TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)は、3月12日(木)から15日(日)に掛けてアフリカのケニアで開催される、2026年FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦「サファリ・ラリー・ケニア」に参戦する。
出走は、エルフィン・エバンス選手/スコット・マーティン選手組(GR YARIS Rally1 33号車)、セバスチャン・オジエ選手/ヴァンサン・ランデ選手組(1号車)、オリバー・ソルベルグ選手/エリオット・エドモンドソン選手組(99号車)、勝田貴元選手/アーロン・ジョンストン選手組(18号車)の4台。
これにTGR-WRT2からのエントリーとなるサミ・パヤリ選手/マルコ・サルミネン選手組(5号車)を加えた、合計5台のGR YARIS Rally1で参戦。2026年シーズン最初のグラベル(未舗装路)イベントで、開幕3連勝を目指す。
今年の緒戦では、凍てつくフレンチアルプスの舗装路を舞台に開催された開幕戦のラリー・モンテカルロでソルベルグ選手が優勝、エバンス選手が総合2位、オジエ選手が総合3位に。
続く第2戦、シーズン唯一のフルスノーイベントであるラリー・スウェーデンではエバンス選手が優勝、勝田選手が2位、パヤリ選手が3位と、TGR-WRTは、WRCでは1984年以来となる開幕2戦での表彰台独占を達成した。
そして迎える第3戦は、今シーズン初となるグラベルイベント「サファリ・ラリー・ケニア」となる。
ちなみに1953年に初めて開催されたこのラリーは、長い歴史と人気を誇るクラシックイベントであり、約20年のブランクを経て2021年WRCのカレンダーに復帰した。
非常に過酷な路面、環境下で行われるこのラリーで、TGR-WRTは2021年から2025年にかけて5年連続で優勝。トヨタとしての通算勝利記録は13回となる。
昨年初めてサファリ・ラリーを制したエバンス選手は、前戦ラリー・スウェーデンでの勝利により、ドライバー選手権で首位に。シリーズリーダーとして今大会に臨む。
そのエバンス選手を13ポイント差で追うドライバー選手権2位のソルベルグ選手は、今回初めてGR YARIS Rally1でアフリカの道に挑む。
そして、今シーズンも限られたラウンドへのパートタイム出場を表明しているオジエ選手がチームに復帰。TGR-WRTのドライバーとして過去2回サファリ・ラリーを制しているオジエ選手は、2023年以来の同大会出場となる。以上の3選手が、今回のサファリ・ラリーでマニュファクチャラーズポイントの獲得を担うことになる。
前戦ラリー・スウェーデンで総合2位に入り、ドライバー選手権3位につけている勝田選手は、サファリ・ラリーで過去3回表彰台を獲得しており、今年も有力な優勝候補の一人として期待されている。
また、前戦ラリー・スウェーデンでキャリア2回目の表彰台フィニッシュを飾ったパヤリ選手は、初出場だった昨年のサファリ・ラリーで総合4位に入るなど、アフリカの道でも速さを示した。
サファリ・ラリーは自然豊かなケニアの草原地帯の道が戦いの主舞台となり、ステージは全体的に平坦で、ハイスピードなセクションが多くを占める。
しかし、岩や石が転がる攻撃性の高い路面、「フェシュフェシュ」と呼ばれる粉末状の砂に覆われたソフトな路面、大きな段差がある非常にラフな路面など、非常に難易度の高いステージも少なくない。
そして、強い雨が降ると路面は一気にぬかるんで泥の海となり、非常に滑りやすくなる。
また、深い水たまりや砂の多いセクションではエンジンが水や砂を吸い込みやすくなるため、サファリ・ラリーでは「シュノーケル」と呼ばれる筒状の吸気バイパス装置を、車外に装着することが許されている。
なお今年のサファリ・ラリーは、前年よりもコンパクトなパッケージとなり、首都ナイロビでのセレモニアルスタートおよび、ナイロビ郊外のカサラニで行われてきたオープニングステージは姿を消した。
サービスパークは引き続き、ナイロビの北東約100kmに位置するナイバシャ湖の近くに置かれ、競技は12日の木曜日からスタート。
木曜日はまず午前中にサービスパークの近くでシェイクダウンが行われ、午後4時過ぎからデイ1としてSS1「キャンプ・モラン1」、SS2「ムザビブ1」という2本合計33.21kmのステージが行われる。
競技2日目となる13日金曜日のデイ2は、一日を通してステージが設定されるフルデイの初日。前日のSS1の再走となるSS3「キャンプ・モラン2」に続き、ナイバシャ湖周辺で「ロルディア」「ケンゲン・ジオサーマル」「ケドング」という定番のステージを、ミッドデイサービスを挟んで、午前と午後に各2回走行。
そのうち全長25.04kmのロルディアは、今大会最長のステージとなる。更に一日の最後にはSS2の再走となるSS10「ムザビブ2」を走行。8本のステージの合計距離は137.19kmと、4日間で最長の一日となる見込みだ。
競技3日目となる14日土曜日のデイ3は、風光明媚なエレメンタイタ湖の周辺で「ソイサンブ」「エレメンタイタ」「スリーピング・ウォリアー」という、やはり定番の3ステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。6本のステージの合計距離は122.72kmとなる。
競技最終日となる15日、日曜日のデイ4は、ナイバシャ湖の南側エリアで「オセレンゴニ」と「ヘルズゲート」という名物ステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行する。
4本のステージの合計距離は57.40km、最終ステージとなるヘルズゲートの2本目、SS20はトップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。
ステージは全20本で、合計距離は昨年大会よりも約33km短い350.52km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1217.64kmが予定されている。
加えてサポート選手権であるWRC2には、3台のGR Yaris Rally2がエントリー。ガス・グリーンスミス選手(イギリス)、ディエゴ・ドミンゲス選手(パラグアイ)、アンドレア・ラファルヤ選手(パラグアイ)の3選手がステアリングを握る。
GR Yaris Rally2でのWRC出場は今回が初となるガス・グリーンスミス選手は昨年、一昨年と2年連続でサファリ・ラリーのWRC2クラスを制しており、今回も好結果が期待される。
TGR WRCチャレンジプログラムのドライバーである山本雄紀選手は、ラリー・スウェーデン前のテスト中に起きたアクシデントの影響により、完全な回復に専念するため今回のイベントを欠場する。
ユハ・カンクネン (チーム代表代行)
ケニアに戻るのはいつも楽しみです。ケニアでは素晴らしいのドライビングの思い出があり、ラリーの走行距離は以前ほど長くありませんが、地形という点では依然としてもっとも過酷です。
トヨタは常に非常に強いクルマを作りあげ、このような過酷なイベントへの準備に力を注いできましたが、私の時代のように数週間前からアフリカでテストを行うことが不可能になった点は、現在と異なります。
我々は今シーズン、開幕から素晴らしい結果を残すことができており、5組のクルー全員が少なくとも1回は表彰台に立っています。
これは我々が非常に強力なチームであることを示しています。もちろん、ケニアでも同じような結果を残したいと思っていますが、最大の目標は再び優勝し、可能な限り多くのポイントを獲得することです。
エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
チームにとって素晴らしいシーズンのスタートとなりましたが、特にサファリのようなラリーでは、これから待ち受ける課題を決して過小評価してはなりません。
このラリーは予測することが不可能ともいえるイベントです。岩が道の真ん中に転がっていたり、草むらに隠れていることもあり、雨が降ると水たまりができ、グリップが完全に失われることもあります。
我々チームはこのラリーで大きな成功を収めてきましたし、厳しいコンディションにも対応できるよう、チームは改良を重ね、強力なクルマを開発してきました。
昨年のラリーは非常に厳しい天候下で行われましたが、なんとか乗り切り初優勝を飾ることができたので、とても嬉しかったです。連覇は容易ではありませんが、それが私たちの目標です。
セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 1号車)
サファリ・ラリーを2大会欠場した後、ケニアに戻れることを嬉しく思います。この美しい国に戻り、アフリカのファンの興奮を目の当たりにするのが待ち遠しいです。
他のラリーとは一味違う、特別な体験です。一年の早い時期行われるサファリに出場するのは私にとって初めてなので、これまで経験したことのないほどのウェットコンディションに直面するかもしれません。
このラリーへのアプローチはコンディションに大きく左右され、状況は瞬時に変わります。謙虚な姿勢で臨むべきイベントですが、チームは素晴らしい実績を残していますし、過去ケニアは私たちにとって相性の良い舞台でしたので、今回も素晴らしい結果を残せることを願っています。
オリバー・ソルベルグ (GR YARIS Rally1 99号車)
サファリ・ラリー・ケニアは大好きなラリーなので、GR YARIS Rally1での初出場が楽しです。スウェーデンやエストニアのようなラリーとは全く異なるタイプで、純粋なスピードや、クルマに究極のフィーリングを求めるようなラリーではありません。
アタックして走りを存分に楽しめるセクションもありますが、どこでもそうできるわけではないので、一貫した安全なペースを見つける必要があります。
チームはこれまでケニアで素晴らしい記録を残してきたので、クルマの強さには自信を持っています。最大の目標はクリーンにラリーを戦うことであり、それができれば非常に多くのポイントを獲得することができるでしょう。
勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)
スウェーデンでは戦いを楽しむことができたので、その良いフィーリングを、誰にとっても全く異なるチャレンジになるであろうケニアに持ち越せることを願っています。
サファリでは、スウェーデンのように全開で走ることは忘れ、スピードを少し犠牲にしてすべてをコントロールする必要があります。それでも自分はこのラリーも大好きですし、自分に合っていると思います。
チームも常に好成績を残してきましたし、過酷な条件下でも強くて信頼性の高いクルマを提供し続けてくれています。自分にとってもチームにとっても特別なラリーですし、常に素晴らしいサポートを受けていると感じているので、今回も良い結果を目指すことができると確信しています。
サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)
スウェーデンでは、安定したパフォーマンスと結果を残すことができ、自分にとって本当に素晴らしいラリーになりました。
しかし、ケニアは全く異なるユニークなチャレンジになるでしょう。昨年初めてこのラリーに参戦した時は、まさに冒険でした。生き残ることが重要なステージもありますが、よりハイスピードで流れるようなステージもあります。
経験が非常に重要な役割を果たすラリーだと思います。昨年は賢明なアプローチで総合4位を獲得し、初出場にしては良い結果を残すことができましたが、今年はさらにスピードを上げ、表彰台を争えるようにどこで攻め、どこで我慢するかを賢く判断しながら戦いたいと思います。
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