MOTUL AUTECH GT-R、68kgのウェイトハンディを跳ね返す
2015 AUTOBACS SUPER GT第5戦「44th International SUZUKA 1000km」の公式予選が8月29日の午後、鈴鹿サーキット（三重県）で行なわれた。
GT500クラスは、68kgのウェイトハンディをモノともせずNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rの松田次生／ロニー・クインタレッリが、レコードタイムでポールポジションを獲得した。
公式予選当日、鈴鹿サーキットの空は早朝から厚い雲に覆われていたが、気温自体は公式予選セッション開始時点で27度、路面温度も32度まで上昇。予選セッションとしては、
まずまずのコンディションの中、GT500クラスのQ1は、GT300クラスのQ1から5分のインターバルを置いた午後2時50分を契機に15分間で実施された。
No.8 ARTA NSXは、朝の公式練習でマシンにダメージを負う
予選セッションが開始されると、CONCEPT-GT（松浦孝亮）が、マシンをチェックする意味合いもあって、セッション開始と同時にいち早くピットアウトしていったのだが、他のマシン／ドライバーは、一向にピットから動かない。
そして残り時間が10分を切ったところで、ようやくマシンNo.19 WedsSport ADVAN RC F（関口雄飛）がコースイン。No.19を先頭に各車もコースに入って、全車がタイムアタックに入った。
しかし程なく、No.6 ENEOS SUSTINA RC F（国本雄資）が、S字最初の右コーナーをそのまままっすぐ行ってしまい、スポンジバリアにクラッシュ。これで赤旗が提示されることとなった。
残り5分以降のセッションで次々とトップが入れ替わる展開に
この間、特にNo.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT（小暮卓史）は、セクター1からセクター3までをセッションベストで繋いでいたところで無念のセッション中断となってしまった。
その後、セッションの再開は3時10分、残り5分間の段階で再開された。２回目セッションを迎え、ピットが1コーナーに近いレクサス勢のNo.36 PETRONAS TOM’S RC F（伊藤大輔）を先頭に、全車が一斉にコースインして行った。
かに思われたが、小暮は大胆な作戦で残り3分20秒となったところでピットアウト。文字通りのワンアタックに賭けた。
まず各車のタイムアタックの結果は、伊藤大輔が1分48秒台に入れ、僚友のNo.37 KeePer TOM’S RC F（平川亮）を従えて、ワン・ツー体制を築く。
その後、No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT（塚越広大）が、1分48秒149で逆転トップに立つ。しかしすぐさまNo.64 Epson NSX CONCEPT-GT（ベルトラン・バゲット）が48秒022で再逆転するという繰り返しに。
S Road MOLA GT-R（本山哲）が遂に48秒の壁を打ち破る
こうして次々とトップが入れ替わる中、No.46 S Road MOLA GT-R（本山哲）が、遂に48秒の壁を打ち破って47秒749をマーク。暫定ポールに王手を掛けることになった。
その後、No.38 ZENT CERUMO RC F（石浦宏明）も、47秒941をマークしたのだが、本山には一歩届かず。
以下、No.64 Epson NSX CONCEPT-GT、No.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT、No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT、No.37 KeePer TOM’S RC F、そしてNo.1 MOTUL AUTECH GT-R（松田次生）と、No.12 カルソニック IMPUL GT-R（ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ）が、Q1を突破してQ2進出を果たすことになった。
大逆転でMOTUL AUTECH GT-Rのロニーがポールを奪取
Q2は、Q1で3番手と気を吐いたNo.64 Epson NSX CONCEPT-GT（中嶋大祐）を先頭に、続々とコースイン。
一方、最後の1台となったNo.1 MOTUL AUTECH GT-R（ロニー・クインタレッリ）のみは、前車との間隔を大きく取り、残り8分となったところでピットを後にした。
4番目にコースインして行ったNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT（武藤英紀）はトラブルに見舞われ、アタックラップに入ることなくピットに戻ってしまったが、他のドライバーはゆっくりとタイヤを温め、最終アタックに入る。
決勝レースは、8月30日・日曜の午後0時半にスタートする
No.1 MOTUL AUTECH GT-R（ロニー・クインタレッリ）は、前車との間隔を図りながら、ランキング２位で厳しいウエイトハンデを負っていなからも1分47秒630をマークしトップに浮上。
これに対してNo.38 ZENT CERUMO RC F（立川祐路）は、47秒台に入れたもののクインタレッリのタイムには一歩及ばず。
各車、クインタレッリのレコードタイムを破るべくアタックが過熱。その後もNo.46 S Road MOLA GT-R（柳田真孝）、No.12 カルソニック IMPUL GT-R（安田裕信）、中嶋大祐らが自己ベストを更新したのだが、クインタレッリにはやはり一歩及ばず。
結果、残り時間が尽き、これでNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rのトップタイムが確定。Q1での7番手から大逆転でのボールポジションを獲得した。
2番手にNo.38 ZENT CERUMO RC F、3番手にNo.64 Epson NSX CONCEPT-GTと続き、日産とレクサス、Honda、そしてミシュランとブリヂストン、ダンロップとクルマもタイヤも異なる3メイクが奇しくもトップを分け合う予選結果となった。
1000kmの長丁場で争われる決勝レースではどんな展開となるのか、そしてどんな顔ぶれが表彰台に並ぶことになるのか、興味の尽きない決勝レースは、8月30日・日曜の午後0時半にスタートする。
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