JFEスチール、「全国発明表彰」を3年連続で受賞


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複雑成形が可能な高強度高性能めっき鋼板の発明

JFE(ジェイ エフ イー)スチール株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:柿木厚司)の開発した「プレス成形性に優れた590~980MPa級GA(*1)鋼板」が、公益社団法人発明協会(会長:庄山悦彦)から、「平成28年度全国発明表彰 発明賞」を受賞した。

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ホテルオークラでの表彰式

全国発明表彰は、我が国の科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的に、公益社団法人発明協会が、多大な功績をあげた発明、あるいは、その優秀性から今後大きな功績をあげることが期待される発明を表彰するもの。

同社の全国発明表彰受賞は、一昨年と昨年の受賞に続き3年連続で、JFE発足以来7回目となり、表彰式が6月15日(水)にホテルオークラ(東京・港区)にて行われた。

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【図】 引張強さと伸びの関係 (従来GA鋼板と本開発GA鋼板)

1.受賞件名:
「複雑成形が可能な高強度高性能めっき鋼板の発明」

2.受賞者:
川崎 由康:スチール研究所 薄板研究部 主任研究員
金子 真次郎:スチール研究所 研究企画部 主任部員
中垣内 達也:スチール研究所 薄板研究部 主任研究員
松岡 才二:常務執行役員 スチール研究所 副所長

3.発明の概要:
自動車における最も重要な課題の一つとして、燃費向上によるCO2排出量削減を目的とした車体の軽量化と、衝突安全性の向上の両立が挙げられる。

これらを同時に満足させるための手段として、高強度鋼板の適用が積極的に進められている。

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従来GA鋼板と本開発GA鋼板のプレス成形品 (リアサイドメンバー部品)

しかし、一般に鋼板の高強度化はプレス成形性の低下を招くため、高い強度と優れたプレス成形性を両立させることが重要となる。

さらに、自動車用鋼板では防錆性能も必要となることから、優れたプレス成形性を有する高強度めっき鋼板のニーズが高まっている。

今回受賞した発明鋼板では、独自のプロセス技術の導入と新しい成分設計により、鋼を構成する組織の硬さ、比率、サイズなどを精緻にコントロールすることで、従来の高強度鋼板に対し格段に優れたプレス成形性(延性と伸びフランジ成形性)を実現した。

同鋼板を自動車車体に適用することで、プレス割れが発生することなく複雑な部品形状への成形が可能となり、地球と人にやさしい軽量車体が実現できることから、自動車メーカー各社に多数採用されている。

なお、「プレス加工性に優れた590~980MPa級GA鋼板」は、平成26年度に「中国地方発明表彰 文部科学大臣発明奨励賞」を受賞している。

JFEスチールでは、「今後も、今までにない高強度高性能鋼板を創製・提供し、自動車の軽量化をはじめとするお客様からのご要望にお応えしてまいります」と述べている。