アウディ、VWとパワートレーン開発部門の責任者を歴任したヴォルフガング・ハッツ氏がポルシェAGを退社
ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:Dr.オリバー・ブルーメ)の監査役会は、5月3日の同役職会議に於いて、ポルシェの開発部門トップとして、同社のクルマ造りを精力的に率いてきたヴォルフガング・ハッツ氏(57)の後任に、ミヒャエル・シュタイナー氏(51)を任命した。
シュタイナー氏は早速、任命同日よりポルシェの研究開発部門を引き継ぐことになる。
2011年2月から開発部門を率いてきた前任者のハッツ氏は、自らの希望により、双方の合意のもとで監査役会との契約を解除し、ポルシェを離れる意向であると云う。
新任にとなるシュタイナー氏は、過去14年間に亘り、ヴァイザッハのポルシェ開発センターで指導的な役割を務めており、直近では、コンプリートカーエンジニアリング/品質管理の責任者を担っていた。
ポルシェAGの監査役会会長を務めるDr.ヴォルフガング・ポルシェ氏は、退任にあたって改めてヴォルフガング・ハッツ氏の開発部門のトップとして5年以上に亘った多大な貢献に、心から感謝の意を示した。
そこには、ポルシェの名声をより高めることに寄与した歴代ポルシェのモデルレンジの開発や、その成功の足跡だけでなく、同社の歴史上、重要なマイルストーンとなった「918スパイダー」を世に送り出したこと。
そしてモータースポーツの世界で、トップクラスに返り咲く事が出来た事など、その様々な目覚しい業績などが含まれている。
「ヴォルフガング・ハッツ氏は、2015年6月にはル・マンに於いてポルシェLMP1クラスのワンツーフィニッシュを飾るという輝かしい業績を収めました」と監査役会会長のポルシェ氏は、その輝かしい足跡を懐かしく辿る様に語っている。
さらにハッツ氏は、2015年のフランクフルトモーターショーでデビューしたミッションEコンセプトカーに於いても、重要な役割を果たしている。
このポルシェ史上初となるオールエレクトリックスポーツカーは、2020年末には生産されることが予定されている。
併せてポルシェAGでは、「ハッツ氏は、昨年9月末のフォルクスワーゲングループのディーゼル問題に端を発し、調査の対象になっていることもあり、永らく休職中でありますが、現時点までに連帯責任のいかなる証拠も示されていません」と述べている。
しかし同氏は、進行中の内部調査と、長期間の休職により、ポルシェAGを離れる決意をしたと同社では説明している。
当のハッツ氏は、「ポルシェAGで過ごした時間が懐かしく思い出されます。そして、ミヒャエル・シュタイナー氏が後継者となってくれることを非常にうれしく思います」と語っている。
これを受けて、ポルシェAG社長のオリバー・ブルーメ氏は、「私達は、社内評価基準に基づきミヒャエル・シュタイナー氏が、新しい研究開発担当役員として、最も適任であると判断しました。
シュタイナー氏は、2002年よりイノベーションコンセプトのトップとして、また2005年からは新設パナメーラシリーズの初代トップとして。
さらに直近では、2011年以来コンプリートカーエンジニアリング/品質管理の責任者として、何度も豊かな専門知識を実証してきました」と述べた。
機械工学士のシュタイナー氏は、1995年にミュンヘン工科大学で工学博士号を取得し、ポルシェに入社する前は、シュトゥットガルトのダイムラーAGで7年以上に亘り勤務した人物である。
そんなシュタイナー氏の前途には、今後エキサイティングな仕事が待ち受ける。
電動化やデジタル化との連結は、ポルシェにとっても重要な役割を果たす。ツッフェンハウゼンによる初の純粋なバッテリー駆動スポーツカーの開発は、まさに同社にとって新時代の幕開けとなるからである。
ポルシェAGでは、「シュタイナー氏の目標は、既に明確に定まっています。それは、ポルシェの伝統的なDNAと未来のテクノロジーの融合です」と結んでいる。
問い合わせ先
ポルシェ カスタマーケアセンター 0120-846-911
ポルシェ ホームページ http://www.porsche.com/japan/
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