沖縄セルラー、5G時代を見据え海底ケーブル新設へ


ネットワーク強靭化で高トラフィックと大規模災害への対応強化

沖縄セルラー電話株式会社(本社:沖縄県那覇市、代表取締役社長:湯淺英雄)は2月18日、KDDI株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:髙橋 誠)の協力を得て沖縄九州間で新たな海底ケーブルを建設すると発表した。

沖縄セルラー電話が主導して新設する海底ケーブルは、沖縄・九州間で既存の太平洋ルート(便宜的に「東ルート」と呼ばれる宮崎県から沖縄県島尻郡八重瀬町を結ぶルート)に追加し、「沖縄セルラー 沖縄~九州海底ケーブル」として別地点である東シナ海の深部に新たな海底ケーブルを設けるもの。

これまで沖縄セルラー電話とKDDIは、沖縄地域の通信回線の二重化に加え、上記の東ルートの海底ケーブルも二重化するなどでトラフィックの拡大に備えてきたが、今回は二重化施策ではなく、全く新たな別ルートでケーブル新設を決めた。

その理由は、万が一、南海トラフ地震が発生した場合、既存の二重化ルートが同時に損傷を受けて、本土との通信が途絶えてしまうことに備えた措置となる。

新設ルートは、先の沖縄県島尻郡八重瀬町ルートとは異なる東シナ海を通る「西ルート」となり、鹿児島県日置市から沖縄県名護市を結ぶ最深部約1200m、全長約760kmのルート。

ネットワーク概略図
ネットワーク概略図

この新ルートは、来る2020年4月から運用が開始される見込みだ。またこの新たな海底ケーブル性能は、伝送容量が最大80Tbpsで設計されていることから、敷かれてしまうば東ルート比でおよそ10倍の伝送量が一気に実現する。

加えて同ルートの追加計画は、次世代移動通信システム「5G」の普及活性化による国内通信網の回廊増強だけではなく、沖縄からアジア地域に向けたビジネス拡大にも活用されていく予定だ。

「沖縄セルラー 沖縄~九州海底ケーブル」の概要
(1)ネットワーク構成 沖縄県名護市~鹿児島県日置市
(2)運用開始時期 2020 年 4 月(予定)
(3)回線容量 80Tbps
(4)全長 約760km