米国カリフォルニア観光局(本局・カリフォルニア州サクラメント)は、現地時間8月9日、クラシックカーから最新車までの80台以上の車がハイウェイ1号線を駆け抜けるドライビングイベントを実施した。
これはセントラルコースト地域の観光業界団体と関連企業各社の協力を得て、セントラルコースト沿いにあるハイウェイ1号線(モントレーからモロベイまで)をクラシック、ヴィンテージカーから水素や電気を燃料としたエコカーまで過去80年にわたるそれぞれの時代を代表する80台以上の車が一斉に快走するというもの。
この大型イベントは、昨年の大雨による土砂崩れの被害によって、18か月以上にわたり閉鎖されていたハイウェイ1号線が、今年7月下旬に再開通したことを祝して行われた。
この間の長きに亘る1号線閉鎖の間は、迂回路の通行を余儀なくされ、サンルイスオビスポ北部をはじめとする地域は、莫大な経済的損失を被ってきたと云う。
そこで今回「ドリーム・ドライブ」と称したツーリング・イベントを実行。世界で最も美しい絶景を誇る海岸線の道路のひとつとして知られ、カリフォルニアの北部と南部を繋いできた幹線ルートでもあるハイウェイ1号線の歴史を改めて見直すものとなった。
なおイベント実施にあたってはカリフォルニア交通局、モントレー・カウンティ観光局、サンルイスオビスポCAL観光局、ウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカ、アメリカ自動車協会(AAA)、Googleストリートビュー、エンタープライズ・レンタカー社、エイビス・レンタカー、およびハーツ・レンタカーの協力が協賛、カリフォルニア観光局が主催した。
同イベント開催にあたってカリフォルニア観光局のプレジデント&CEO キャロリン・ベテター氏は、「ハイウェイ1号線をドライブすることは、多くの人々が人生で一度はやってみたい!と願う夢のような素晴らしい体験です。
そのため、昨年のハイウェイ1号線閉鎖のニュースは、大きな衝撃となりました。また、道路が閉鎖されている間、このエリアの多くのコミュニティーが苦境に立たされていたのです。
しかし、今日、ハイウェイ1号線がこれまで以上に素晴らしい状態で再開通したことを世界中に知らせることができ、大変うれしく思います。セントラルコースト地域は、カリフォルニアの究極のロードトリップを体験するために訪れる皆様のお越しを心からお待ちしております」と当地へ訪れてドライビングを愉しんで欲しいとする地元経済人としての希望を述べた。
実際の同イベントは、モントレーにあるサーキット場「ウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカ」での記念走行からスタート。観光業界のリーダー、および日本を含む世界各地から集まったメディア、自動車愛好家など総勢およそ200名が参加して行われた。
イベントの途中では、5,400万USドルを投じて400mにわたる土砂崩れの補修が行なわれた地点を通ってハイウェイを南下。ゴール地点の海辺の街モロベイにある巨岩モロロックのふもとで美しい夕日を眺めながら楽しむビーチ・バーベキューで幕を閉じた。
ちなみに当地に於けるハイウェイ1号線とは、全長約1,070kmのカリフォルニア州で最長の州道である。1930年代からセントラルコーストの地元住民のための主要な通行路としての役割を果たしてきた。
その役割のみならず、米国内に於ける歴史的背景もあって「オール・アメリカン・ロード」(景観、歴史、自然、文化、レクリエーション、考古学のうち、いずれか2つのカテゴリー以上で適合していると認定された公道のこと)に指定されている。
また1964年、道路整備の再編に伴い、正式なハイウェイのナンバリングが行なわれてからは、最も景観の美しいドライブルートのひとつとして、米国ならず世界中の人々を魅了し続けている街道でもある。