三菱電機株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:柵山 正樹、以下、三菱電機)は、ひとつのセンサーで PM2.5と花粉・ホコリを識別し、PM2.5等の濃度も高精度に検出する「空気質センサー」を開発した。
今後、自動車を含む多様な機器への搭載を介して、空気中に浮遊する微粒子の濃度を正確に把握。空気清浄度の高い環境づくりに貢献していく構え。
【開発製品の特長】
1.独自構造により、 PM2.5の濃度を高精度に検出する小型センサーを開発
・ダブルミラー構造の開発により、レーザー光が微粒子に当たることで生じる散乱光を、集光ミラー1個の場合に比べて約1.8倍集光することで、粒子数を正確に把握。
・空気の流量を制御する機能を搭載することで、一定流量の空気を安定して供給し、より高精度に PM2.5の濃度を検出。
・空気の流量制御とレーザー光の光路をともに確保する適正配置により、小型化を実現。
2.世界初、ひとつのセンサーで PM2.5に加え、花粉やホコリの識別も可能。
・散乱光の変化度合を高精度に検知する独自の形状判別アルゴリズムにより、類似の大きさで形状の異なる花粉やホコリの識別も可能。
【今後の展開】
・空調機器と連携した空気質に応じた運転制御など、快適な生活空間づくりや空調機器の省電力化に関する実証実験を開始していく。
・家庭環境に加え、ビル、病院、工場、車などの清浄度の高い空気質やその管理が求められる施設への展開を検討していく。
【開発の背景】
現在、高精度な PM2.5の測定は、高額で大型な業務用測定機によるものに限定されているが、同社は今回、空気中の PM2.5の濃度を高精度に検出する小型の「空気質センサー」を開発した。
これにより、業務用測定機と同等の高精度な環境情報を取得することができる。また、花粉やホコリも検知できるので、空気清浄度の高い環境づくりに貢献できる。
詳細機能
1.独自構造により、 PM2.5の濃度を高精度に検出する小型センサーを開発
微粒子から全方位に広がる散乱光をより高精度に検出するために、2枚の集光ミラーを搭載したダブルミラー構造を独自開発した。
これにより、集光ミラー 1枚のみの場合に比べて約1.8倍の散乱光を集光でき、光検知器が特性の違いをよりはっきりと捉えることで、微粒子数の検出精度を高めた。
さらに、空気の流量を制御する機能を内蔵し、空気を安定的に送り込むことで光検知器が一定流量中の粒子数を正確にカウントでき、PM2.5の濃度をより高精度に検出する。
また、空気の流量制御とレーザー光の光路をともに確保するよう構成部品を適正に配置し、小型化を実現。結果、空調機器への搭載など汎用性のある小型センサーとなった。
2.世界初、ひとつのセンサーで PM2.5に加え、花粉やホコリの識別も可能
レーザー光による散乱光の偏光特性の違いから、粒子の大きさが類似した形状が異なる花粉やホコリを識別。ひとつの光学系システムで PM2.5と花粉・ホコリを識別し、それぞれの濃度を検出することができる世界初のセンサーとなっている。
特許
国内 5件、海外 1件 6カ国
開発担当研究所
三菱電機株式会社 先端技術総合研究所