トヨタ自動車、歩行リハビリテーション支援ロボット「ウェルウォークWW-1000」のレンタル開始


トヨタ自動車株式会社(本社 : 愛知県豊田市、代表取締役社長 : 豊田章男、以下トヨタ)は都内本社に於いて、脳卒中などによる下肢麻痺のリハビリテーション支援を目的としたロボット「ウェルウォーク WW-1000」の記者発表を行い、同製品のレンタルを2017年秋より開始する。

「ウェルウォーク WW-1000」

https://www.youtube.com/watch?v=4-o_QNkT4qM

https://www.youtube.com/watch?v=pFhc5QmWRQo

「ウェルウォーク WW-1000」は運動困難となった患者の個々状態に合わせ、難易度の調整や歩行状態のフィードバック機能など、運動学習理論に基づいた様々なリハビリテーション支援機能を備えたリハビリテーションロボットである。

トヨタは、1980年代に自動車生産用に導入を始めた産業用ロボットの技術や自動車の開発技術を応用して、人の活動をサポートし、人と共生する「パートナーロボット」の開発を進めてきた。

発表の席上でトヨタ自動車常務役員の磯部利行氏は、「『パートナーロボット』は、『すべての人に移動の自由を、そして自らできる喜びを』というビジョンのもと開発を勧めて参りました。

特に日本において重要な課題である少子高齢化問題に対応するため、高齢者がより自立した生活を送り、介護する側の負担も低減できるよう、『シニアライフの支援』、『医療の支援』、『自立した生活の支援』、『介護の支援』を主な4領域として開発に取り組んできました。

これを踏まえ今回発表致しました『パートナーロボット』は、簡単装着、タッチパネルによる一括操作などシンプルな構造と機能によって、臨床現場での使いやすさを実現しています」と述べた。

なお医療の支援では、2007年末から藤田保健衛生大学(愛知県豊明市)と共同でリハビリテーション支援ロボットの開発を進め、トヨタ記念病院での活動を含め、2011年より医療現場での実証実験を行ってきた。

2014年からは歩行練習アシストロボットを全国23の医療機関(2017年3月末時点)で臨床的研究に活用されている。

続いて登壇した藤田保健衛生大学の才藤栄一氏が、60歳女性・右脳出血、発症後4週間経過の患者に対する歩行アシストの状況を元に、利用7週間で退院可能な状況まで効率良く回復する過程を具体的な実施例として説明した。

トヨタ自動車パートナーロボット部の玉置章文氏は、「当社は現場主義をキーコンセプトに、これまで臨床的研究を通じて患者様や医療関係者からいただいたご意見も踏まえ、下肢の機能回復への寄与が期待できると判断し、今回医療機器の承認を取得しました。

患者様にとって「歩けるようになる」と「歩ける」とは全く異なります。

今開発に於いては、補助機能について過剰になると適切な歩行補助にならないことを踏まえて、患者様のポジティブな「歩く」という意識の醸成を育むべく、効果的な臨床結果の改善を目指して参りました。

今後は同製品を医療機関向けに、100台を目標に『ウェルウォーク WW-1000』としてレンタルを行ってまいります」と結んでいた。

製品概要
一般的名称 :能動型展伸・屈伸回転運動装置
販売名 :ウェルウォーク WW-1000(医療機器承認番号 : 22800BZX00438000)

全体構成 :
<本体>
ウェルウォーク WW-1000:トレッドミルやモニターを含むシステム全体を構成
<ロボット脚本体>
ウェルウォーク WW-1000:麻痺側の脚に装着し、膝の曲げ・伸ばし動作を補助

製品特長:
医学的な運動学習理論にもとづくリハビリテーション支援機能
患者様に合わせたアシスト量の調整機能 初期から自然な歩行と十分な練習量を確保することができ、療法士の負担も低減。

モニターや音声など多彩なフィードバック機能 歩行状態をリアルタイムで確認でき、さらに客観的な定量データの記録も可能。

臨床現場での使いやすさを追求。簡単装着、タッチパネルによる一括操作等のシンプルな構造と機能。

サイズ・重量
外形寸法 :幅1,200mm、奥行き2,710mm、高さ2,380mm
重量 :約800kg(本体)、約6kg(脚部)
価格 :初期費用100万円 月額35万円(メーカー希望)

営業・サービス体制:
トヨタは株式会社グッドライフデザインに営業企画・管理の委託を行い、グッドライフデザインは営業窓口である4社を通じてお客様にレンタルを行う。
サービス業務は、トヨタもしくは株式会社グッドライフデザインがパラテクノ株式会社に委託する。