アメリカのメディア企業「リバティ・メディア社」(Liberty Media、本社:米国コロラド州エングルウッド、CEO:グレッグ・マッフェイ<Greg Maffei>)は米国時間1月23日、約80億ドル(約9000億円)とも云われる資本を投じて、フォーミュラワン(F1世界選手権)の筆頭株主となっていたCVCキャピタル・パートナーズなどの既存株主から該当事業の株式を取得し、経営のコントロールを完全に掌握した。
これに伴い、CVCキャピタル・パートナーズの親会社であるデルタトプコとリバティ・メディア社は、共同声明で21世紀フォックス社の副会長を務めてきたチェイス・ケアリー氏(Chase Carey)をF1の新会長兼CEO(最高経営責任者)に任命。
バーニー・エクレストン氏(Bernie Ecclestone)はCEO職解任となり、F1の名誉会長となった。
これまで21世紀を迎えてもなお永年、F1の最高責任者を務め、この世界で40年間頂点に君臨し続けて来たバーニー・エクレストン氏だったが、遂にフォーミュラワンレーシングの経営から事実上撤退、今後はF1取締役会のアイバイザー的な役割を担うのみとなる。
ちなみにリバティ・メディア社は、かつて全米最大のケーブルテレビ会社・TCIのCEOであったジョン・マローン氏がファウンダーとして設立させたが、1999年にAT&TのTCI合併により、一時は同社の1部門となった後の2001年、AT&Tからスピンオフして独立した。
現在、リバティ・メディア社の会長兼CEOを務めるグレッグ・マッフェイ氏は、「F1の事業を取得出来たことを心より嬉しく思っている。
今後は、チェイス・ケアリーがCEOとして、このビジネスを率いていく。この世界最高峰のモータースポーツには、さらなる成功のチャンスがあり、彼がF1の発展を支えてくれる適任者だと確信している。
また名誉会長のバーニー・エクレストン氏は、これからもF1ファミリーの一員だ。名誉会長としての彼の洞察力とサジェスチョンに感謝している。併せて、この世界的なモータースポーツを発展させて来た大きな功績に感謝したいと思う」と述べた。
一方、新CEOに就任したチェイス・ケアリー氏は、「F1にま、だまだ大きなポテンシャルがある。
ファン・チーム・FIA・プロモーターそしてスポンサー各位から、今後のさらなる発展のヒントとなる様々な助言を聞くのを愉しみにしている。
我々は、レースプロモーションをより強化していき、この歴史あるモータースポーツの無限の可能性を追求したいくため、多くのステークスホルダーと仕事をしていく。
皆と未来に向けて大きな可能性を語り合い、その夢を共有していく過程を愉しみたい」とコメントした。
名誉会長となったバーニー・エクレストン氏は、「過去40年に亘って私が作り上げてきたF1で達成してきた様々な成果を誇りに思っている。
一緒に仕事をしてきたプロモーターやチーム、スポンサー、そしてテレビ会社など全ての関係者に感謝の意を述べたい。
またリバティ・メディア社が、F1の将来のために投資してくれたことを嬉しく思う。今後はチェイス・ケアリー氏がモータースポーツとしてのF1の発展に貢献してくれると確信している」と語った。