世界耐久WEC英シルバーストーン6時間、トヨタ陣営は合同テストで確かな手応えを得て初戦に挑む


トヨタ自動車株式会社(本社 : 愛知県豊田市、代表取締役社長 : 豊田章男、以下トヨタ)傘下のTOYOTA GAZOO Racingは、4月の第2週目を迎えた同週末、2017年シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)の開幕戦となるシルバーストーン6時間レースへ挑む。

その布陣は、2017年仕様のTS050 HYBRIDと新たなドライバーラインナップでの挑戦となる。

今シーズンのWECも全9戦で行われるが、今週末の第1戦へ向けて、2017年仕様のTS050 HYBRIDには、ハイブリッドシステムを含むパワートレーンとメカニカル及び空力面に全面改良が施された。

今シーズンは使用可能な空力諸元が2種類に制限されることとなった。開幕戦シルバーストーンにトヨタは高ダウンフォース仕様のTS050 HYBRIDを持ち込む予定。トヨタは、シルバーストーンでこれまでに5度にわたる表彰台を獲得している。

1周5.901kmのシルバーストーンサーキットは、WECシリーズの開催される中でも最も長い歴史を持つコースのひとつで、開設は1948年。当時は非常に高速なコーナーが続く、最高速度よりもダウンフォースが重要なコースであった。

TOYOTA GAZOO Racingはこの冬のオフシーズンの間で、先週末のモンツァでの2日間のプロローグ(WEC合同テスト)を含めて約35,000kmを走破。チームはLMP1-Hクラスのライバルとの一騎打ちとなるシルバーストーンへ向けて万全の準備を整えた。

2017年仕様TS050 HYBRID #7号車のドライバーは、昨年の富士6時間レースで勝利を挙げ、最後までタイトル争いを繰り広げた小林可夢偉、マイク・コンウェイに、3年連続FIA世界ツーリングカーシリーズでチャンピオンに輝いた、ホセ・マリア・ロペスを加えた3名。ロペスは今大会がトヨタでのWECデビューとなる。

もう一台のTS050 HYBRID #8号車は、中嶋一貴とアンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミという3年目のトリオ。デビッドソンとブエミは2013年からのコンビであり、2014年にはドライバーズチャンピオンに輝いている。

地元イギリス出身のドライバーであるデビッドソンとコンウェイは、これまでにも何度もシルバーストーンで好成績を上げたことによって、両名共に英国レーシングドライバーズクラブのメンバー中最高位のリチャード・ロイド・トロフィーを獲得している。

週末のイベントスケジュールでは、14日(金)に、各々1時間30分の公式練習走行セッションが2回、15日(土)には午前中の1時間の最終練習走行の後、予選が行われる。現地時間16日(日)の正午に、6時間にわたる決勝レースのスタートが切られる。

佐藤俊男 TOYOTA GAZOO Racing代表
いつも新たなレースシーズンの始まりには期待が高まります。大いなる希望と共に第1戦シルバーストーン6時間の舞台に向かいたいと思っています。

冬のオフシーズンの間、TS050 HYBRIDの全面改良のためにハードワークを続けてきたチームのスタッフや関係者の皆様に心から感謝を述べたいと思います。大変厳しい日々だったと思いますが、結果としてTS050 HYBRIDをとてもいい感触に仕上げることが出来ました。

しかし、本当の戦いはこれからであり、好結果をお知らせ出来るように全力を尽くしたいと思います。

小林可夢偉(TS050 HYBRID #7号車)
シルバーストーンは特に耐久レースにおいて長い歴史を持つ素晴らしいコースで、イギリスのファンの皆様の前でレースを戦うのをいつも楽しみにしています。

彼らは真のモータースポーツファンであり、いつも大観衆で迎えてくれます。我々は常に全力で戦っており、シルバーストーンでも目標は勝利です。

WECは常に挑戦が必要なカテゴリーですが、順調だった冬季テストの結果を見せられればと思っています。オフシーズン中のテストは順調に終わり、良いレースが出来る確かな自信と共に臨みます。

マイク・コンウェイ(TS050 HYBRID #7号車)
シルバーストーンは私にとってホームコースであり、数え切れないほどレースを戦ってきました。

流れるような高速コースで、走っていて楽しく、大好きなコースです。コース上の混雑などで難しいレースになるでしょうが、我々には戦闘力の高いTS050 HYBRIDがあり、シルバーストーンへ向けた準備は充分に出来ています。

現時点でライバルとの力関係を語るのはまだ難しいですが、厳しい接戦になることは間違いないと思いながらも今週末の初戦を迎えることをとても楽しみにしています。

ホセ・マリア・ロペス(TS050 HYBRID #7号車)
始めてLMP1-H車両でレースを戦うこと、そして初めてのトヨタの一員としてレースを迎えることを本当に楽しみにしています。

テストは順調で、チームは私を家族のように迎えてくれました。マイクと可夢偉とはすぐに良い協力体制を培うことが出来、週末一緒にレースを戦うのを待ち遠しく思っています。

私自身、最後のシルバーストーンでのレースから随分時間が経ってしまっていますが、再びこの高速サーキットでTS050 HYBRIDをドライブすることをとて楽しみにしています。

中嶋一貴(TS050 HYBRID #8号車)
個人的にもシルバーストーンはとても好きなコースです。優れたレイアウトでドライブしていて楽しいです。

いくつかの高速コーナーの組み合わせは世界のサーキットの中でも屈指のレイアウトです。我々はシルバーストーンへ勝利という明確な目標を持って挑みます。

LMP1-Hを戦う2つのマニュファクチャラー間における競争力を予想するのは困難ですが、その挑戦に気分が高まります。私自身のシーズンスタートへの準備は整いました。

セバスチャン・ブエミ(TS050 HYBRID #8号車)
ダウンフォースが必要なシルバーストーンですが、今年のTS050 HYBRIDがここに適していることを願っています。

私にとって良い思い出は多く、WECの初表彰台は2013年のシルバーストーンでした。翌年には優勝を遂げ、2015年も表彰台に上がりました。自分自身はいつも良いレースが出来ており、今年もそれが再現できることを望んでいます。

ここの雰囲気はいつも素晴らしく、熱いファンの皆様の前でレースを行えることをとても楽しみにしています。

結果を予想するのは難しいですが、プロローグ(合同テスト)の結果を見る限り、我々の戦闘力は高いものと確信しており、早くレースをしたいと思っています。

アンソニー・デビッドソン(TS050 HYBRID #8号車)
今シーズンには大きな期待を持っています。もちろんシルバーストーンは私のホームコースであり、自宅が直ぐ近くですので、昔から様々なクルマで走ってきました。

ドライバーのためにあるようなチャレンジングなコースで、ここで最新のLMP1-H車両のパフォーマンスを実感出来るのは素晴らしい体験であり、特にダウンフォースを感じながら走る高速コーナーは最高の気分でしょう。

新たなチャンピオン争いが始まりますが、我々は上位を争えると信じています。

TOYOTA GAZOO Racingのシルバーストーン6時間における戦績
2012年_
#7予選3番手、決勝2位

2013年_
#7予選1番手、決勝4位
#8予選2番手、決勝3位

2014年_
#7予選1番手、決勝2位
#8予選5番手、決勝1位

2015年_
#1予選4番手、決勝3位
#2予選6番手、決勝4位

2016年_
#5予選6番手、決勝16位
#6予選5番手、決勝2位