マクラーレンのファクトリー・ドライバー、アルバロ・パレンテがスパ・フランコルシャンで勝利し、選手権ポイントでのリードを拡大
ベルギーのスパ・フランコルシャンで行われた「インターナショナルGTオープン選手権レース」で、マクラーレンGTのファクトリー・ドライバーであるアルバロ・パレンテ選手と、チームメートのミゲル・ラモス選手が、カスタマー・チームのテオ・マーティン・モータースポーツの一員としてハンドルを握り、1日に2度表彰台を獲得した。
これにより、同選手権ポイントにおけるテオ・マーティン・モータースポーツのリードがさらに拡大した。
また、同じくマクラーレンGTのファクトリー・ドライバーであるロブ・ベル選手と、マクラーレンGTのヤング・ドライバーであるアンドリュー・ワトソン選手がハンドルを握った同じチームのクルマは、最初のレースでは頻繁に変化するコンディションの影響を受けたものの、常に速いタイムを刻み続け、2つめのレースでポール・ポジションを獲得し、5位に入賞した。
最初のレースの予選では、ロブ・ベル選手が乗る59号車の650S GT3が最前列のグリッドを獲得。そのすぐ後ろの3番目の位置には、選手権の常連であるパレンテ選手とラモス選手がつけた。
本番のレースでは、スタートからベル選手がレースを支配。ピットに戻り、ヤング・ドライバーの1人であるアンドリュー・ワトソン選手と交代するまで、ベル選手は先頭を走り続けた。
アイルランド出身の若きドライバー、ワトソン選手は、難所のコーナーであるオー・ルージュで突然の豪雨に遭遇。最善を尽くしたもののワトソン選手のクルマはコースを外れて、バリアに衝突。彼の攻勢は早々と終了する結果となった。
一方、パレンテ選手のチームメートであるラモス選手は、冷静にレースを進め、その後に交代したパレンテ選手が猛然と先頭車を追いかけ始めた。
残り時間が少なくなるなか、パレンテ選手は難しいコンディションでも実力を発揮。
周回ごとに差を詰めて、瞬く間に表彰台の位置を確保。最後の27周目、パレンテ選手が乗る2号車の650S GT3は2位でフィニッシュ。1位との差は、わずか1.421秒だった。このレースの終了時点で、パレンテ選手とラモス選手は、わずか1ポイント差で選手権ポイントのトップの座を維持した。
2つめのレースの予選は、最初のレースの前、土曜日の湿った路面状況で行われ、ワトソン選手とパレンテ選手がフロント・ローを目指して激しい闘いを繰り広げた。
全長7.004kmのコースの路面が徐々に乾き始めるなか、2人のマクラーレン・ドライバーが交代で最速タイムを計時。路面が乾燥するタイミングを見計らって、ワトソン選手がスリック・タイヤを装着するというギャンブルに出て、選手権初登場であるにもかかわらず、最終的には予選1位のタイムを記録した。
本番のレースでは、ベル選手とラモス選手がそれぞれテオ・マーティン・モータースポーツの最初のドライバーを務め、2人はスタート時の順位を確保。
ピット・ウィンドウが開くと、マクラーレンの2台は予定通りのドライバー・チェンジを行い、両車は堅実な走りを続けた。
コースに戻ると、パレンテ選手がトップに立ち、その直後の2番手の位置をワトソン選手が走行。チェッカー・フラッグが振られた時点では、パレンテ選手がトップでゴールして優勝となり、ワトソン選手が乗る59号車の650S GT3が、2位でフィニッシュした。
しかし、レース後の審議によってワトソン選手には40秒追加のペナルティーが課せられ、順位は5位に下がった。
マクラーレンGTファクトリー・ドライバー、アルバロ・パレンテ選手のコメント
「650S GT3とテオ・マーティン・モータースポーツにとってはまたも素晴らしい週末となり、選手権ポイントのリードを広げられてよかったと思います。
どちらのレースでもクルマは申し分のない走りをしてくれました。厳しい条件のなか速いラップで走り続けることができ、2つのレースの両方で結果をしっかりと出すことができました。
スパはファンタスティックなレース・コースであり、650S GT3は実力を存分に発揮してくれました。
とても安定した走りであり、チームは今回も素晴らしい仕事をしてくれました。その結果、残り2レースの時点で選手権ポイントのリードをさらに広げることができました」
マクラーレンGTヤング・ドライバー、アンドリュー・ワトソン選手のコメント
「全体的には、いい週末となりましたが、まったく難しいレースでしたし、いいことも悪いこともありました。
もっとも、ここで学んだ、たくさんのことは、今後も忘れてはなりません。ロブ(ベル)と一緒に仕事をし、レースの週末には彼の経験から得るものも多くありましたし、このレベルの選手権になると、チームのやり方も違うのだということもわかりました。
最初のレースでのリタイアは、本当にがっかりしましたが、選手権のデビュー戦でポール・ポジションを獲得し、最終的に5位でゴールできたのですから、素晴らしい週末の締めくくりと言えるでしょう。
このような機会を与えてくれた、テオ・マーティンとチームの皆さんに感謝しています。今は、エイボンタイヤ・ブリティッシュGT選手権の次のラウンドが楽しみです」
マクラーレンGTマネージング・ディレクター、アンドリュー・カーカルディ(Andrew Kirkaldy)のコメント
「素晴らしい週末となった、テオ・マーティン・モータースポーツを祝福したいと思います。
フロント・ローの獲得、ならびに3つの表彰台を獲得し、アルバロ(パレンテ)が優勝してテオ・マーティン・モータースポーツの選手権ポイントをさらに拡大したこと、ロブ(ベル)とアンドリュー(ワトソン)が5位に入賞したのは、見事な成果と言えるでしょう。
しかも、クルマにとってはこれがデビュー・シーズンなのですから。アンドリューは、突然の豪雨に見舞われ、不運なかたちでレースを終えなければなりませんでした。しかし、我々がスパを愛しているのは、このように予測不可能なことが起こるからなのです!」