2015年スーパーフォーミュラ最終戦となる第７戦・鈴鹿での決勝が11月8日に実施された。
最終戦はシリーズレギュラー戦とは異なる2レース制で行われ、午前のRace1は、No.2 アンドレ・ロッテラー（PETRONAS TOM’S SF14）が今季3勝目を挙げた。
Race2は、ポールポジションからHondaエンジンを積むNo.16 山本尚貴（TEAM 無限 SF14）が独走初優勝。シリーズドライバーのタイトルは、No.38 石浦宏明（P.MU/CERUMO・INGING SF14）が予選7位から4位に順位を上げ、自力で2015年のドライバーズチャンピオンを獲得した。
Race1は午前10時から開始。前夜から降り続く雨でウエットコンディションとなった。消化周回数は20周だ。コース上の水量が多く、レースはセーフティカースタートになる。
セーフティカーが外れ、トップでファーストコーナーにに侵入したロッテラーは、一気に2番手以下を突き放す体制に入る。
これを追う石浦は、No.3 ジェームス・ロシター（FUJI×D’station KONDO SF14）、No.8 小林可夢偉（Team KYGNUS SUNOCO SF14）が激しいプッシュを受けるという状態で１周目の幕が落とされた。
当初は2番手争いと6番手争いが激しくなり、このなかでデ・オリベイラの左フロントが山本の右リヤタイヤに追突し、デ・オリベイラはフロントウィングとサスペンションを破損し、リタイヤとなる。
後方でもNo.64 中嶋大祐（NAKAJIMA RACING SF14）とNo.20 アンドレア・カルダレッリ（LENOVO TEAM IMPUL SF14）が接触し、レースを終えた。
レースは終盤に入り、石浦、ロシター、可夢偉の2番手争いが白熱化。テール・トゥ・ノーズ状態で石浦を追っていたロシターは、マシンがハイドロ上に乗ってスピンオフしリタイヤとなる。
これでロシターの追撃からは逃れた石浦だったが、今度は、可夢偉が追い上げてきてバトルが再開。その後方ではNo.18 中山雄一（KCMG Elyse SF14）がコースアウト、山本は右リヤのホイールナットが緩んで脱落する。
結果Race1は、ロッテラーが独走で飾り今季3勝目を奪取。石浦が2位、可夢偉3位となる。石浦は、2位入賞によりポイントリードを広げシリーズタイトルに王手を掛けた。
同日午後のRace2も、路面状況は変わらなかったものの、スタート自体は午後3時にスタンディングスタイルで行われた。
ただ当初、No.8 小林可夢偉（Team KYGNUS SUNOCO SF14）のマシンの両フロントブレーキ付近から出火し一端、スタートが中断。
これにより可夢偉は、赤旗の原因を作ったことから最後尾スタートとなり、併せてレース周回数が1周減算され27周となる。
再スタートは、ポールポジションの山本がホールショットを決める。一方予選4位スタートで、シリーズタイトルをもぎ獲るには勝つしかないNo.1 中嶋一貴（PETRONAS TOM’S SF14）が、前車のロッテラーを抜き山本に並ぶが、これを山本が制して中嶋を引き離しに掛かる。
対して、8位に入賞すれば自力チャンピオンが決まる石浦は、予選7位スタートして以降、初旬は6番手あたりを走行。
その後、レースが中盤となって前を走るロッテラー、野尻が脱落し、石浦は4番手まで浮上し、単独走行で淡々とコース周回を消化する。
一方、山本は中嶋との差を7秒以上引き離して独走して、山本並びにHondaエンジンにとって、今季初優勝となった。
3位は予選6位から着実に追い上げてきたデ・オリベイラ。4位、石浦。5位、No.7 平川亮（ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14）。6位、No.18 中山雄一（KCMG Elyse SF14）。7位、No.34 小暮卓史（DRAGO CORSE SF14）、8位、No.39 国本雄資（P.MU/CERUMO・INGING SF14）となった。
結果、年間ドライバーズタイトル1位には石浦宏明が輝く。2位は、追い上げが届かずに終わった中嶋一貴、3位はアンドレ・ロッテラー。チームチャンピオンにペトロナス・チーム・トムスとなった。
No.38 石浦宏明（P.MU/CERUMO・INGING SF14）
ドライバーズチャンピオンコメント
眠れないほどではなかったですが、やはり緊張とプレッシャーはありました。
ただチームの雰囲気が明るかったのには助けられました。今回、自分の実力を出し切れなかったらイヤだなと思ったのですが、自分としては力を出すことができたのかなと思います。ひとまず無事に終われてほっとしています。
フリー走行で僕と、タイトルを争う中嶋一貴選手がずっと下位に沈んでいて、ちょっとこれはマズいかなという思いがあって不安もありました。
ただQ1で自分が思っていた以上のタイムを出すことができました。自分的にはいい走りができていたので、いい流れが自分に来てるのかなと感じていました。
シーズンを通して恵まれた感じもありました。思い出すのは、第2戦岡山での初優勝です。
岡山で勝ったあとはすごくリラックスできるようになったし、自分のパフォーマンスも出せるようになりましたし、なによりも気持ちで負けないようになりました。それが一番大きいと思います。
ずっとレースを始めた頃から中嶋一貴選手や、小林可夢偉選手とやってきて、なかなか自分が目立つ番が来ませんでした。
今シーズンはなんとか彼らと戦いたいという気持ちもありましたし、高いレベルでの戦いができるようになって、嬉しい面もありました。
人に恵まれ、助けてくれた人たちが沢山いて、色々な経験をさせてもらえてここに繋がったと思います。
本当にあっという間のシーズンでした。2勝目したあとくらいから、なんとなく雰囲気も変わり、シーズン終盤に向けて僕だけでなくチームとしてプレッシャーを感じてるような様子も見てとれました。
ただ僕はSUPER GTでも同じメンバーでレースをしているので、同じ流れでやっていけるので、シーズンを長く感じずに済んだかと思います。
