠点(アジア、ヨーロッパ、米国)全てにおいてボルボ車の生産を展開していくことになる。