プジョー・シトロエン・ジャポン、新型シトロエンC3を日本でも発売へ


各部の刷新に加え、自動車としては世界初のSNS連携装備の「シトロエン・コネクテッドカム™」を搭載

プジョー・シトロエン・ジャポン株式会社(本社:東京都目黒区、社長:クリストフ・プレヴォ)は7月7日、渋谷区のソーシャライジング施設TRUNKで新型シトロエンC3を発表し、全国のシトロエン正規ディーラーネットワークより販売を開始した。なお車両の価格は216〜239万円(税込)となる。

なお発表会当日では、欧州に於ける新型C3のビデオプロモーションに参加したアーチスト「The Part-time Friends」が来日して楽曲演奏を披露した。

今回刷新されたシトロエンC3は、そもそも先の2002年の発売以降、全世界で350万台以上を売り上げた同社にとっての花形シリーズであり、今回は、その成功をベースにクロスオーバー的なスタイリングを持つかたちにモデルチェンジを果たした。

刷新にあたっては、エクステリア・デザインだけでなくもインテリアも再検討され、さらにフロンウインドウにオンボードHDカメラを搭載。

移動中に出会った風景などを写真やムービーとして撮影し、スマートフォンを介してSNSにシェアする機能「シトロエン・コネクテッドカム™」なども、自動車として世界初の試みとして組み込んだ。

新型C3を通してシトロエンが掲げる3つのコアバリューを体現

同車発表会で登壇したプジョー・シトロエン・ジャポン社長のクリストフ・プレヴォ氏は、「新型C3は、まさにシトロエンそのものであり、その存在感は、同シリーズに新しい刺激をもたらすものです。

それは使い勝手に優れて扱い易く、かつ快適。また自分を表現できる個性。C3は、従来型の車の枠外から抜け出したような新しい車を求めている現代のドライバーには、打ってつけの選択肢となります。

対して日本のお客様は、デザインの創造性から技術面に至るまで要望のレベルが高いだけでなく、良いものをチョイスする確かな選択眼をお持ちです。

そうしたなか、日本のメジャーな市場セグメントで、我々の特徴のある製品をご提供させて頂くことは、私たちの日本での積極的な姿勢をお伝えできるチャンスであると捉えております。

製品販売面の欧州での成功等、新型C3は、ライバル車を上回る競争力のある製品だと自負しています。

日本のお客様に於いても、既存のシトロエンファンに留まらず、必ずや多くの方々にご納得頂けるクルマであると確信しています」と述べた。

なお同社が新型C3で訴求したのは「OPTIMISTIC:なにより楽しく」「HUMAN:人を中心に」「SMART:スマートな技術」の3つのコアバリューであるとする。

まず第1に「OPTIMISTIC:なにより楽しく」では、何よりもどのクルマにも似ていないユニークな造形美を目指したと云う。

黒いAピラーによってルーフが浮き上がって見えるサイドビューも大きな特徴のひとつ

そのスタイリングは、力強い印象を持たせるため高く立ち上がったフロントエンドに、上下2分割のヘッドライトとデイタイムランニングランプが備わっている。

そこから、安定感を表現した水平基調のウェストラインへと連続していくボディラインが目に留まる。

またサイドビューでは、黒いAピラーによってルーフが浮き上がって見えるのも大きな特徴になるだろう。

ボディ各部の表面は、シャープなエッジを廃した柔らかいもので、最大級の640mmのタイヤを大きく包み込む。

そのタイヤに装着された大型ホイールは、クロスオーバー的なSUVテイストが加味されたデザイン。これに短いリアエンドを組み合わせて、車両のダイナミッさを表現した。

ボディサイズは実数値も再検討されて、先代モデルよりも4cm低く、ボディサーフェスはスムーズな気流生成が留意された

なお環境負荷などの時代の要請にも応え、エアロダイナミクス面の配慮を行っており、ルーフは先代モデルよりも4cm低く、ボディサーフェスは、スムーズな気流を実現するよう注意深く設計された。

またこの造形を活かすエクステリアカラーは7色を設定し、3色のルーフカラーと自由に組み合わせ21通りのコーディネートが実現するとしている。

第2に掲げたのは、「HUMAN:人を中心に」というテーマで、永らくシトロエンの代名詞であり続けてきた快適性というキーワードをさらにアップデートした。

具体的に、内装デザインを例に取ると家具や旅行といったキーワードからインスピレーションを得て、C3に乗っている間、文字通りマイホームで寛いでいるような心地よさと繭玉(まゆだま)に包まれているような安心感の醸成に腐心したと云う。

写真の一部では、海外仕様(フランス本国発表時)の新型C3も掲載している

ボディサイズにも現れた人間工学に基づいた扱い易さ。5ドアモデルでも全長3.99mのサイズを維持した

ダッシュボード中央下にビルトインされたタブレットライクな7インチのタッチスクリーンも、人間工学的を踏まえてデザインが施され、これらの全てに人中心のコンセプトが徹底されている。

同じく人間工学に基づいた扱い易さは、ボディサイズにも現れており、5ドアモデルでも全長3.995mmのサイズを維持。

ちなみに各部の実寸は、全長3.995mm、全幅1.750mm、全高1.495mm、ホイールベース2.535mmとなっている。一方、トランクのストラップから着想を得たドアハンドルの「遊び」感覚は、C4カクタクと同じくシトロエンならではの流儀を踏襲したものとなっている。

なおインテリア自体の使い勝手は、感覚的な広さの実現以前に実質的な数値上の改善が達成されており、例えば、乗員の肩幅の高さにおける室内幅は1379mmと、旧型C3から2cm広げられている。

パワートレーンは、最高出力81Kw(110PS)/5500rpm、最大トルク205Nm/1500rpmを発生する直列3気筒DOHC 1.2リッター・ターボエンジンを搭載。これにアンシンAW製の6速ATが組み合わせられる。

サスペンションのセッティッグは、昔と変わらぬ典型的なシトロエン味を維持

写真は、200台限定での先行発売モデルとなる「シャイン DEBUT EDITION」のインテリアの様子

シート自体も、質感のある表面地に柔らかなインナーフォームを組み合わせるシトロエン流で、座面に腰掛けた瞬間は、振動吸収性の高さを感じさせる包まれる感覚が強い。

しかし、いったん沈み込んでしまった後は、しっかりとしたコシと、充分なサポート性が期待できそうだ。

また乗り心地は、「魔法のじゅうたん」こと、かつてシトロエンの代名詞であった油圧サスペンションシステム「ハイドラクティブ」が廃止になって本当に久しい。

ただこの新型C3では、路面からの入力の大きさに応じて、弾性力をプログレッシブ的に変化させる設計が組み込まれている感覚で、具体的には、小さくゆったりとした上下動を感じさせる典型的なシトロエンのセッティングを想起させるものとなっている。なお積載面でリアのラゲッジルームは、300リッターの容量を備えている。

フロンドウインドウの207万画素のフルHDセンサー+画角120度のレンズを通して、安全機能とSNS連携機能を両立

第3に掲げた「SMART:スマートな技術」で、今回最も象徴的な装備は、同社によると『シトロエン・コネクテッドカム™』になると云う。

これはフロンドウインドウに取り付けられたHDカメラを中核にGPSセンサーと16GBメモリーを内蔵したシステムである。

これが車両前方の風景と写真を、207万画素のフルHDセンサー+画角120度のレンズを通して静止画・動画(20〜60秒)として記録し、記録データを手持ちのスマートフォンを使ってソーシャル・メディアなどへ投稿できる。

もちろん同機能は、事故などで衝撃を感知した場合には、システムは自動的に記録モードとなり、衝撃の前30秒、後60秒の動画を記録。

さらにコネクテッドカム™のGPSセンサーが捕捉する位置情報はアプリを使って取得できるため、車から離れた後も、車両位置を知ることができる。

また今日外せない安全装備としては、バックカメラ、車線逸脱警告の他、60km/h以下で歩行者も検知して自動的にブレーキを作動させ、危険回避・軽減する「アクティブセーフティブレーキ」、斜め後方の後続車両を超音波センサーが感知してドアミラー内に警告灯を点灯させる「ブラインドスポットモニター」等の運転支援機能も搭載される。

最後に、販売価格別のグレードだが、これにはスタンダードモデルにあたる「フィール(2,160,000円)」と、その上位にあたる「シャイン(2,390,000円)」のレギュラーグレード2タイプがある。先のコネクテッドカムは、レギュラーモデルに関してはシャインに搭載される。

加えてこれ以外に、先行発売モデルとして搭載装備を踏まえると買い得感のある200台限定の「シャイン DEBUT EDITION」が用意される。上記レギュラーモデル2タイプの実売開始は、シャイン DEBUT EDITION発売の後、本格化されていく予定だ。