TOYOTA GAZOO Racing、インテルラゴスで後半戦巻き返しへ
7月11日(金)、ブラジルのインテルラゴス・サーキットで2025年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)第5戦サンパウロ6時間の公式練習が開始。シーズン後半戦での巻き返しを目指すTOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、2回の練習走行セッションで順調なスタートを切った。
先月行われたWECに於けるハイライトシーンのひとつ、ル・マン24時間を終え、今季WECは南半球のブラジルへと舞台を移す。
これによりいよいわ18台のハイパーカーによる後半戦が始まる。ル・マンを5位フィニッシュで終えたTGRは、これまで4度の出場で2勝を挙げているここブラジルで、表彰台への返り咲きを目指す。
昨年のブラジルラウンドでポールポジションを獲得した小林可夢偉選手、マイク・コンウェイ選手、ニック・デ・フリース選手のGR010 HYBRID 7号車は、僅差となった初日を7番手タイムで終えた。
一方、昨年優勝したGR010 HYBRID 8号車は、セバスチャン・ブエミ選手が他カテゴリーのレースに出場するため欠場となり、ブレンドン・ハートレー選手と平川亮選手の二人で6時間レースに挑む。
このコンビによる初の二人体制でのレースとなる8号車は、この日の練習走行を16番手で終えた。
太陽の光に照らされ、気温が約20度に上昇する中、公式練習1回目は予定より少し遅れて開始された。
チームはタイムロスを避けるため迅速に作業に取り掛かり、再舗装された1周4.309kmのサーキットでのセットアップのベースを作っていくプログラムを進めた。
このプログラムには、インテルラゴス特有の、反時計回りのレイアウトに合わせたガレージでのセットアップ調整も含まれる。
公式練習1回目の後、3時間のインターバル中にドライバーたちは、2回目の練習走行へ向けてクルマのセットアップやバランスの改善点を特定するために、エンジニアへ詳細なフィードバックを実施。
練習走行2回目では、これらのセットアップ変更に加え、2台共にタイヤの解析も行った。
この90分間のセッションも目立った中断はなく、2台のGR010 HYBRIDはトラブルなく一日を過ごし、チームは分析と比較のプログラムを全て完了した。
明日12日(土)の午前中に行われる公式練習3回目は、決勝のスターティンググリッドを決定する予選とハイパーポールの前の、最後のクルマの最適化機会となる。
ハイパーカークラスの予選は、現地時間の午後3時25分(日本時間13日(日)午前3時25分)より開始され、6時間で争われる決勝は、13日(日)午前11時半(日本時間午後11時半)にスタートが切られる。
小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):
ブラジルに戻ってこられて嬉しいです。今日は2回のセッションをどちらもスムーズに進めることができました。路面が再舗装されたため、昨年との違いを比較しながら、このサーキットに向けてクルマの最適化を進めています。まだ目指しているペースには達していないので、さらなるパフォーマンスを引き出すために作業を続け、最善を尽くします。
マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):
今日の2回のセッションでは、クルマの感触がまったく異なっていたので、その点についてさらに理解を深める必要があります。ライバルたちがやや速いと感じているので、どこまで改善できるかは分かりませんが、可能な限りの改善を図り、予選と決勝に挑みます。良い結果を目指して全力でプッシュを続けます。
ニック・デ・フリース(7号車 ドライバー):
良い一日で、楽しむことができました。順調に進み、2回のセッションを通じてバランス面などでいくつかの進歩は見られましたが、まだ十分な競争力には達していないと思います。シーズンを通して我々のポジションは変わっておらず、何台かのライバルは我々よりも強そうです。路面が再舗装されても、依然としてタイヤの摩耗がとても重要なので、レースで上位を目指すためにはそこがポイントになりそうです。
ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):
サンパウロへ戻れて嬉しいです。このコースは本当に楽しめます。再舗装された路面を実際に走り、2回の練習走行セッションはトラブルなく終えることができました。我々は間違いなく中団で厳しい戦いを繰り広げているので、さらなるペースアップのために今夜も作業を進めなくてはなりません。亮と二人でレースを戦うのは初めてですが、ポジティブな点としては、一人あたりの走行機会が増えることです。ただ、セブのフィードバックがないというのも確かです。
平川 亮(8号車 ドライバー):
今日は難しい一日でしたが、生産的でもありました。再舗装された路面の評価と、そこでのタイヤの挙動を確認することに焦点を当てていました。多くの周回を重ね、分析すべきデータをたくさん集めることができました。このコースでのクルマの特性を理解するために、十分な周回をこなしました。タイムはかなり接近しており、チャレンジングなレースになるでしょう。我々の持っているポテンシャルを最大限に引き出す必要があります。
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WEC 第5戦 サンパウロ6時間 公式練習第1回目結果
順位 No. ドライバー名 チーム/車種 周回 ベストタイム
1 6 ケビン・エストレ
ローレンス・バンスール ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/
ポルシェ 963 43 1:25.176
2 50 アントニオ・フオコ
ミゲル・モリーナ
ニクラス・ニールセン フェラーリAFコルセ/
フェラーリ 499P 48 1:25.260
3 20 レネ・ラスト
ロビン・フラインス
シェルドン・ファン・デル・リンデ BMW M TEAM WRT/
BMW M Hybrid V8 53 1:25.330
4 7 マイク・コンウェイ
小林可夢偉
ニック・デ・フリース TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID 52 1:25.344
5 15 ドリス・バンスール
ラファエル・マルチェッロ
ケビン・マグヌッセン BMW M TEAM WRT/
BMW M Hybrid V8 50 1:25.348
14 8 ブレンドン・ハートレー
平川亮 TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID 51 1:25.901
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WEC 第5戦 サンパウロ6時間 公式練習第2回目結果
順位 No. ドライバー名 チーム/車種 周回 ベストタイム
1 6 ケビン・エストレ
ローレンス・バンスール ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/
ポルシェ 963 47 1:23.508
2 5 ジュリアン・アンドラウアー
ミカエル・クリステンセン ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/
ポルシェ 963 42 1:23.612
3 15 ドリス・バンスール
ラファエル・マルチェッロ
ケビン・マグヌッセン BMW M TEAM WRT/
BMW M Hybrid V8 58 1:23.618
4 12 アレックス・リン
ノルマン・ナト
ウィル・スティーブンス キャデラック・ハーツ・チームJOTA/
キャデラック V-Series.R 53 1:23.681
5 7 ハリー・ティンクネル
トム・ギャンブル アストンマーティン THOR Team/
アストンマーティン ヴァルキリー 57 1:24.006
7 7 マイク・コンウェイ
小林可夢偉
ニック・デ・フリース TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID 58 1:24.023
16 8 ブレンドン・ハートレー
平川亮 TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID 53 1:24.571
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