新組織となるパワートレイン ソリューションズ事業部の従業員数は総勢88,000人に
独・ボッシュこと、ロバート・ボッシュGmbH(本社:シュトゥットガルト・ゲーリンゲン、代表取締役社長:Dr.rer.nat.Volkmar Denner <フォルクマル・デナー>、以下、ボッシュ)は、eモビリティに特化した部門を新設した。
ボッシュは、2025年には約2,000万台のハイブリッド車および電気自動車が生産されると予測しており、eモビリティは将来的に重要な領域であると云う。
なお、この新たな部門は、同じく新設された事業部である「パワートレイン ソリューションズ」に属する。
つまりeモビリティに特化した新部門、既存のガソリン システム事業部、およびディーゼル システム事業部が統合される予定だ。
電動パワーの拡大と並行しつつ、多様な動力の組み合わせの一部として内燃機関技術のさらなる向上にも集中的に取り組む
先の通り2025年には、約2,000万台のハイブリッド車や電気自動車が新車登録される一方で、約8,500万台のガソリンまたはディーゼルを燃料とする新車が登録されると予測するボッシュは、この新事業部門の設立により、 既存顧客および新規顧客に向けてパワートレインに関するすべての技術を一貫して提供する。
こうした取り組みについてロバート・ボッシュGmbH取締役会メンバーとしてモビリティ ソリューションズの統括部門長を務めるロルフ・ブーランダー氏は、「ディーゼルシステム、ガソリンシステム、eモビリティのいずれにおいてもボッシュは、自動車メーカーにとって、開発と技術におけるトップパートナーであり続けます。
併せてeモビリティへの移行に向けた戦略的な体制も既に整っています。燃料であっても電気であっても、ボッシュは今後も変わらずパワートレイン技術を牽引し続けます。
どのパワートレイン、またはどういったパワートレインの組み合わせが優位となるか、またそれがいつ決定的となるか、いまだ定かではないため、当社は内燃機関と eモビリティの両面において、専門知識とノウハウを継続的に積み上げていきます」と述べている。
パワートレイン向けソリューションの革新のための大きな投資
同社は、パワートレインの技術およびマーケットのリーダーとして、モビリティの変革を積極的に形作っていく構えだと云う。
このためボッシュは、新事業部のパワートレイン ソリューションズは、将来的に包括的な技術ポートフォリオを提供することで、世界中の人々にとってより効率的、経済的、そしてより環境にやさしいモビリティが実現される未来を創ることに貢献すると語っている。
その背景として同社は、パワートレイン向けソリューションのさらなる開発に毎年数十億ユーロを費やす。
現在、ボッシュでは約1,800人がeモビリティの事業に携わっており、同分野だけでも年間4億ユーロを投資し、その多くはバッテリーの研究開発に注がれている。
同社によると、伝統的な自動車機器サプライヤーの中でも、「現在のそして未来のセル技術を研究している企業は世界でもボッシュしか存在しない」と述べており、既に30を超える eモビリティ関連のプロジェクトを、世界各国の自動車メーカーから受注しているとも云う。
ボッシュはモビリティの変革を積極的に形作り、そのチャンスを活用していく
ボッシュは、新事業部のパワートレイン ソリューションズを通じ、パワートレインに関する顧客の多様なニーズに一手に応え、包括的なシステムソリューションを提供していく構えだ。
これについて先のロルフ・ブーランダー氏は、「パワートレインに対するお客様のニーズは内燃機関の枠組みを越えてきています。
電動化へのダイナミックな変革は、新事業部を形作る上で非常に重要な役割を担います。この変革の過程において、私たちは知識と技術をもってお客様をサポートできると考えています。
パワートレイン ソリューションズでは、内燃機関を搭載した乗用車と商用車、ハイブリッド車、そして電気自動車の3 つのコアになる分野を戦略的に見据えています。
それらの課題は多岐に亘り、さまざまな挑戦が求められます。しかし私たちは、eモビリティと商用車に大きな成長の可能性を感じています。
一方、内燃機関を搭載した乗用車においては、特に効率性の向上に焦点をあてています。
長期にわたり競争力を維持するためには、燃料消費と排出をさらに削減した製品を市場に送り込まなければならないため、先の見えない未来に向けて、我々は全てのパワートレインにおいて技術革新が必要とされているのです」と語った。
市場の変化に合わせ、マーケットと顧客ニーズのさらに近い存在になっていくために
ボッシュは向こう数年の間に、上述のすべての技術開発を平行して進めていく。それがボッシュにとって、市場の変化に迅速かつ柔軟に対応する唯一の方法であるからだ。
モビリティの電動化が長期的なトレンドであることに、もはや疑いの余地はない。しかしながら、いつ、どれくらい早く、どのような形でこの変革が訪れるのか、確実な予測はできない。
そうしたなか同社の新たなパワートレイン ソリューションズは、25か国、60 以上の拠点で働く約88,000人の従業員で取り組んでいく。
これまでも同社ではガソリンシステム事業部と、ディーゼルシステム事業部の従業員はこれまで密に協力し合い、成果を収めてきたが、2018年から始動するパワートレイン ソリューションズにおいてはより一層協力体制が強化される。
なお、この組織再編による従業員数の変動はなく、新事業部の詳細については、従業員の代表者を交えて緊密な協議が行われ、新たな事業部の始動は、2018年の初め頃になるとしている。