世界中で最も市販台数の多いレーシングカーにニューモデルが登場
ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:Dr.オリバー・ブルーメ)は、ドライブユニットを一新させたポルシェワンメイクシリーズ専用のレーシングカー、911 GT3 Cupのニューモデルを公表した。
2017年以降、このニュー911 GT3 Cupが世界のサーキットでスタートラインに並ぶだろう。
生産台数世界一を誇るこのGTレーシングカーは、さらなる駆動力を得るために4リッター水平対向6気筒エンジンをリアに搭載している。ダイレクト・フューエル・インジェクション(DFI)を採用したコンパクトなエンジンは、確かなモータースポーツテクノロジーによって最高出力485psを発生する。
注目すべきはエンジンの性能だけではない。そのディテールが幅広く革新されたことで効率性も改善されている。
さらにレース仕様の自然吸気エンジンの耐久性が向上したことでメンテナンス費用も抑えられている。また、堅固に取り付けたロッカーアームとセンターオイルフィードを備えたバルブドライブが初めて採用されたほか、エンジン内部におけるオイルの消泡を最適化するためにオイルセパレーターが一体化された。加えてクランクシャフトの剛性も大幅に向上した。
空力面では、新しいフロントエプロンとリアエンドが、ニュー911 GT3 Cupのダウンフォースを改善してトラクションと性能を強化する。
人目を引く184mm幅のリアウイングは、先代のものを受け継いだ。ホイールサイズも変わっておらず、センターロック方式を採用したワンピース構造の18インチ レーシング ホイールを装着し、フロントには270mmのミシュラン レーシングスリックタイヤ、リアには310 mmの大型トレッドタイヤが装着されている。
アルミニウムとスチールによるインテリジェントな複合構造により、ボディは歴代最高の剛性と軽さを手に入れた。実際、ニュー911 GT3 Cupは、1,200kgの車両重量でレースに臨むことが可能だ。
さらに、エンジニアは、ドライバーの安全性を見直した。この結果、ドライバーは強固なセーフティケージと、頭部と肩部の周囲を特に頑丈に成形した革新的なバケットレーシングシートによって保護されるようになっている。また、最新のFIA基準に従う、ルーフのレスキューハッチはサイズが拡大されており、事故後の初期治療と救出を容易にする。
ちなみにこの新たな量産レーシングマシンは、シュトゥットガルト-ツッフェンハウゼンの主力工場にある、911のロードモデル用生産ラインにおいて911 GT3 Cupを製造する。
その後、車両はヴァイザッハのモータースポーツセンターで基本的なレースチューニングが行われると、顧客への納車前に、プロのレーシングドライバーによる入念なテストがそこで実施される。
これまで911 GT3 Cupは、1998年以来、996、997および991のモデルで3,031台が生産された。これにより、ポルシェ911 GT3 Cupは、生産台数と販売台数が世界で最も生産台数が多いレーシングカーとなった。
この新しい911 GT3 Cupの登場は、2017年のレースシーズンとなる。最初のシーズンは、F1レースと同時開催されるポルシェ・モービル1スーパーカップ、ポルシェ カレラカップ ドイツ、およびポルシェ カレラカップ ノースアメリカでのみ使用される。
さらに2018年以降は、カレラカップ ジャパンを含めた他のポルシェ ワンメイクシリーズに拡張される見込みだ。なおポルシェは、世界中のカスタマーチームのために、911 GT3 Cupで競い合う20のレースシリーズを開催している。
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