アウディ、米国で信号機と自動車をネットワークで接続。赤から緑に変わるタイミングを事前察知可能に


アウディAG(本社:ドイツ・バイエルン州インゴルシュタット、取締役会長:ルパート・シュタートラー、以下アウディ)傘下のアウディ オブ アメリカは、北米に点在する複数の行政都市と協力して、交通インフラストラクチャーを改善。V2Iテクノロジーへの完全対応を目指している。

このV2Iは、本格的な車両対インフラストラクチャーサービスで、アウディはこの取り組みに積極的に参画。Audi A4及びQ7と共にラスベガスの地で、このインフラ対応のサービスを開始する。

具体的には、V2Iテクノロジーを推進することで交通インフラストラクチャーの相互通信を確立。この地に於ける対応車両は、リアルタイムに交通インフラストラクチャーと交通情報を交換できるようになる。

この結果、ラスベガスの市街地を走るAudi A4とQ7は、道路を走行中、信号機が赤から緑に変わるタイミングを事前に察知できるようになる仕組みが導入される。

つまり、車載のアウディバーチャルコクピットまたはヘッドアップディスプレーを介して、制限速度内で走行した場合に、信号が緑になるかどうか等の信号機の情報が表示され、それを事前に確認することができようになるのである。

この取り組みについて、AUDI AGエレクトロニクス開発責任者のアンドレアス ライヒ氏は、「今後、当社のAudi A4とQ7は、リアルタイムに交通インフラストラクチャーと情報を交換します。

ドライバーは自分の運転パターンを道路状況に合わせて、今まで以上にリラックスし、抑制を効かせた方法で市街地を通行できるようになります。

またアウディをスマートシティと接続して、エネルギー効率を向上させます。その後、V2Iサービスも導入し、クルマをインタラクティブなモバイルデバイスにします。

そして最終的には、この開発の到達点には自動運転が視野に入っています」と説明する。

なお今後このシステムは、米国内の他の都市に拡大するとともに、ヨーロッパでも導入が計画されている予定で、このトラフィックライトインフォメーションは、ドライバーにこれまで以上にリラックスして、効率的な運転ができる環境を提供すめ。

併せてクルマの流れ自体も最適化し、時間を節約し、環境への負担を軽減させる事が可能になるとしている。

つまりアウディはこの取り組みで、自動車と都市インフラの接続を試み、自動運転に向けて重要な一歩を踏み出すことになるのである。

その第一弾として対応車両としてアウディが挙げた車両には、2016年6月以降に製造され、アウディコネクトを搭載した米国向けAudi A4およびQ7全モデルがある。

これらの車両には、同機能が搭載されており、米国では地方自治体の交通管制センターが、信号機データをアウディのプロジェクトパートナーであるトラフィックテクノロジーサービシス(TTS)に提供する。

TTSはデータを処理して、4G/LTEといった高速インターネットサービス経由で、リアルタイムでアウディのオンボードコンピュータに情報を送信していく仕組みだ。

なおトラフィックライトインフォメーションV2Iコンポーネント初となるこの機能は、「Time-to-Green」と命名された。

アウディバーチャルコクピットまたはヘッドアップディスプレーを介して、行く先の信号が緑に変わらない場合は、緑に変わるまでの時間がカウントダウンされるため、ドライバーはあらかじめアクセルを緩めてスピードを調整することができる。

米国内に先行してテスト実施されたヨーロッパのパイロットプロジェクトでは、この信号機情報のおかげで、先を見越した運転ができるようになり、交通の流れに良好な効果をもたらすことが判っている。

これについてアウディトラフィックライトインフォメーション プロジェクトマネージャー・ミハエル ツヴェック氏は、「弊社のテストでは、赤信号で完全に停止する車両数が20パーセント前後も減少しました。

ドライバーにとっては時間の節約になり、パイロットプロジェクトでは約15パーセント燃料が節約できることも確認されました」と語っている。

こうしたサービスが当地アメリカで、アウディの顧客が一番最初に同サービスを利用することができる。

加えてアウディによるトラフィックライトシステムの開発によって、将来的に他のブランドの顧客にも利益がもたらされるだろうとアウディはコメントしている。

今後、テクノロジーが普及すれば、都市計画担当者が交通渋滞の理由を把握できるようになり、信号を変えるタイミングを最適化することが可能になる。

また将来的に、トラフィックライトインフォメーションがスマートナビゲーションとリンクされれば、新たなコンセプトのきっかけになるだろう。

例えば、信号機の「グリーンウェーブ」(信号が緑になっている状態)をルート選択に応用することができるし、Audi e-tronモデルでは、赤信号で減速する際にバッテリーを回生させ、これまで以上に効率的に制動エネルギーを活用することもできるようになると見ている。

最後にアウディは、このテクノロジーをヨーロッパにも応用することを計画中だ。ベルリン、インゴルシュタット、ガルミッシュ-パルテンキルヒェン、ヴェローナの各都市では、すでに広範囲なパイロットプロジェクトが存在しており、例えばベルリンでは、市街地の約700基の信号がこのサービスと既に接続されている。

ただし、ヨーロッパ全域には、まだ統一データ規格やデジタルインフラストラクチャーが存在しないのが難点だ。

これについては先のミハエル ツヴェック氏は、「ヨーロッパでは、交通インフラストラクチャーが個々に開発され、統合されていないために交通テクノロジーが多岐にわたっています。

そのため、私たちはデータの共通化を進めています。これが完了すれば、ヨーロッパにもトラフィックライトインフォメーションを提供できるようになるでしょう」とコメントしている。