ひとまわり・ふたまわり大きな「個性的な会社」へ
ヤマハ発動機株式会社(本社:静岡県磐田市、社長:柳弘之、以下、ヤマハ発動機)は、2016 年からの 3 ヵ年における新中期経営計画を策定した。
新中期経営計画では、「持続的成長による企業価値の向上」を目標とした現行中期経営計画(2013 年~2015 年)を発展させ、既存事業の稼ぐ力を高め、安定的財務基盤を確立しながら成長投資と株主還元増に取り組む。
その上で、2018 年には「売上高 2 兆円・営業利益率 10%水準から、新しい成長」へのスタートラインに立ち、「ひとまわり・ふたまわり大きな『個性的な会社』」の実現に踏み出すとしている。
【数値目標】
【財務戦略】
既存事業の稼ぐ力(限界利益・投資効率・事業効率)を高め、安定的財務基盤により新しい成長投資・株主還元を増やす。
・安定的財務基盤づくり
自己資本比率:42.5%、ROE:15%、一株あたり利益:300 円以上を目指す。
・成長戦略への経営資源投入
既存事業を効率化して、新しい成長戦略に 1,300 億円を投入する。
・株主還元の強化
配当性向を従来の「20%を下限」から「30%を目安」へ変更する。
・金融ビジネス拡大
既存事業を支援。北米を中心に拡大し、債権残高 3,000 億円のビジネスへ。
【経営戦略】
■事業領域と成長戦略『3 つの事業領域で 4 つの成長戦略を推進』
「豊かな生活」「楽しい移動」「人・地球・社会にやさしい知的技術」の事業領域の中で、「ひろがるモビリティの世界」「マリン世界 3 兆円市場への挑戦」「ソリューションビジネス」「基盤技術開発」の成長戦略を進める。
■商品競争力『ブランド力、稼ぐ力の源泉』
新しいコンセプト、お客様の悦びと信頼を得る技術、洗練されたデザイン、マーケティング力により商品競争力を高め、270 のニューモデルを投入する。
■グローバル経営『ブランドを体現する人づくり』
海外生産比率の向上、現地人幹部・女性管理職の登用を増やすなど多様性を高め、グローバル経営をさらに進める。
■コストダウン『購入材料費 5%圧縮を目指す』
プラットフォームモデル競争力強化、グローバル調達レイアウトの取り組み拡大、理論値生産・物流を進める。
【主要事業戦略】
■二輪車事業 『高効率型の事業経営へ』
・数量規模を追わず、高い経営効率・商品競争力による安定収益体質づくりを進める。
・アセアン『プラットフォーム戦略推進、シェア・高収益獲得へ』
多様化する顧客に「早く」「安く」「旬」の商品を届ける。
・インド『商品拡充、数量規模により安定的収益へ』
マス領域への新興国戦略モデル投入、地方部の販売網を拡充し顧客接点を強化する。
・先進国『高いブランド力を発信、構造改革により安定的収益へ』
コミューター~スーパースポーツまで各ラインナップで個性的ブランドを確立する。
顧客嗜好に対応する販売網政策、「モノからコトへ」をテーマに顧客の育成を進める。
■マリン事業 『世界 3 兆円市場への挑戦』
・『エンジンサプライヤーからシステムサプライヤーへ』
ボートビルダーとの連携を深め、エンジン・周辺機器+艇体戦略を推進し、より幅広い事業価値を提案する。
・『さらに強固なグローバルブランド No.1 ブランドへ』
システムサプライヤーとしての「総合事業力」、商品力・ビジネスパートナーとしての「信頼性」、グローバルな開発・製造・販売・サービス活動といった「ネットワーク力」で圧倒的ブランドを作る。
■特機・その他事業『個性的ビジネスモデルを創る』
・RV:第 3 の基幹事業へ 「売上高 2,000 億円・営業利益率 10%のビジネスモデル構築」
拡大が続く ROV 市場へ差別化・高付加価値化を徹底した商品の投入を加速する。
・IM:強みによる高収益事業へ 「売上高 600 億円・営業利益率 20%のビジネスモデル構築」
開発・製造・販売一体のスピード感ある経営で、強みの自動車・家電領域を攻略する。
・UMS:グローバル成長への挑戦 「世界市場での売上高 100 億円のビジネスモデル構築」
「商品販売+ソリューション」へのビジネスモデル転換、世界市場開拓、技術開発(ペイロード・自律化・安全対策等)を進める。