スーパーGT第7戦オートポリス、MOTUL AUTECH GT-R今季2勝目


2015 AUTOBACS SUPER GT第7戦「SUPER GT in KYUSHU 300km RACE」の決勝レースが11月1日、大分県のオートポリスに於いて開催された。

GT500では、No.1のMOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が、予選3位からの逆転劇を演じて優勝。

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ポールポジションで、ランキングトップのNo.12のカルソニック IMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が2位。

GT300クラスでは、No.3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/高星明誠)が今季2勝目。No.10 GAINER TANAX GT-R(アンドレ・クート/千代勝正)が2位を獲得してGAINER並びにクートのGT300シリーズのチャンピオンが確定した。

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なおGT500のドライバーズチャンピオンの行方は、No.38 立川/石浦組、Np.46 本山哲/柳田真孝組、No.100 山本尚貴/伊沢拓也組、No.36 伊藤/ロシター組が、可能性を残したまま第8戦のもてぎ最終戦に挑むことになる。

第7戦オートポリスは、後半に若干小雨が混じる天候ではあったものの、スタート時点ではドライコンディション。気温14度・路面温度14度の中スタートが切られた。

オープニングのフォーメーションは、No.12のカルソニック IMPUL GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)を先頭に、2番手がNo.38のZENT CERUMO RC F(立川祐路)、3番手がNo.1 のMOTUL AUTECH GT-R(ロニー・クインタレッリ)という布陣でトップ集団を形成。

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当初4番手以降は、混沌とした状態だったが、No.24のD’station ADVAN GT-R(ミハエル・クルム)、No.19のWedsSport ADVAN RC F(関口雄飛)、No.36のPETRONAS TOM’S RC F(ジェームス・ロシター)が次第に抜け出し、セカンド集団を形成した。

レースは30周目を超えた時点で、各車ルーティンのピットインを実施。トップを走るNo.12のカルソニック IMPUL GT-Rも、39周目を終了したところでピットに向かう。

終盤のトップ争いは、No.1のMOTUL AUTECH GT-Rと、No.12のカルソニック IMPUL GT-Rに絞られる。

最後の見どころは、47周目の第2ヘアピンでNo.12のカルソニック IMPUL GT-Rが、No.1のMOTUL AUTECH GT-Rと走行ラインをクロスさせながらオーバーテイクを狙う場面となった。

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しかし結局、No.12のドライバー安田は、No.1の前に出ることが出来ずにチェッカーフラッグを潜る。この結果、追いすがるライバルたちを突き放したNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rが優勝を飾り、同車のステアリングを握った松田/クインタレッリ組は、トップと2ポイント差のランキング2位に浮上した。

一方、最後の最後まで諦めず、首位に挑戦したNo.12のカルソニックIMPUL GT-Rは、優勝こそ逃したものの、安田/デ・オリベイラ組として今季のポイントリーダのままで、もてぎの最終戦を迎えることになった。

3位はNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大)、4位はNo.36 PETRONAS TOM’S RC F(伊藤大輔)、5位はNo.38 ZENT CERUMO RC F(石浦宏明)となっている。

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No.1 MOTUL AUTECH GT-R
松田次生
今回のレースではタイヤが厳しくなると思っていたのですが、前半にロニーがスタートから頑張ってくれて、トップと4、5秒差でピットに入ることができました。NISMOのピットワークも素晴らしかったです。

なかなか抜くチャンスがないという状況の中で、勝負はアウトラップしかないと思っていたので、リスクはあったのですが、そこでとにかくプッシュしました。

すると前を行く12号車が見えてきて、本当はインフィールドで抜きたかったのですが、最終コーナーで後ろにつき、ストレートエンドでうまくかわすことができました。

そこから12号車との差を広げていきたかったのですが、その後、雨が降ってきた時には、「神様がいたずらしているんじゃないか」と思うほどでした。

そんな状況の中で後続車を抑えられてよかったです。ニスモのピット作業ももちろん今回もパーフェクトでした。このいい流れを最終戦につなげたいと思います。

ロニー・クインタレッリ
タイヤのタレという点で少し不安もありましたが、レースが始まったら、思っていたよりもタイヤのタレ幅は少なかったです。

前を走る2台のマシンにもグリップダウンがあったので、後半は僕と同じぐらいか、僕の方が速く走れていました。結果的にはいいスティントになったと思います。

タイヤもクルマも保ってくれて、ピットストップもいつものとおり、上手くいったし、次生のアウトラップも良かったので、それで12号車を逆転することができました。とにかく、今日は素晴らしい結果を残すことができました。本当にうれしいです。

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No.3 B-MAX NDDP GT-R 星野一樹
当たり前のことですが、とにかくうれしいです。今シーズンは厳しいレースが続いていたこともあって、このレースでは僕らの意地を絶対に見せたいと思っていたので勝つことができて、本当にうれしいです。

とにかく、完璧な作戦を考えてくれたチームのみんなに「ありがとうございます」と言いたいです。

スタートして、自分たちのペースが速いのはわかっていたのですが、なんとか2番手争いに追いつくことができました。

早めのピットインで前の空いた状況にすることもできました。その結果、ミツは長いスティントになってしまったのですが、最後までうまく走ってくれました。

今回はトップを追いかけるだけという戦いになったので、タイヤも作戦もレース展開もすべての歯車がかみ合って、優勝することができました。とにかく、本当にうれしいです。

高星明誠
タイでの第3戦で勝つことができたのですが、その後はQ1も突破できない状況が続いていて、悔しい思いをしていました。

ポイントランキングでもトップから離れてしまっていました。しかし、そんな状況の中でも可能性がある限り、絶対にあきらめないと思って戦ってきました。

その結果、10号車クートのチャンピオンが決まってしまいましたが、今シーズンの2勝目を挙げることができ、本当にうれしく思っています。

今日のレースの展開については、一樹選手が速いということはわかっていたのですが、前のマシンに詰まっていたこともあって、僕のスティントが長くなりました(笑)。

ただ、チームの選択に間違いがないということもわかっていましたし、チームが用意してくれたクルマも良かったですし、ヨコハマタイヤのフィーリングも良かったので、この結果を残すことができました。