まもなく発表される同社の「自動運転技術」市場投入についても語られる
日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:カルロス ゴーン)は、2016年7月3日(日)に、自動運転社会の実現に向けた取り組みをご紹介する読売新聞社主催のシンポジウム「自動運転社会の実現に向けて」に参加した。
250人を超える出席者が集まったシンポジウムでは、まず最初に国土交通省自動車局技術政策課国際業務室長、久保田秀暢氏が登壇し、「死亡事故発生件数の96%が『運転者の違反』が原因となっています。
自動運転技術の実用化により、運転者が原因の交通事故の大幅な低減に効果が期待されます。
この自動運転技術とは、自動ブレーキや車間距離・車線の維持など、複数のシステムの組み合わせでできています。
政府としては2020年までには自動追い越し、自動合流・分流、限定地域における無人自動走行移動サービスなどをシステムとして取り込み、最終的には“完全自動運転”の実用化を目指しております」と、行政に於ける青写真のかたちを語った。
次に登壇した警察庁交通局交通企画課長、早川治氏は、「第10次交通安全基本計画の中に『平成32年度までに死者数を2500人以下、死傷者数を50万人以下にする』という非常に高い目標がありますが、交通事故が起きにくい環境づくりの一環として“自動運転技術”などの先進技術の活用推進に期待が高まっております。
交通事故等における道路交通法上の責任の在り方など今後、検討すべき課題は多々ありますが、運転者が責任を負うのか、システムを提供した企業が負うのかなど、国民がどのような形であれば受け入れて頂けるのかを技術革新に合わせて検討していきます」と述べた。
次に日産自動車株式会社 電子技術・システム技術開発本部/AD&ADAS先行技術開発部部長・飯島徹也氏が登壇し、「交通事故の9割はドライバーによる人為的ミスが原因です。
その人為的ミスを機械(知能を持ったクルマ)が助けることで、事故の9割を減らせる可能性があると考えています。
日産自動車は、『クルマが人を守る』という考え方で、20年以上前から、自動運転のベース技術である運転支援システムの開発に取り組んで参りました。
既に、全方位の運転支援システムを搭載したクルマを市販しており、長い市場での経験を蓄積しています。
日産自動車は、このように過去積み重ねてきた独自の技術と経験をもとに、 “自動運転技術”を2020年まで段階的に商品化していきます。
2016年には高速道路の単一レーンでの自動運転技術、2018年には高速道路の複数レーンでの自動運転技術、そして、2020年には一般道路、交差点にも対応する自動運転技術の実現を目指しています。
また日産自動車は、今年、自動運転技術の第一弾を近く市場投入致します。今までにない運転の楽しみを感じて頂けますので、ご期待ください」と語った。
シンポジウムの締めくくりは、日経BP未来研究所客員研究員、オートインサイト株式会社代表、鶴原吉郎氏から「こんなに変わる! 自動運転車のある生活」のテーマで、自動運転化による未来予想図について講演した。
【開催概要】
日時:2016年7月3日(日)13:30~16:30
場所:ベルサール飯田橋駅前(東京都千代田区飯田橋3−8−5)
登壇者:
国土交通省自動車局技術政策課国際業務室長 久保田秀暢氏
警察庁交通局交通企画課長 早川治氏
日産自動車株式会社電子技術・システム技術開発本部/AD&ADAS先行技術開発部長 飯島徹也
日経BP未来研究所客員研究員 オートインサイト株式会社代表 鶴原吉郎氏
日産、自動運転の今と未来
http://www.nissan.co.jp/AUTONOMOUSDRIVE/