GT300クラス開幕戦はカーNo.31嵯峨宏紀/中山雄一組が獲得
4月5日、雨の岡山国際サーキット(岡山県美作市)で、2015 AUTOBACS SUPER GTシリーズの開幕第1戦「OKAYAMA GT 300km RACE」の決勝レースが行われた。
GT300クラス開幕戦の勝利は、No.31「TOYOTA PRIUS apr GTの嵯峨宏紀/中山雄一組」が獲得。GT500クラスは、No.37「KeePer TOM’S RC Fのアンドレア・カルダレッリ/平川亮組」が優勝を果たした(GT500のレース内容はこちら)。
2015年の開幕戦は、昨年を思い起こさせるような天候不順が続き、これに伴ってめまぐるしく路面状態が変化。刻一刻と環境が移り変わるウェットコンディションで、過酷な開幕戦(決勝:曇り/雨|コース:ウェット|気温/路面温度:開始:18度/20度>途中:20度/19度)となった。
2台のハイブリッドマシンがレース序盤を大きくリード
岡山国際サーキットにおけるGT300クラスのスタートは、ポールポジションのカーNo.10「GAINER TANAX GT-R(アンドレ・クート/千代勝正組)」がトップを守り、これにカーNo.55「ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志組)」、カーNo.31「TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一組)」と2台のハイブリッドマシンが続いた。
予選2番手のカーNo.11「GAINER TANAX SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム組)」は天候好転に賭け、スリックタイヤを選択したことが裏目となり最後尾近くまで脱落した。
トップを争う3台の中でも、TOYOTA PRIUS apr GTは、タイヤやマシンの状況がコンディションに合致していたのか、ライバルに対して頭ひとつ分頭抜けたタイムを記録。ARTA CR-Z GT、GAINER TANAX GT-Rを立て続けにパスしてトップに立つ。
レース中盤で20秒のマージンを稼いだTOYOTA PRIUS apr GT
カーNo.31の「TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一組)」は、2番手に上がったカーNo55の「ARTA CR-Z GT(高木 真一/小林 崇志組)」との差を確実に開いていき、レース中盤の40周時点で20秒のマージンを稼いだ。
一方、カーNo55の「ARTA CR-Z GT(高木 真一/小林 崇志組)」は、30周を過ぎるとタイヤが消耗してしまい、追い上げたカーNo.21の「Audi R8 LMS ultra (リチャード・ライアン/藤井誠組)」にもパスされ3番手に陥落。
しかし後半戦を目指してカーNo55の「ARTA CR-Z GT(高木 真一/小林 崇志組)」の高木は、必死の我慢で40周目のピットインまでポジションをキープしてみせ、代わった小林がカーNo.21「Audi R8 LMS ultra (リチャード・ライアン/藤井誠暢組)」をかわして再度2番手となる。
オフシーズンから好調のアウディR8の2台が2、3位と健闘
44周目に所定のピットインしたトップのカーNo.31「TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一組)」は、引き継いだ中山雄一のペースもまったく衰えず。雨が少なかった時点で若干、カーNo.55「ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志組)」に詰められたが、雨が強くなった終盤に再度引き離し、最終的には2位のカーNo.55「ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志組)」に42秒もの大差をつけ、トップチェッカーを受けた。
3、4位には、オフのテストから好調な、アウディR8のカーNo.21「Audi R8 LMS ultra (リチャード・ライアン/藤井誠暢組)」、カーNo.86 「Racing Tech Audi R8(クリスチャン・マメロウ/細川慎弥)」が入った。
ディフェンディングチャンピオンのカーNo.0「グッドスマイル 初音ミクSLS(片岡龍也/谷口信輝)」は、粘り強いレースを展開し、予選7位から2つポジションを挙げ、5位でゴールとなった。
今季シリーズ戦にデビューしたマザーシャシーのカーNo.25「VivaC 86 MC(土屋武士/松井孝允)」が大健闘の6位。そして、カーNo.60「SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(飯田章/吉本大樹)」が予選20位から10位でゴール。レクサスRC F GT3のデビュー戦をポイント獲得で締めた。なお、朝のフリー走行でクラッシュしたカーNo.22「グリーンテックSLS AMG GT3(和田久/城内政樹組)」は、マシンの修復が難しく、スターティンググリッドに着くことなくリタイアとなった。
第1戦 岡山国際サーキット : 優勝記者会見
GT300 Class
No.31 TOYOTA PRIUS apr GT
「タイヤのパフォーマンスを上手く引き出せた」
– 嵯峨宏紀 –
昨日の予選ではタイヤの使い方を少し失敗したんですが、今日はタイヤのパフォーマンスを上手く引き出すことができました。結果的に20秒ほどマージンをつくって(中山)雄一に繋ぐことができたので、自分としては良い仕事ができたと満足しています。
今シーズンはパートナーが雄一に代わり、タイヤもブリヂストンを履くことになって、チームのパッケージが一新されましたが、雄一の速さは以前から知っていたので、まったく不安はありませんでした。実際、昨日の予選でも、今日の決勝でも、素晴らしいドライビングを見せてくれました。
でもタイヤに関しては情報が少なくて、特にレインタイヤはぶっつけ本番となったのですが、こちらもパフォーマンスは想像以上で、とても心強かったです。
次回の第2戦富士は、WECに出場するのでパスしますが(WECが開催されるベルギーの)スパから雄一と佐々木(孝太)選手を応援します。チームとしては40kg(のウェイトハンディ)を積むことになりますが、やはり目標は優勝。最低でも表彰台には乗ってほしいですね。そして僕が帰ってくる第3戦以降も良いレースを続けて、(シリーズ戦を欠場するため)僕はタイトルの権利がないと思うので、その分、雄一がタイトルを獲れるよう、がんばります。
「まずまずの仕事はできたのかなと思う」
– 中山雄一 –
嵯峨(宏紀)さんが20秒のリードをつくってくれたのですが、走り始めた時には雨の量も少なくてタイヤ的にも厳しくて、何とか労わりながら走っていました。正直言って、凄く辛かったのですが監督や佐々木さんから(無線で)勇気づけられて走っていったら後半になって雨が多くなって、結局40秒のリードを築くことができました。
予選を振り返って、ですか? 昨日の予選ではなかなかクリアラップが取れなくて、最後の最後で1ラップだけクリアで走れました。結局、Q1で2位となって嵯峨さんに繋ぐことができたので、まずまずの仕事はできたのかな、と思っています。
これまで3年間、サードドライバーでがんばってきて、ようやくフル参戦できることになった初戦で勝つことができて、本当に嬉しいです。これで自信もつきましたし、それをどんどん発揮して行って、好成績に繋げたいですね。
次回の第2戦富士は嵯峨さんがスパから応援してくれるというので、僕は富士からスパの嵯峨さんを応援したいと思います。それはともかく、次回は40kgのウェイトハンディを積むことになりますが、嵯峨さんの代わりにコンビを組む佐々木(孝太)さんはベテランだし、間違いなく速い人なのでまったく心配していません。
リザルト