2016年11月上旬からWebで先行商談受付を開始し、全トヨタ販売店を通じて年末に発売
トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市、代表取締役社長:豊田章男、以下トヨタ)は、新型車C-HRの日本仕様の概要を9月28日に初公開した。
また、販売は11月上旬からWeb*5で先行商談受付を開始し、全国のトヨタ店、トヨペット店、トヨタカローラ店、ネッツ店を通じて2016年年末に発売する。
https://www.youtube.com/watch?v=tiogF2WA7C0
このC-HRは、2014年パリモーターショーでのコンセプトカー初出展以来、2015年開催の第66回フランクフルト国際モーターショーなど、欧州を中心に披露されたもの。
日本では、第44回東京モーターショー2015での出展から約1年を経て、市販モデルの日本仕様初公開となった。
同社では、昨今伸長するコンパクトSUV市場に「C-HR」を投入することで、より幅広い顧客層に向けて需要喚起を図る構えだ。
ちなみに同社量開発・発売にあたって、トヨタが謳うデザイン・コンセプトは、「センシュアル スピード-クロス」。
これは、「スピード感あふれるボディ、SUVのたくましい足回りを表現したほか、質感・形状・色など細部にこだわり、大人の感性に響く意匠を追求した」としている。
衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」を全車標準装備。キーンルック(*1)やアンダープライオリティ(*2)など、同社独自のデザイン表現で、個性的なスタイリングを実現
走行環境に於ける開発コンセプトは、「我が意の走り」。車体開発面では、先の新型プリウスで投入した新世代プラットフォーム「TNGA」の取り組みをさらに推し進めた。
該当車の場合は、当初のプラットフォーム設計に於いて、強みのひとつであった低重心パッケージに加え、高いボディ剛性の確保を目指し、このことによって、優れた操縦安定性と快適な乗り心地の両立を高い次元で達成したとしている。
https://www.youtube.com/watch?v=c7aWpRyXqnU
さらにC-HRの場合は、欧州をはじめとする世界の様々な道や、国内外のサーキットコースで走行テストを重ねた上での車両開発と熟成が進められた。
その先例となったのが、5月28日(日本時間の5月28日)から行われた独・ADAC主催の耐久レース「ADACチューリッヒ24時間レース」(ADAC Zurich 24h Rennen)こと、「ニュルブルクリンク24時間レース」決勝においての走りである。
C-HRは、このレースに市販プロトタイプの仕様のまま出走。このレースで走行性能に関しては異例の最終テスト並びに造り込みを行った。
http://toyota.jp/c-hr/testdrive/
この結果に自信を深めたトヨタは、これを踏まえて今回、発売に先駆け、来る11月26日(土)に富士スピードウェイで先行試乗会(*6)の実施も予定しているようだ。
成長著しい国内のコンパクトSUV市場にC-HRを投入し、より幅広い顧客層への需要喚起を目指す
ちなみに日本国内に於けるコンパクトSUV市場規模は、ここ4~5年間で約2倍と拡大傾向にある。
但し、人気のセグメントゆえに、日産デュークやホンダ ヴェゼルを筆頭に、個性を売りにする輸入車など、ライバルには事欠かない。
それに加えて、他市場に比べ、内外装デザインを重視するオーナードライバーが数多く存在するため、トヨタはC-HR投入にあたり、個性のあるデザインに加え、意のままの走りやクラストップレベルの燃費も追求し、コンパクトSUV市場を牽引していくことを目指している。
トヨタ自身が現時点で想定している具体的な顧客ターゲット像については、20代から30代の若年層が筆頭に挙がる。
加えて、その他の世代・性別を含め、情報感度が高いコンパクトSUV層に期待する層を中心に販売ルートを開拓していく構えのようだ。
こうした経緯からスタイリングに関しては、たくましい足回りとスピード感あふれるボディシルエットを表現。これによって、SUV然とした大柄なボディでありながら、クーペにも見立てられるような「新ジャンル感」を求めた。
グレード体系は、1.8Lハイブリッドシステムを搭載した「G」・「S」と、1.2Lターボエンジン(*4)を搭載した「G-T」・「S-T」の計4グレードを設定
シリーズグレードのラインナップは、先のターゲットとする顧客から選ばれ易い様、極力シンプルな体系としている。
具体的には、より装備を充実した「G」・「G-T」。これに加えて標準グレード「S」・「S-T」を設定した。
さらに衝突回避支援パッケージ Toyota Safety Sense Pをはじめとした安全・先進装備を全車搭載している。
https://www.youtube.com/watch?v=09Z5yQ_BOMg
この内訳は、歩行者検知機能付衝突回避支援型プリクラッシュセーフティ、全車速追従機能付のレーダークルーズコントロール、レーンディパーチャーアラート(ステアリング制御付)、オートマチックハイビームをセットにした衝突回避支援パッケージである。
その他、ブラインドスポットモニターやリヤクロストラフィックアラート、クリアランスソナー&バックソナーなども搭載することで安全な運転環境を支援していく。
*1 キーンルックは、トヨタが考える知的で明晰な印象を与えるTOYOTAブランド独自のフロントの表情の事をそう云っている。
TOYOTAマークの立体的な強調と、ダイナミックなアンダープライオリティとの組み合わせで表現した。
*2 アンダープライオリティは、空力・冷却・歩行者保護性能を配慮したアンダーグリルを強調したTOYOTA独自のフロントデザイン。
*3 Toyota New Global Architecture。トヨタ自動車(株)が全社を挙げて取り組む、クルマづくりの構造改革。
パワートレーンユニットとプラットフォームおよび部品部を一新し、一体的に新開発することにより、クルマの基本性能や商品力を飛躍的に向上させることを目指す。
*4 駆動は4WDのみ
*5 トヨタ自動車(株)公式サイト。http://toyota.jp/
*6 詳細は、http://toyota.jp/c-hr/testdrive に9月28日(水)に掲載予定(時間は未定)
ハイブリッド車は、コンパクトSUVクラスでトップレベルの燃費値を追求。TNGA(*3)がもたらす基本性能に、運動性能を高める「味付け」を施し、操舵等の入力レスポンスを高める
新型車C-HRの主な訴求ポイントは以下の通り。
エクステリア
「ダイヤモンド」をモチーフに強く絞り込んだボディと、大きく張り出したホイールフレアの対比による立体構成で、特徴的で構えの良い造形を創出。抑揚の効いたメリハリのあるボディと艶やかな面質で、大人の感性に響くスタイリングを追求している。
キャビンとドアサイドを一体化させ、ボディ下部を強く削ぎ落とすことで明快に際立たせた彫刻的なダイヤモンド形状と、豊かに張り出した前後ホイールフレアがポイント。
この処理により、大胆でセクシーなサイドビューを表現。リヤアウトサイドドアハンドルは、ボディに一体化し存在感を抑えることで、2ドアクーペのような印象を付与した。
キーンルックや、その構成要素でもあるアンダープライオリティなど、TOYOTA独自のデザイン表現を進化。
翼形状に回り込んだヘッドランプと合わせ、ワイド感・踏ん張り感のある鋭く力強いフロントマスクを創出。
バックドアと一体感のあるキャビンを大胆に絞り込み、リヤフレアとリヤコンビネーションランプを張り出させることで特徴的かつ安定感あるスタンスを表現した。
インテリア
デザインコンセプトは「センシュアル-テック」。新しい操作空間を大人っぽい意匠に仕上げ、先進感を演出。インストルメントパネルからドアトリムまで繋がるソフトパッドや金属調オーナメントなどにより、広がりのある空間を表現。
メーターを中心とした操作パネルをドライバーに向けて配置。あらゆる運転操作をスムーズに行えるよう、直感的に操作しやすいレイアウトとし、運転に集中できる空間を表現した。
2眼筒型タイプのメーターは、盤面にブルーラインを放射状に施すことで奥行きと先進感を表現。マルチインフォメーションディスプレイ(4.2インチTFTカラー)を採用。
多彩な情報を高解像度で表示。ホールド性に優れたスポーティシートを設定。また、座面のパッド厚・硬度を最適化することで座骨への圧力を分散し、ロングドライブの疲れにくさにも配慮している。
走り
コンセプトである「我が意の走り」を実現するため、「レスポンス-リニアリティ-コンシステンシー(*7)」に焦点を当てて開発。TNGAの思想に基づいた低重心パッケージと高いボディ剛性により、優れた乗り心地と操縦安定性を実現。
*7
「レスポンス」 ドライバーが操作したときにクルマが瞬時に反応する、の意。
「リニアリティ」 ドライバーの操作量に応じて車両がその通りに応答する、の意。
「コンシステンシー」 どんな路面状況でも、どんな車速でも、車両の応答に統一感がある、の意。
フロントに新開発のマクファーソンストラット、リヤにダブルウィッシュボーンのサスペンションを採用。
また、大径スタビライザーの使用やアブソーバー減衰力特性の最適化などが、優れた乗り心地や操縦安定性に寄与。
ボディ接合部への構造用接着剤の使用や環状骨格構造の採用により高ボディ剛性を確保し、優れた乗り心地と操縦安定性を達成した。
またSACHSアブソーバーを標準装備。アッパーサポートの緩衝材には、ウレタン材をトヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)で初採用した。
その他の主な特徴
優れた操作性・開放的な視界
最小回転半径は5.2mとし、ハッチバック並の取り回しの良さを実現した。
また全高を立体駐車場に駐車可能な1,550mm(*8)に抑えながら、室内長1,800mm・室内幅1,455mmという必要十分な室内空間を確保。
加えて1,280mm(*9)のアイポイントに加え、Aピラーのスリム化、ドアミラーの取り付け位置の工夫などにより、優れた視認性を確保した。
*8 ハイブリッド車。ターボ車は1,565mm
*9 ターボ車。ハイブリッド車は1,265mm
思い通りの操作ができるアクセル&ブレーキ
アクセルペダルは、剛性確保と内部構造の見直しにより、踏み込み時の高精度なペダルコントロールを実現。
発進時には滑らかな加速を、ペダル踏み増し時にはレスポンスに優れた加速が可能。
ブレーキペダルは、最適なペダル位置や角度を追求したほか、踏み込み時の応答性を向上させる新設計のブッシュを採用している。
その他
右左折の際、12灯のLEDランプが内側から外側へ流れるように光るシーケンシャルターンランプをTOYOTAブランド初採用した。
車名ロゴが浮かび上がる足元イルミネーションをトヨタ初採用。夜間の乗降時に遊び心を演出した。
外板色は、新規開発色ラディアントグリーンメタリック・メタルストリームメタリックを含む全8色としたほか、内装色は、ブラックとリコリスブラウンの全2色を設定。18インチアルミホイール(切削光輝+ブラック塗装)を採用。足回りに先進性とスピード感を演出した。