HEREとパイオニア、地図並びに位置情報サービスの戦略提携で合意。自動車業界外の連携も視野に


デジタル3次元地図情報サービスの「ヒア」ことHERE Technologies (HERE International B.V.、本社:オランダ・アムステルダム、CEO:Edzard Overbeek「エザード・オーバーベック」、以下、HERE)と、パイオニア株式会社(本社:東京都文京区、社長:小谷 進、以下、パイオニア)は、グローバルな地図ソリューションと、自動車業界など様々な業界向けの次世代位置情報サービスに関して戦略提携を進めていくことで合意した。

この合意は、昨年来両社で進めてきた、パイオニアの「3D-LiDAR」センサー技術を活用し、自動運転用地図の更新・運用を行う“データエコシステム”の開発検討に続くものとなった。

HEREとパイオニアは、それぞれが保有する地図と自動車関連技術などを組み合わせ、業界トップクラスの規模と品質で、グローバルな標準地図の相互提供と自動運転用高精度地図ソリューションの提供に向けた取り組みを進めていく。

その活動範囲は、車室内のインフォテインメントや、自動運転への活用を検討している自動車業界だけでなく、幅広い業界の顧客に対し、位置情報をさまざまなサービスと連携させる“ロケーションインテリジェンス”を活用した新ビジネスとしていく構え。

また、両社は、パイオニアのセンシングデバイスによって収集されたリアルタイムデータを活用した新しいサービスの構築も検討していくと云う。

両社の新しい協業については以下の通り。

【グローバルな標準地図サービス】
HEREと、パイオニアの 100%子会社であるインクリメント・ピー株式会社(本社:東京都文京区、社長:神宮司 巧、以下「インクリメントP」)は、それぞれが保有する地図データを既存および将来の製品やサービスに相互利用する予定。

HEREは、インクリメント P の日本向けナビゲーション地図データを利用し、グローバルでビジネス展開する顧客向けに、グローバル地図サービスとして提供することが可能となる。

HEREの戦略上、日本の地図もグローバルな地図サービスとして顧客に提供できることは重要な意味を持つ。

一方、パイオニアは、HEREの地図データを利用し、海外の顧客向け製品やサービスを展開していく。

HEREとインクリメント P の両社が地図を供給している地域については、両社のメリットが活かせるように今後の協業の可能性を検討していく構え。

【自動運転用グローバルな高精度地図サービス】
自動運転用高精度地図を制作しているHEREとインクリメント P は、自動車業界などさまざまな業界のニーズに応える世界共通の高精度地図ソリューションの実現を目指す。

HEREとインクリメント P は、パイオニアの 3DLiDARセンサーで収集したデータを、自動運転向けを含むさまざまな領域の高精度地図ソリューションに活用していくことを検討する。

【パイオニアのセンシングデバイスから収集したデータの位置情報および地図更新サービスへの活用】
HEREとパイオニアは、自動車業界などさまざまな業界向けに、パイオニアの市販用デバイスでセンシングしたデータを利用する次世代位置情報サービスを構築。2018年中の市場導入を目指す。

このデータが加わることにより、HERE のオープンロケーションプラットフォームを活用したドライバー向けのリアルタイムクラウドデータサービスの情報量は大きく充実する。

今後、HEREとパイオニアは、それぞれが保有するロケーションプラットフォームの連携や、センシングデータを用いた地図データベースの更新について検討を進めていく。

HERE のCEOエザード・オーバーベック氏は、「パイオニアとの協業の範囲が広がり、深まることを大変喜んでいます。

パイオニアは、位置情報技術により世界中の人々や企業、社会に大きな利益をもたらそうとする当社のビジョンを共有してくれており、このビジョンを現実のものとするために、パイオニアと協業を進めることを大変楽しみにしています」と述べた。

一方、パイオニアの代表取締役 兼 社長執行役員 小谷 進氏は、「このたび、HERE とパイオニア/インクリメント P が協業することにより、グローバルな地図ソリューションおよび位置情報サービスを提供できることを心より嬉しく思っております。

来る自動運転時代を見据えた“データエコシステム”の構築を目指して両社が知見や技術を持ち寄ることで、新しい価値を生み出すことができると確信しています。

この“データエコシステム”および高精度地図への取り組みは、日本国内の関係団体とも協調・連携を図ることで、新たな市場創造に向けてグローバルに貢献できると考えています」とコメントした。