ボルボ・カーズ( 本社:スウェーデンヨーテボリ、CEO:ホーカン・サミュエルソン )は6月17日、ボルボの車載サウンドシステムに「Abbey Road Studios Mode( アビーロード・スタジオ・モード )」を追加したことを発表した。
これは、その名前通りのレコーディング・スタジオ環境のエッセンスを的確に捉えて、それを再現できるよう設計されたサウンド技術を指すもの。
昨年の拡張モード発表に続き、今後、数週間以内に無線アップデート(OTA/Over The Air)により無料で提供される。
そんなアビー・ロード・スタジオ( Abbey Road Studios )は、ロンドン・ウェストミンスターのセントジョンズ・ウッド所在で、英EMIによって1931年11月に当初、EMIレコーディング・スタジオ(EMI Recording Studios)という名称で開設された。ビートルズやクリフ・リチャード、ピンク・フロイド、シャドウズなどが録音を行ったスタジオとして著名な録音スタジオでもある。
同技術に係るアップデート対象車は、〝Bowers & Wilkins High Fidelity Audio(バウワース・アンド・ウィルキンス・ハイファイ・オーディオ)システム搭載車向けの追加オプション機能であり、同システムが搭載済みEX90を介してデビューする。
英国企業のB&W Group Ltdが提供するスピーカーブランド〝Bowers & Wilkins〟がアビーロード・スタジオと共同で開発した同技術は、当該スタジオの特徴的な音響空間と音響機器の特性から導き出されたもので、EX90の車内でユニークなリスニング体験を提供するチューニングが施された。
そんなアビーロード・スタジオ・モードには、様々なリスニングスタイルに最適化されたサウンドセレクションを幾つかのプリセットを介して付属している。
更にプロデューサー・モードでは、独自のサウンドをエンジニアリングすることができる。これはプロデューサーやエンジニアが行うのと同じように、レトロなビンテージからより深みのあるモダンなサウンドへの音響の移行、ステレオ音場の狭めや拡張、音響環境の調整機能などが含まれている。
こうした多彩な機能についてアビーロード・スタジオでゼネラルマネージャーを務めるジェレミー・ハッフェルマン氏は、「アビーロード・スタジオ・モードは、私たちの空間と設備のユニークなサウンドをボルボEX90のBowers & Wilkinsシステムに初めて提供します。
これにより、ドライバーは車内のサウンドを自由にカスタマイズし、比類のないリスニング体験を実現できます。
私たちはこのコラボレーションを大変誇りに思っており、ボルボのユーザーにこの画期的な技術を体験して頂けることを大変嬉しく思っています」と話している。
なお、この無線アップデートは、ボルボ・カーズがソフトウェア定義車を継続的に改良していくという自社の姿勢を示すアップグレード施策の一環でもある。
Bowers & Wilkinsのオーディオシステムを搭載した今後のEX90及びES90モデルには、工場出荷時にこのサウンドモードが搭載される予定となっていてる。
同機能の追加に際してボルボ・カーズで最高エンジニアリング・テクノロジー責任者を務めるアンダース・ベル氏は、「私たちはドライバーの日常生活を向上させるためにテクノロジーを活用しています。
ボルボEX90にアビーロード・スタジオ・モードを提供できることを大変嬉しく思います」と、「この世界初の体験の追加は、効率的でシンプルな無線アップデートを通じて、お客様にさらなる価値を提供できることの素晴らしい例です。
EX90は、ボルボ・カーズ史上最も静かなキャビンのひとつであり、キャビン内に25個のスピーカーを巧みに配置しています。
オプションのBowers & Wilkinsオーディオシステムを装備すれば、卓越した車内音響空間を実現できます。1610ワットのこのシステムはドルビーアトモス対応で、Bowers & Wilkinsのエンジニアとボルボ・カーズのオーディオチームが緊密に協力して開発・調整を行いました。
なお近年の技術革新により、ボルボ・カーズは2020年以降に85カ国で製造される約250万台の既存車両に無線アップデートを提供できるようになっています」と結んでいる。