フォーミュラE第10戦、アウディのルーカス ディ グラッシが優勝


電気自動車のレースシリーズ、フォーミュラE選手権の第10戦が6月10日、スイスのチューリッヒで開催され、同レースでディフェンディングチャンピオンであるTeam Audi Sport ABT Schaeffler(チーム アウディ スポーツ アプト シェフラー)のルーカス ディ グラッシが優勝した。

1954年以来、スイスで国際的なレースが開催されたことがなかったため、チューリッヒの金融街に設営された市街地サーキットには、国際的なモータースポーツの復帰を待ち望んでいた10万人以上の観客が詰めかけた。

このレースで5番グリッドからスタートしたディ グラッシは、18周目にトップに立つと、そのままライバルを寄せ付けない走りで優勝を飾った。39周目にチェッカーを受けた時点で、2位に入ったサム バード (DSヴァージン レーシング)とは7秒542の大差が付いた。

この勝利は、ディ グラッシにとってフォーミュラE通算7勝目、2017 / 2018シーズンでは初の栄冠となった。チューリッヒ市長のコリーネ マウフから優勝トロフィーを授与されたディ グラッシは、「最高のレースでした。本当に嬉しいです。64年ぶりにスイスで開催されたレースで優勝できるなんて、素晴らしいことです。今日のAudi e-tron FE04は圧倒的に速く、予選5番手から優勝することができました」と語っている。

結果ディ グラッシは、今勝利でドライバーズランキング3位に浮上し、7月14日~15日にかけて2レースが開催される最終戦のニューヨーク(米国)の結果次第では、ランキング2位となる可能性を残している。

なおTeam Audi Sport ABT Schaefflerにとっては、第9戦に続く2連勝、今シーズン3勝目となっている。チームランキングでは、残り2レースを残した時点で、トップのテチーターとの差を11ポイント縮めて2位を維持した。

一方、ディ グラッシのチームメイトで前回のレースで優勝したダニエル アプトは、レース開始直後の1周目でネルソン ピケJr.(ジャガー)の追突に逢いリヤウイングが脱落。このピットストップもあって、ポイント圏外の13位でのフィニッシュとなった。

アウディ モータースポーツ代表のディーター ガスは、「ダニエルは、本当に不運としか言いようがありません。オープニングラップの混乱の中で起こったあのアクシデントは、どうすることもできませんでした。

それでも、今日はチームにとって素晴らしい1日となりました。熱狂的な大観衆と素晴らしい雰囲気の中で、そして最高のサーキットで優勝することができました。ルーカスの走りも見事でした。5番グリッドからスタートして、上位の全マシンをオーバーテイクして優勝するのは、そう簡単なことではありません」と喜びの声明を出している。

またチーム代表のアラン マクニッシュは、「ルーカスは、まさに完璧なタイミングでアタックをしかけていました。彼のチームスタッフにも満足しています。

今シーズンは厳しいスタートとなりましたが、現在は完全に本来の力を取り戻しています。そしてもちろん、64年ぶりにスイスで開催されたレースで優勝することができて、たいへん嬉しいです」と結んでいる。