オン・セミコンダクター、車載カメラアプリ向け1メガピクセルCMOSデバイスを発表


半導体コンポーネント企業のオン・セミコンダクター(本社:米国アリゾナ州フェニックス、CEO:キース・ジャクソン)の日本法人オン・セミコンダクター株式会社(本社 東京都台東区)は、車載イメージング分野の大きな進歩を示す1.0メガピクセル(Mp)CMOSイメージセンサの2製品「AS0140」「AS0142」を発表した。

昨今、乗用車で使用されるカメラやその他のイメージセンシングの技術数は急増し続けている。業界アナリストの予測によると、車載カメラの年間出荷台数は、2020年までに8000万個を優に超える。

そうしたなか新デバイスは、イメージセンサとプロセッシング機能を低電力システムオンチップ(SoC)に統合して提供し、リアビューやサラウンドビュー・カメラなどのアプリケーションにおける採用を容易にした。

個別のセンサとプロセッサのコンポーネントで構成される従来型のソリューションと比較して、PCB面積を30%上縮小できる。これにより車両のスタイルや美観を損なうことなくカメラを実装できるようした。

AS0140およびAS0142は、いずれも1/4インチフォーマットのデバイスで、フル解像度で45fps、720pで60fpsをサポートする。

搭載されている主な機能としては、歪み補正、マルチカラー・オーバーレイ、アナログ(NTSC)やデジタル(イーサネット)インタフェースなどがある。

また、いずれのSoCデバイスも、画像処理プロセスに悪影響を与えるノイズを除去するために、適応型ローカルトーンマッピング(ALTM)を使用することで画質を向上させる。また、93デシベル(dB)のダイナミックレンジにより、高照度と低照度の両方のアプリケーションで効果的に動作する。

この新デバイスについてオン・セミコンダクターの車載イメージングソリューション部門ジェネラルマネージャ兼副社長であるロス・ジャトウ(Ross Jatou)は、「同製品はPCBの面積及び全体的な部品コストへの影響を最小限に抑えつつ、低消費電力動作と高いダイナミックレンジを兼ね備えた完全なSoCカメラソリューションを提供します。

ロジスティックと性能の両面から自動車メーカーのイメージング需要に応えます。

現段階で、他のほとんどのソリューションが、非効率的に個別に配置されている独立したイメージセンサとイメージプロセッサか、あるいは相対的に機能が制限されたSoCに依存しています。

一方、新製品の両デバイスは、トップクラスの電力効率を実現しており、高ダイナミックレンジ(HDR)モードにおいて30fpsで動作する場合の消費電力はわずか530ミリワット(mW)です。

動作温度範囲は−40°C〜105°Cで、車載環境の使用に対する適合性を高めています。現在、エンジニアリングサンプルを提供中であり、量産時期は、AS0140が2017年第4四半期、AS0142が2018年第1四半期の予定です」と述べている。