ボルボ・カーズ(本社:ヴェストラ・イェータランド県・イエテボリ、CEO:ホーカン·サミュエルソン、以下ボルボ)は、2016年のコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)において、テクノロジーパートナーのエリクソンと、インテリジェントなブロードバンド・ストリーミングシステムを共同開発していることを発表した。
ボルボ・カーズは日常のクルマ通勤において、ドライバーが車内でくつろぎながら、自由な時間を楽しむことが可能な未来を見据えており、このシステム構築により、車両を自動運転車で走行中、ドライバーと同乗者が最大限時間を有効活用することを可能としていく構えだ。
未来の運転環境に於いても最高のユーザー体験を
この発表にあたって、ボルボ・カー・グループのモニタリング&コンセプトセンター・ゼネラルマネージャーのアンダース・ティルマン氏は、「ボルボは先日、コンセプト26を発表し、自動運転車のためのデザインビジョンを提示しました。
そして今、自動運転モードで最高のユーザー体験を提供するべく、未来のソリューションの開発に精力的に取り組んでいます。
車内で乗員が好きなテレビ番組を高解像度で見ている自動運転車が行き交う高速道路を想像してみてください。
この新たな通勤状況では、スムースかつ楽しい時を実現するために新たなテクノロジーやブロードバンドが必要となるでしょう」と語った。
https://www.youtube.com/watch?v=EC5WTyQoxBY
とぎれることのないメディアストリーミング
自動運転は、モバイルネット需要にパラダイムシフトをもたらす。ボルボとエリクソンは、この変革が人口の集中する都市中心部だけでなく、都市近郊から外れた郊外のエリアにおいても、常時ネットにつながるブロードバンドのネット環境へのニーズが増えると予想している。
近未来に於いてボルボ車は、エリクソンのネットワークとクラウドのノウハウを利用して、移動中の車内でも、高品質かつ途切れることのないネット環境を提供していけることを目指している。
走行ルートとその先のネットワーク状態を予測することで、その行程や期間に合わせ、効率よくデータをバッファし、高品質かつ中断することなく視聴できるコンテンツを提供することを実現していく構えだ。
途切れることのないネットワークサービス実現へ
エリクソンの自動車サービス部門を統括するクラウス・ヘルリッツ氏は、「私達の研究は、今後数年以内に全てのモバイルデータのほぼ70%が、動画の再生によるものとなることを示しています。
この実現には、先進のコネクティビティやクラウド、解析的なソリューションが求められます。
高速道路を走行する複数のクルマにデータを提供できる事はもちろん、現在の消費者にとって当たり前のレベルの高品質かつ途切れることのない映像サービスを提供する性能を備えることも必要です」と述べた。
https://www.youtube.com/watch?v=ihsa3H7Awp8
学習機能により、よく使われるルートや所要時間、メディアの好みを把握することで、未来のボルボはルートをワンクリックで選べるナビゲーションや、好みに応じてカスタマイズされたメディアリストによるサービスを提供できるようになる。
それにより、ドライバーは通勤ルートを選択でき、自動運転による通勤の所要時間に合わせてカスタマイズされたコンテンツを選択できるようにもなるのだ。
コンテンツのパーソナライズおよび最適化
先のアンダース・ティルマン氏は、「テレビの人気シリーズの最新回を見たいなら、クルマがそれに合わせて、移動時間や走行ルート、ドライビングコントロールを最適化してくれるでしょう。
自動運転は、単にA地点からB地点まで速く移動したいという問題を解消してくれるだけではありません。車内で過ごす時間を好きなことに使うことが可能となり、時間を有効に使うことが可能となります。
ボルボが実現する未来の自動運転テクノロジーが、人々に通勤ルートや体験したいコンテンツに選択の自由を提供することになります」と語った。