2016年のWECおよびル・マン24時間は2台体制でアウディと同意
ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:Dr.オリバー・ブルーメ)は11月30日、919ハイブリッドで参戦する2016年のFIA世界耐久選手権(WEC)のレギュラードライバーについて、2組のトリオの組み合わせは3年連続して変更せず、ティモ・ベルンハルト(ドイツ)/ブレンドン・ハートレー(ニュージーランド)/マーク・ウェバー(オーストラリア)組、ロマン・デュマ(フランス)/ニール・ジャニ(スイス)/マルク・リープ(ドイツ)組となることを発表した。
LMP1担当副社長フリッツ・エンツィンガー氏は、「勝者に変化の必要はないという言葉の通りです。
両方のトリオは素晴らしいパフォーマンスをトラックで見せています。彼らはLMP1プログラムが始まった時から同じ時間を過ごし、919ハイブリッドの開発にも多大な貢献をしています。
我々はトップドライバーである6名の誇りに思い2016年のWECおよびル・マン24時間で共に戦えることを嬉しく思います」と述べた。
またチーム監督アンドレア・ザイドル氏は、「ドライバーとも話していましたが、私たちはお互いを信頼しあい、心を許せるチームとして順調に進化しています。
ドライバーたちの活躍を抜きにして、ポルシェは2015シーズンにおいてこれほどの成績を残すことはできませんでした。
チームワークという観点では、最終戦でベルンハルト/ハートレー/ウェバー組がドライバーズタイトルを獲得するため、デュマ/ジャニ/リープ組が挙げた勝利が思い浮かびます。
これによりWECでチャンピオンになるためには2組の強力なトリオが必要だということを改めて証明しました。今後も、チームを継続および強化していきます」と語っている。
またポルシェは、コストの効率化のためVWグループの姉妹会社であるアウディとともに、2016年のWECおよびル・マン24時間に今年度の3台ではなく、2台体制で参戦することに合意した。
WECのトップカテゴリーに復帰して2シーズン目でポルシェ ワークスチームは、栄光あるル・マン24時間でのワン・ツー・フィニッシュおよび1986年以来のマニュファクチュアラーズタイトルを獲得した。
ベルンハルト/ハートレー/ウェバー組は、4つの6時間レース(ニュルブルクリンク、オースティン、富士、上海)で優勝、166ポイントでドライバーズタイトルを獲得。
919ハイブリッドは全8戦すべての予選でポールポジションおよび2番グリッドを得た。ベルンハルト/ハートレー/ウェバー組は5回、デュマ/ジャニ/リープ組は3回ポールポジションからスタートを切っている。
同社によると、史上まれにみる複雑な919ハイブリッドは、これまで存在したレーシングカーの単なる模倣ではなくアイデアの集合体として生まれたという。
ハイブリッドシステムは、市販車でも採用されているターボエンジンによるライトサイジングから生まれた2リッターの直噴4気筒エンジンと、前輪のブレーキおよび排気熱による回生エネルギーを貯蔵するため最先端リチウムイオンバッテリーから成っている。
WECにおいても、特徴的な排気熱を利用した回生システムは、加速時にもエネルギーを発電し、919ハイブリッドはシステム全体でおよそ1,000PSを発生する。
これらの技術は、ミッションEの800Vテクノロジーなど、すでにロードゴーイングスポーツカーの開発にも活用されている。