マン島TTシニア・TTレースクラス、スズキ新型「GSX-R1000」が13年振りの美酒に酔う


5月27日から6月9日にかけてイギリスの王室属領・マン島にて開催されていた二輪車レース「マン島TT」のシニアTTレースクラスで、スズキの新型「GSX-R1000」が同クラス13年振りの優勝を果たした。

これはスズキ株式会社(本社:静岡県浜松市、代表取締役社長:鈴木俊宏、以下、スズキ)のイギリス子会社、スズキGB社が二輪車レースチーム「ベネッツ・スズキ」を支援し、同チームのマイケル・ダンロップ選手が優勝を果たしたもの。

ちなみにマン島TTは、1907年から行われている歴史ある二輪車の公道レースである。

かつては世界選手権にも組み込まれていた伝説のレースイベントであったが、昨今は厳しいレースレギュレーションの中、1周37 3/4マイル(60.7km)、海抜0ftから1,300ft(396m)を超える高低差を克復し、200以上のカーブがある一般道路で実施される公道レースであることから世界選手権の格式から外れ、マン島議会が制定した公道閉鎖令に基づき、今日も脈々とその伝統が受け継がれている。

かつてはスズキに乗って日本人初の優勝を飾った伊藤光夫選手を筆頭に、日本人選手も多数出走した時代もあったが、2006年まで出走した前田純選手、2013年まで松下ヨシナリ選手が挑戦して以降、直近では山中正之選手がシニアマンクスGPレースで活動している。

なお今年は、排気量や車両タイプ別に9つのレースが開催され、このうちスズキが優勝したシニアTTレースクラスは、1911年より開催されている最も名誉のあるレースである。

最終日の6月9日に開催された同レースで、今年、全面改良した新型「GSX-R1000」で参戦したダンロップ選手は、スタート後1周目からトップに立ち、2位以降を徐々に引き離して独走状態に入り、2位に13秒以上の差をつけてチェッカーフラッグを受けた。

スズキは、マン島TTに於いて1962年に独・エルンスト・デグナー選手がRM62に乗って50ccTTレースクラスで初優勝して以来、数々の勝利を獲得してきた。

「GSX-R1000」での優勝は2008年に2つのレースクラスで優勝して以来、9年ぶりとなる。

また、シニアTTレースクラスでは2004年以来、13年ぶりの優勝となり、新型「GSX-R1000」の性能の高さを証明する結果となった。

レース結果
順位_ライダー_タイム
1位_マイケル・ダンロップ(スズキ)_1時間9分24.711秒
2位_ピーター・ヒックマン(BMW)_1時間9分38.031秒
3位_ディーン・ハリソン(カワサキ)_1時間9分48.216秒