株式会社ブリヂストン(本社:東京都中央区京橋、代表取締役CEO 兼 取締役会長:津谷正明、以降、ブリヂストン)は、グループ全体の活動として、タイヤ原材料の多様化を目的としたパラゴムノキに代わる天然ゴムの研究を進めている。
このほど、この研究成果として自社技術で生産された「グアユール※1」由来の天然ゴムを使用した最初のタイヤが完成した。
今回作成したタイヤに使用した「グアユール」由来の天然ゴムは、アリゾナ州にあるグアユール研究施設を中心に、栽培から抽出精製までのすべての過程に当社グループの技術を適用することによって得られたもの。これにより「再生可能資源の拡充・多様化」に向け、大きな一歩を踏み出した。
(米国アリゾナ州にあるグアユール研究農場)
(グアユール由来の天然ゴムを用いたタイヤ)
世界の人口増やモータリゼーションの進展に伴いタイヤ需要は拡大が見込まれ、併せて天然ゴムの消費量も増加するものと予測されている。
一方で、タイヤの原材料の中で大きなウエイトを占める天然ゴムはパラゴムノキ(樹木)から生産されており、その約9割が東南アジア地域に集中して栽培されているのが現状である。
このような天然ゴム生産地域の一極集中を緩和し、供給の安定化を図るために、当社グループではパラゴムノキに代わる新たな天然ゴム供給源の一つとして「グアユール」の研究開発を進めていきた。
パラゴムノキとは異なり「グアユール」は乾燥地域で栽培できる植物であり、またその組織に含まれるゴム成分がパラゴムノキ由来の天然ゴムによく似た性質を持つことから、新たな天然ゴム供給源になるものと期待されている。
同社グループは、米国アリゾナ州エロイ市に114ヘクタール(東京ドーム約25個分)の農地を確保し「グアユール」の品種改良や栽培技術の開発を目的とした研究農場を完成させ、2013年9月より研究活動を開始しました。また2014年9月には同州メサ市に「グアユール」の加工研究所「Biorubber Process Research Center(以下、BPRC)」を開設し、天然ゴムの試験生産が可能となった。
米国、日本、欧州の各技術センターにおいて「BPRC」で生産された「グアユール」由来の天然ゴムの性能評価、タイヤ生産と評価を行うことで、今回のタイヤが完成した。
当社グループでは、「今後も、グアユールの栽培からタイヤ開発まで一貫した研究開発に当社グループ全体で取り組んできました。
今後も、グアユールを始めとした様々な原材料の研究開発等の活動を通じ、2050年を見据えてタイヤの原材料を100%サステナブルマテリアル※2化することを目指していきます」と述べている。