トヨタ・ヤリス、WRC第7戦ラリー・イタリアに参戦


道幅が狭く小さなミスも許されないグラベルラリーにラトバラ、タナック、ラッピがヤリスで挑む

トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市、社長:豊田章男)傘下の「TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team」は6月7日(木)から10日(日)にかけて開催されるFIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦ラリー・イタリア サルディニアに3台のヤリスWRCで参戦する。

出走メンバーは、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC #7号車)、オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(#8号車)、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム(#9号車)の3組。

WRC第7戦となるラリー・イタリア サルディニアは、地中海に浮かぶイタリアのサルディニア島を舞台とするグラベル(未舗装路)ラリーだ。サービスパークは島北西部の都市アルゲーロに置かれ、島の北側の広い範囲でSS(スペシャルステージ)が行なわれる。

サルディニアのSSは、全体的に硬い地盤を軟らかい砂状のグラベルが覆う路面が多く、出走順によって路面コンディションは大きく変わる。

例えば、早い出走順の選手は滑りやすい砂状のグラベルによってタイヤのグリップを十分に得られず、ラリーカーが何台か走行すると砂状のグラベルが掃け、下方から硬い地盤が現れるためグリップが高まる。

また木々や岩がコースサイドに迫るSSも多く、道幅が全体的に狭いことから、他のグラベルラリー以上にミスのない正確なドライビングが求められる。

一方車両の管理に関しては、気温が大きく上昇する可能性が高く、エンジンや足まわりの温度管理が重要な要素となっていくだろう。

ラリーの工程は、6月7日(木)の夕方に、アルゲーロ近郊イッティリで全長2kmのスーパーSSが行なわれ競技がスタート。

その翌日8日(金)からサービスパークの北東方面でデイ2として本格的なグラベルSSが始まり、4本のステージを各2回走行する8本のSSが行なわれる。

9日(土)のデイ3は、サービスパークの東側エリアでイッティリの短距離SSを含む7本のSSが、最終日となる10日(日)のデイ4はサービスパークの北側エリアで4本のSSが行なわれる予定だ。

なお最終ステージのSS20は、トップ5タイムを記録した選手に対しボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。結果、4日間で20本のSSが行なわれ、その合計距離は313.46km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1386.38kmとなる。

以下は第7戦ラリー・イタリア サルディニア参戦にあたってのチーム各位のコメントとなる。

トミ・マキネン(チーム代表)
我々はサルディニアでの好成績には自信をもっています。ラリー・アルゼンチンの前にサルディニアで行なったテストも上手くいきました。

アルゼンチンやサルディニアの道は、我々のクルマとも非常に相性が良いと思います。実際、ここ数戦でのパフォーマンスはとてもポジティブでしたし、全チームスタッフがなおも全力で改善作業を続けています。

昨年のサルディニアは、なかなか良いリザルトでしたし、また、オットは優勝していますので、ドライバー皆、気持ちよく自信をもってこのラリーを走ってくれるはずです。

ヤリ-マティ・ラトバラ、ミーカ・アンティラ
ヤリ-マティ・ラトバラ、ミーカ・アンティラ

ヤリ-マティ・ラトバラ(ヤリスWRC #7号車)
サルディニアのラリーをいつも楽しんでいます。初めてサルディニア島のラリーに出場したのは2003年で、WRCが行われる前のラリー・コスタ・スメラルダ時代でした。

路面はとても硬質な地盤の上に軟らかい砂の層があり、先頭走者としてSSを走る際は非常に滑りやすい路面に苦労します。また、道幅は狭いのですが、正しいラインを通ればかなり速く走ることができます。

前戦ラリー・ポルトガルでは2日間ミスをすることなく走り、自信を深めることができました。ヤリスWRCの運転をとても楽しむことができているので、ポジティブな気持ちでサルディニアに臨むことができます。

オット・タナック、マルティン・ヤルヴェオヤ
オット・タナック、マルティン・ヤルヴェオヤ

オット・タナック(ヤリスWRC #8号車)
昨年WRC初優勝を果たしたサルディニアは、私にとって特別なラリーです。今回も最上位のリザルトを期待していますし、きっと選手権の鍵を握る1戦となるでしょう。

前戦ポルトガルは望んでいた結果にならなかったので、今回はできるだけ多くのポイントを得ることが重要です。ラリーに向けて可能な限りしっかり準備をするつもりですし、チームも本当に一生懸命仕事を進めています。

クルマはアルゼンチンで非常に速く、ポルトガルでも良いフィーリングでした。パフォーマンスには心底満足していますので、その速さを結果に結びつけ、良い形でシーズンの前半戦を締めくくりたいと思います。

エサペッカ・ラッピ、ヤンネ・フェルム
エサペッカ・ラッピ、ヤンネ・フェルム

エサペッカ・ラッピ(ヤリスWRC #9号車)
昨年は6本のSSでベストタイムを記録するなど、私たちには速さがありました。それだけでなく、良い結果を残すこともできたので、今回のサルディニアをとても楽しみにしています。

去年のサルディニア以降私は多くを学びましたし、クルマも大幅に進化しました。ここ数戦はとてもリラックスして走ることができており、ハードに攻める自信もつきました。

現在私は選手権ランキング5位につけているので、金曜日のデイ2は早い出走順でSSを走ることになります。サルディニアは出走順の影響がとても大きいラリーですが、前戦ポルトガルでは最後の2日間で早い出走順を経験したので、それほど心配をしていません。

2017年のラリー・イタリア サルディニア
2017年のラリー・イタリア サルディニアにチームはヤリスWRC 3台で参戦し、ラトバラは総合2位でフィニッシュした。結果は僅差で優勝を逃すことになったが、その時勝利を手にしたのは当時Mスポーツに在籍していたタナックであった。

WRカーによるWRC出場は2戦目だったラッピは、パワーステージを含む6本のSSでベストタイムを記録して総合4位に入った。また、ユホ・ハンニネンはSSベストタイムを記録し総合6位でラリーを終えている。

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