フェラーリ、「Ferrari GTC4Lusso T」ジャパン・プレミアを実施


新たなグランドツーリング・コンセプトを牽引する、フェラーリ史上初のV8ターボエンジン搭載4シーター・モデル

フェラーリ・ジャパン(所在地:東京都港区六本木、代表取締役:リノ・デパオリ)は3月16日、昨年のパリ国際モーターショーで発表された「Ferrari GTC4Lusso T」を日本国内顧客並びに報道陣に向けて初披露した。

フェラーリのまったく新しいGTコンセプトを確立した同モデルは、週末のロング・ドライブだけではなく、日常のドライブにも適した、スポーツ性能と多用途性を備えている。

この日のために特設された代官山 T-SITEのテント会場では、「日常的に愉しめるフェラーリ」というコンセプトを伝えるプレゼンテーションに加え、俳優の伊勢谷 友介さん、モデルのクリス-ウェブ 佳子さんによるトークショーが行われ、鮮やかなブルー(カラー名: Blu Elettrico)のGTC4Lusso Tが公開された。

GTC4Lusso Tがターゲットに据える顧客層は、エレガントでこれまでとは違う1台を求める30歳から40歳の富裕層である。

毎日の通勤はもちろん、スポーツを楽しみにビーチに行ったり、子供の学校への送迎、また、パートナーと夕刻にドライブを楽しむために利用されることを想定していると云う。

このため、GTC4Lusso Tは洗練されたデザインを持ち、入念なデザインとディテールの造り込みによって、スポーティー・ラグジュアリーの頂点と呼ぶに相応しいキャビンとした。

ドライバーとパッセンジャーがドライビング・エクスぺリエンスを共有できるよう設計された、デュアルコックピット構成を採用したのもこの目的を備えてのことである。

GTC4Lusso Tに搭載されたV8ターボエンジンは、「2016年インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」を受賞したエンジンの最新進化版となっている。

総排気量は3,855ccで、最高出力は610 cv/ 7,500 rpm、比出力158 cv/lというエンジンは、同カテゴリー最高の数値を達成している。ユニットの燃料消費量の最適化を図る一方、アクセル操作に瞬時に反応し、パワフルな加速(3,000〜5,250rpmという広い回転域で最大トルク760Nmを維持)を引き出せる。

この性能は、燃焼室内の圧力を最大化させるため採用された新ハイレジスタンス・アルミ合金製ピストンとコンロッドによって実現した。

エアインテーク・システムも刷新され、高圧および低圧エアダクトをより直線的として損失を最小限に抑えている。また、冷却性能を向上させた新型インタークーラーの採用で、流体力学的なロスも抑制した。

またGTC4Lusso TのV8エンジンで最も革新的な技術のひとつが、可変ブーストマネージメントにある。

これは、選択されているギアごとに最適なトルクを発生させる制御ソフトウェアで、エンジンの回転上昇とともにパワフルになるピックアップと、最適な燃料消費をもたらす。

実際にスロットルを踏み、シフトアップと歩調を合わせていくと(3速〜7速)エンジン・トルクは上昇し、7速で最大のトルク760Nmに達する。

同時に、このトルク・コントロールによって高めのギアのギア比を高く設定することが可能となった結果、燃料消費向上にも貢献している(現行ラインナップでは、V12エンジン・モデルよりも30%向上)。

この際、最高品質を誇るフェラーリ伝統のサウンドトラックを GTC4Lusso Tも継承している。エンジン点火を同調させるフラットプレーン・クランクシャフトと、サウンドを調整する等長エグゾーストヘッダーに加えて、排気ラインには新たな大径サイレンサーを備えたセンター・セクションが追加された。

フェラーリのエンジニアは、車輌総重量の軽量化に加え、前後重量配分を46:54とリア寄りに設定することで、4WSとSCM-Eコントロールシステムに専用のセッティングを採用した。

これらの特別なビークルダイナミック・コントロールシステムによって、GTC4Lusso Tは一層軽快かつロールを抑えた感覚をドライバーにもたらす。低速時の加速性能とフィーリングは、可変ブーストマネージメントによって強化されている。

積極的なドライビング時には、4WSシステムの後輪ステアリングによって、フロントホイールと同じ方向に後輪をステアさせることで、コーナーの進入時も脱出時も、シャープなレスポンスでステアリングからの入力に応える。

操作系では、フロントとリアのアクスル間の反応時間は6.5% 短縮され、ステアリングホイールの操作量も2.5% 削減された。

GTC4Lussoと同様、後輪操舵システムによって、車輌の動きの予測と操作が簡単になり、限界域でのコントロール性も向上した。

この際、サイドスリップコントロール3.0(SSC3)は、GTC4Lusso Tの車体各部と車体制御系と連動することで、あらゆる状況下でもグリップコンディションに合わせて車輌の挙動を制御する。

SSC3は、車体各部に設置したセンサーとグリップ予測からの情報を元に、リアルタイムで横滑りを検知し、各システムに取るべき動きを伝達。車の挙動は、遭遇する様々な状況に合わせて、より精度を高め、正確にコントロールされるようになった。

車両のエクステリア面では、フェラーリのスタイリング・センターでデザインされたGTC4Lusso Tは、流れるような究極のラインとテーパー・シェイプを備えた、革新的なシューティングブレーク・クーペとしている。

キャビンは、レザーの匠人の技のような洗練されたエレガンスと、特にインターフェイスで顕著なスポーティー・メタルおよびカーボンファイバー・パーツが見事に調和させた。

先に記載した通り、GTC4Lusso Tのユニークなデュアルコクピット構造は、ドライバーだけではなく、パッセンジャーにもドラインビング・エクスペリエンスを存分に味わってもらうためにデザインされた。

このために最新バージョンとなったインフォテインメントシステムには、10.25インチのHDタッチスクリーンが搭載されている。

主な諸元は以下の通り。

エンジン
形式: V8 – 90° ターボ
総排気量 :3,855 cc
ボア & ストローク :86.5 mm x 82 mm
最高出力:** 449 kW (610 CV) at 7,500 rpm
最大トルク: 760 Nm at 3,000 -5,250 rpm
最高回転数 :7,500 rpm
圧縮比 :9.4:1

サイズ & 重量
全長 :4,922 mm
全幅 :1,980 mm
全高 :1,383 mm
ホイールベース: 2,990 mm
フロント・トレッド: 1,674 mm
リア・トレッド :1,668 mm
空車重量:* 1,865 kg
乾燥重量:* 1,740 kg
前後重量比 :46% フロント – 54% リア
トランク容量 :450 l
燃料タンク容量 :91 l

タイヤ
フロント :245/35 ZR20”; 8.5” J x 20”
リア :295/35 ZR20”; 10.5” J x 20”

ブレーキ
フロント :398 mm x 38 mm
リア :360 mm x 32 mm

トランスミッション & ギアボックス:
4WS/ 7-speed F1 DCT/E-Diff

電子制御システム:
SSC3/CST with F1 TRAC システム, ESP 9.0 プレミアム with ABS Evo/ SCM-E

パフォ―マンス
最高速度 :320 km/h 以上
0-100 km/h :加速 3.5秒
0-200 km/h :加速 10.8 秒
100-0 km/h :制動距離 33 m
200-0 km/h :137 m
乾燥重量/出力 :2.85 kg/cv

燃料消費量 & CO2排出量
燃料消費量:*** 11.6 l/100 km
CO2 排出量:*** 265 gCO2/km

* 均一性のため kW と hp を併記。98 RON の燃料を使用
**特定のオプションを装着
***ホモロゲーションに従う
フェラーリWebサイト(日本語版):
http://www.ferrari.com/ja_jp/