カルソニックカンセイ株式会社(本社:さいたま市北区、社長:森谷弘史)は3月10日、 世界最高峰のF1チームである「マクラーレン・ホンダ」と複数年にわたるオフィシャルサプライヤー契約を結んだことを公表した。
カルソニックカンセイは、熱交換器、空調、内装、コンプレッサー、電子、排気といった製品を世界中の自動車メーカーに供給するサプライヤー。
同社は、1938年に「日本ラヂヱーター製造株式會社」として創立。1988年に「カルソニック株式会社」と社名を変更した後の2000年に日産系の自動車部品メーカーである株式会社カンセイと合併し、現社名となっている。
上記の経緯から、元来は日産自動車との関係が深く、2005年1月に日産が株式の第三者割当増資を引き受けたことで、日産の連結子会社に加わった。
2014年度の自動車サプライヤー売上高世界第25位であり、星野一義氏が社長・監督を務めるホシノインパルチームのスポンサーを永年に亘って務めている。
一方マクラーレンに対しても、これまで20年以上にわたってレーシングカー向けの製品を供給してきている。
カルソニックカンセイは、F-1のレース活動を介して、国際市場展開並びに一般消費層に於ける知名度向上を目指す
今回のパートナーシップ契約は、グローバルでの複数年にわたるもの。両社はこれから、より緊密な関係を築いていくことになると見られる。
カルソニックカンセイは近年、ブラジルやロシアなどでの製品生産活動を開始しているなど、 顧客への製品供給をグローバル規模に拡大している。
また、マクラーレンは、ホンダとのチーム体制で臨み、 かつて1980-90年代にアイルトン セナとアラン プロストを擁してチャンピオンの栄光に輝いた時代の再現を目指している。
今回のパートナーシップにあたり、カルソニックカンセイの森谷弘史社長は、「マクラーレンとの新しい提携は、国際的モータースポーツの頂点であり、同時に世界一過酷なレース環境と言われるフォーミュラ1において、 当社の製品を開発・搭載できる絶好の機会を与えてくれるものです。
これにより、当社は、F1という国際舞台において技術力を発揮する機会を得ることができます。
またそれと同時に、この提携は当社のエンジニア並びにスタッフがより高度な技術力を目指していくための大きな原動力となるでしょう。
我々は当社の定めるタグラインに基づき、全社員が『夢と革新を原動力として』意欲的に取り組むことを企業目標として掲げています。
これを実現していく上で、今回のマクラーレン・ホンダとの提携は、まさにパーフェクトなものと言えるでしょう」と述べている。
マクラーレン・レーシンは、マクラーレン・ホンダチームへの参加を歓迎
一方、マクラーレン・レーシングのCOO&CEO代理である、ジョナサン ニール氏は、「我々は、カルソニックカンセイとの新しい提携に大きな期待を寄せています。
カルソニックカンセイの“モノづくり”に対する取り組みは大変素晴らしく、それゆえに優れた製品を継続してつくり続けることができるのだと考えています。
カルソニックカンセイとマクラーレンはいずれも、その従業員に対し高い能力を要求しています。
従って今回の提携を通じ、両社のエンジニア・従業員は一層強く連携していくこととなるでしょう。
チームワークの力と技術力を信念に、その柔軟性と力強さでもって、たゆまなく且つ軽々と技術と探究の限界を超えていく。
これまでカルソニックカンセイ、マクラーレン両社とも、このようなことをコアバリューとして、成功の文化を築き上げてきました。
今回の提携は、マクラーレンが世界中の優秀なパートナーを魅了する力を改めて示すものであり、 カルソニックカンセイをマクラーレン・ホンダチームに迎え入れることを喜ばしく思っています」と語っている。
カルソニックカンセイについて:
カルソニックカンセイは、自動車関連企業で、日本にグローバル本社を、米州、欧州、中国、アジアに統括機能を置き、 グローバルネットワークを築く。
さらに、日本、アメリカ、メキシコ、イギリス、フランス、中国、タイ、インドに開発拠点を、世界に78の生産拠点を保有。ワールドワイドで2万人を超える従業員を配している。
マクラーレン・レーシングについて:
マクラーレンは、フォーミュラワンレーシングの世界で、独自のブランディングを確立したレーシングチームであり、かつ自動車関連企業でもある。
マクラーレン・ホンダは、2005年、2006年の2回ワールドチャンピオンであるフェルナンド・アロンソ選手と、 2009年のワールドチャンピオンであるジェンソ・バトン選手の2名のドライバー体制で、 2016年FIAフォーミュラ1 ワールドチャンピオンシップに参戦し、マクラーレン・ホンダMP4-31で今シーズンも戦う。