ミラノで、フェラーリがデザイン界の権威あるアワードを獲得
フェラーリの顧客向けレース部門である「コルセ・クリエンティ」が開発したサーキット走行専用車「Ferrari FXX K(エフエックスエックス ケー)」が6月14日、デザイン界の羨望の的であり、最も誉れ高いアワードのひとつ、イタリア工業デザイン協会こと「ADI」が制定するコンパッソ・ドーロ賞に輝いた。
当日の授賞式にはフェラーリ・デザインチームのシニア・バイスプレジデントのフラヴィオ・マンゾーニが臨んだ。
FXX K は、同式典で受賞した13のデザイン製品のうちのひとつ。1954に制定されたコンパッソ・ドーロ賞は、専門家、デザイナー、評論家、歴史家、業界専門ジャーナリストから成るADI常設デザイン監視団による予選を経て選出される。
歴代のコンパッソ・ドーロ賞の受賞製品の中で、自動車製品による受賞はわずか9モデルに過ぎないが、そのうちの2つがフェラーリが獲得している(2014年受賞のF12berlinettaと今回受賞のFXX K)。
授賞式に於いて、ADI(イタリア工業デザイン協会)の審査員団は、「歴史的ブランドの価値を、具体的な形に作り上げた素晴らしきチームへの褒賞として、コンパッソ・ドーロ賞を、フェラーリとイタリア製品の価値を反映する偉大なる手工業の賜物、Ferrari FXX K に授けることにした」とコメントした。
Ferrari FXX K は、公道用モデルとしてフェラーリの史上最高の動力性能を搭載した特別限定モデルLaFerrari(ラフェラーリ)から直接派生した世界限定32台・約3億7000万円の極限的スポーツカーである。
デザイナーと空力エンジニアとのコラボレーションによる、性能と美が一体化した作品で、その美しいスタイルは機能上必然的に生まれたものであり、どのラインをとってみても、性能の向上に貢献しない部分はないと云う。
サーキット周回の様々なシチュエーションで最大の効率を提供することに注力して開発を進めた結果、車体全域で機能するアクティブ/パッシブ双方のエアロダイナミクスを統合させた。
FXX-Kはまた、フェラーリが3年連続世界タイトルを獲得している世界耐久選手権GTカテゴリー車輌の開発コンセプトを反映させ、エアロダイナミクス・バランスの完全を図っている。その結果、速度200km/h 時で540kgというダウンフォース値を達成している。
搭載されるV12エンジンと、運動エネルギー回生システム (HY-KERS)のトータル最高出力は1050cv。車名の「K」は、サーキットでのパフォーマンスを最大化させる事を目的として搭載したエネルギー回生システム「KERS」に由来する。
最高出力は1050cvの内訳は、総合最高出力1,050cv(V12 ICEが860cv、エレクトリック・モーターが190cv)で、総合最大トルクは900 Nm。
HY-KERSシステムを搭載される6,262cc V12は、サーキット・ユースに特化して最適化されている。
このHY-KERSシステムは、純粋にパフォーマンスを追求して進化したもので、:Qualify (限られた周回数における最大パフォーマンス); Long Run(一貫した性能); Manual Boost (瞬時に最大トルク分配); Fast Charge (バッテリーの急速充電)の4種類のモードを備えたマネッティーノを搭載した。
主要諸元
V12 エンジン+KERS システム
– 総合最高出力 1050 cv
– 総合最大トルク 900 Nm
– V12 最高出力* 860 hp @9200 rpm
– 最大回転数 9250 rpm
– V12 最大出力 750 Nm @ 6500 rpm
– 電気モーター出力 140 Kw (190 cv)
ICE
– 形式 65° V12
– ボア & ストローク 94 x 75.2 mm
– 総排気量 6,262 cc
– 比出力 137 cv/l
サイズ
– 全長 4896 mm
– 全幅 2051 mm
– 全高 1116 mm
– ホイールベース 2650 mm
ギアボックス
– 7 速 DCT
サスペンション
– フロント ダブルウィッシュボーン
– リア マルチリンク
– タイヤ (ピレリP-ZERO センサー付きスリック )
– フロント 285/650 – R19 x10½
– リア 345/725 – R20x13
– カーボンセラミック・ブレーキ (ブレンボ)
– フロント 398 x 223 x 36 mm
– リア 380 x 253 x 34 mm
電子制御システム
– ESC スタビリティ・コントロール
– 高性能ABS/EBD 高性能ABS/EBD パフォーマンス・アンチ・ブロッキングシステム/ 電子制御ブレーキバランス
– EF1-Trac ハイブリッドシステムと統合したF1電子制御トラクション
– E-Diff 3 第3世代電子制御デファレンシャル
– SCM-E Frs 磁性流体ダンピング・コントロール/ツイン・ソレノイド (ニッケルアルナイド・チューブ)
– エアロダイナミクス アクティブ
備考* ラム圧効果含む