三菱ふそう、ゼロエミッションの電気トラック「キャンター E-CELL」独で初の実用供試


FUSO Canter E-Cell Event, 10th July 2014

 シュトゥットガルト市と物流事業会社と協業、小型電気トラック「キャンターE-CELL」の1年間の実用供試を開始

三菱ふそうトラック・バス株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長・CEO:マーク・リストセーヤ、以下 MFTBC)は、シュトゥットガルト市と、物流事業会社ヘルメス社に対して、小型電気トラック「キャンター E-CELL」5台を提供し、1年間の実用供試を開始した。

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MFTBCは、これまで小型電気トラックやハイブリッドなどの次世代トラックの開発に4000万ユーロの投資を重ねており、こうした電動トラックの試供プロジェクトを通じて、持続可能な都市内配送を積極的に追求していくと云う。

具体的にはMFTBCは顧客並びに社会のため、排出ガスゼロの車両を提供する目標を掲げて、実際の厳しい走行条件下での実用供試を通じ、FUSOの電気トラック技術を進化させ、その実証を重ねている。

そうしたなか、今回シュトゥットガルト市に提供する4台のトラックは、そのうちの2台がダンプ仕様で、道路および都市景観工事に利用される。

また残る2台はバン仕様で、家財運搬とゴミ収集、また物流事業会社に提供する車両は都市内配送に使用される見込みだ。

FUSO Canter E-CELL Event, 10th July 2014

都市内配送で高まる小型電気トラックの重要性

MFTBCは、ドイツ・シュトゥットガルトで4月11日、顧客へ対して、この4台の実験車両の引き渡しイベントを実施した。

実験車両の引き渡しイベント実施に際して、ダイムラーAG取締役兼トラック・バス部門総責任者のウォルフガング・ベルンハルト氏は、「現代の最新鋭ディーゼルエンジンは、高効率で環境性能に大変優れているため、長距離輸送で、今後も引き続き使用される見込みです。

Closing Fuso Canter E-Cell, Porto, 28th-29th October 2015

その一方で都市内短距離輸送に於いて、一部の車両を数年以内に電気トラックに移行していくことは時代の要請であり、また当社は技術的・経済的に、この社会要請に対して実現可能な技術を有しています。

今後、我々は電気トラック技術のさらなる開発や実用供試を通じ、未来の都市型モビリティ社会の実現に貢献していきます」と述べている。

Closing Fuso Canter E-Cell, Porto, 28th-29th October 2015

MFTBCは小型電気トラックの開発・製造をリードし続ける意向

MFTBCは、これまでダイムラーの商用車部門の中で、ハイブリッド技術の開発をリードしてきた。こうした経験を活かし、電気トラック開発の責任を担っていると云う。

FUSO Canter E-Cell Event, 10th July 2014

ダイムラー・トラック・アジア総責任者・MFTBC社長・CEO:マーク・リストセーヤ氏は、「キャンター E-CELLは実用供試で、環境性と経済性に優れた車両であることが証明されると確信しています。

ポルトガルでの試験では、ディーゼルトラックと比較して1万キロの走行で約1千ユーロを削減することができました」と語っている。

Closing Fuso Canter E-Cell, Porto, 28th-29th October 2015

2015年ポルトガルでの実用供試結果

先の2015年にはポルトガルで、「キャンター E-CELL」8台の配送実用供試を行い、電気トラックが短距離輸送や都市内配送に有用であることが1年間の実証結果で明らかになったと云う。

具体的には、約100キロメートル範囲の配送で、航続距離が小型トラックの平均距離を超え、また運用コストは従来のディーゼルトラックと比べて最大で64%削減することができている。

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なお該当車両「キャンター E-CELL」は、ポルトガル・トラマガルの新鋭工場で生産しており、50年の歴史を持つ同工場にダイムラーは2011年から累計約2700万ユーロを投資している。

工場拠点は、首都リスボンの北西150キロに位置し、敷地面積は3万9,900平方メートルとなっている。300人以上の従業員がFUSOの小型トラック「キャンター」を生産し、そのうち約95%の車両が欧州約30カ国およびイスラエル、モロッコ、トルコに輸出されている。