ソフトバンクとパシフィックコンサルタンツ、オリエンタルコンサルタンツグローバルの3社は、コネクテッドカーを利用する道路インフラ・メンテナンス事業で相互協力に動き出した。
この3社のうちパシフィックコンサルタンツ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:重永智之)は、戦後日本の復興を目的に公共事業等の土木設計コンサルタント企業として1951年9月4日、白石宗城氏とエリック・フロア、アントニン・レーモンド氏の平等出資により、まずは米国法人が立ち上げられ、後の1954年2月4日に日本法人が設立されて現在に至っている。
一方、株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバル(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:米澤栄二)は、そもそもは鉄道事業を原点に、ほぼ半世紀に亘ってアジア地域を筆頭に海外の社会基盤整備をマネジメントしてきた。
これにソフトバンク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO:宮内 謙)を加えた3社は、米国ワシントンD.C.市内のホテルで2019年2月22日(米国東部標準時間)に「コネクテッドカーを利用した道路インフラメンテナンス等に関わる技術・事業化検討に向けた相互協力に関わる覚書」(以下「本覚書」)を締結した。
相互協力に至った理由は、米国で道路インフラメンテナンスが急務となっていることにある。
車載センサーを介してネットワークに繫(つな)がるコネクテッドカーは、そこから取得できるプローブデータ(リアルタイムな位置情報を含めた、あらゆる取得情報を指す)を当地の道路メンテナンスの高度化やコストダウンに役立てることができ、米国行政府からも同技術に対する期待が集まっていることに着目したもの。
今回の3社覚え書き締結は、米国の道路インフラマネジメントにに関わる案件受注を目指したもので、今後は3社が相互協力して技術・事業化の検討を展開していくことを目指す。
なお同覚書の締結は、先の2018年度にパシフィックコンサルタンツ株式会社が米国・総務省から受託した「アメリカ合衆国におけるプローブ情報を活用した高度なシステムの展開可能性に関する調査等の請負」業務が契機となった。
3社は米国道路インフラメンテナンス分野で、IoTやビッグデータビジネスにいち早く取り組み、将来は、ODAや日本国内での事業展開も視野に入れていく構えだ。
覚書調印後に在米日本大使館旧大使公邸で、業務の成果発表会を開催。成果発表会では覚書に締結した3社に加え、業務協力先の本田技研工業株式会社やNEXCO-West USA, Inc.、一般財団法人マルチメディア振興センターも参加し、プローブカー試乗会の開催と成果の発表・展示を行った。
発表会には、在米日本国大使館の小林賢一経済公使を筆頭に、総務省の吉田眞人国際戦略局長、アメリカ合衆国連邦政府運輸省、州政府運輸部門(ペンシルバニア州、バージニア州、メリーランド州)など多数の関係機関の方々を含め約200人の参加者を集めた。