無線LANと音波による屋内位置検出システム
三菱電機株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:柵山 正樹、以下、三菱電機)は、無線LANと音波による測位を組み合わせて誤差1メートル以内で位置を検出できる屋内位置検出システムを開発した。
これにより、例えば、GPSの電波が届かない地下駐車場での駐車位置までのナビゲーションや倉庫での物流管理など、さまざまなシーンで車両の利便性向上に貢献していく。
開発の背景
近年、屋内や地下などのGPS の電波が届かない場所でも、ナビゲーションや作業員管理、倉庫 での物流管理、設備管理など、さまざまなシーンで高精度な位置検出が求められている。
一方、 従来の屋内での位置検出方法には課題が多く(下表参照)、安価でより高精度な屋内用位置検出シ ステムが求められていた。
そこで同社は今回、無線LAN と音波による測位を組み合わせて誤差1 メートル以内で位置を検出で きる屋内位置検出システムを開発。位置検出装置を搭載した無線LAN 基地局が複数台あれば、高精度な位置情報を提供できる。
これにより、例えば地下駐車場での駐車位置までの ナビゲーションや倉庫での物流管理など、さまざまなシーンでの利便性向上に貢献する。
開発の特長
(1)無線LANと音波を活用し、誤差1メートル以内の位置検出システムを構築
・音波による位置検出装置を無線LAN基地局に搭載。
・位置検出したい対象物とその周辺の複数の無線LAN基地局との間で音波を往復させ、その伝達時間から対象物の位置を特定。
・送受信のタイミング・計測結果は無線LANで通信。
・既に構内無線LANが設置されている場合、無線LAN基地局に位置検出装置を追加するだけで、低コストでシステム構築を実現。
・屋内や地下などGPSの電波が届かない場所で、誤差1メートル以内の高精度の位置検出が可能。
(2)スマートフォンを用いた駐車場での駐車位置検出が可能
・スマートフォン内蔵のマイクとスピーカーを利用し、駐車場での駐車位置検出が可能。
・専用アプリをインストールしたスマートフォンと周辺の無線LAN基地局に搭載した位置検出装置との間で送受信した音波の伝達時間からスマートフォンの位置を特定。
・ユーザーはスマートフォンだけで利用でき、RFID(電子タグ)などの専用機器は不要。
今後の展開
2017年4月の実用化に向けたアプリケーション開発を進めていく。