本田技研工業株式会社(本社:東京都港区、社長:八郷隆弘、以下、ホンダ)は、「第44回東京モーターショー2015」において初披露した新型燃料電池自動車(以下、FCV)「CLARITY FUEL CELL(クラリティ フューエル セル)」を、来る2016年3月から日本国内に於いてリース販売を開始する。
日本における販売開始初年度については、まずは従来からFCV普及促進に協力を得ている自治体や、企業向けにリース販売を行い、外部給電器も含めた市場における製品の使用状態や、意見、要望を収集した後、個人ユーザーへの販売も実施していく。
車両の生産自体は、生産企画統括部/パワートレイン生産企画統括部がある栃木県塩谷郡高根沢町で、当面は少量生産から開始し、その後、生産規模の拡大に乗じて、リース販売と通常販売を組み合わせて実施していくと云う。
なおCLARITY FUEL CELLの日本国内に於ける車両価格は、766万円(消費税込み)。
この際、一般家庭のおよそ7日分の電力を供給することができるPower Exporter 9000も、CLARITY FUEL CELLと同時発売していく予定。そして、このCLARITY FUEL CELLは、日本での発売後に米国や欧州へも展開していく計画だ。
ホンダによるとCLARITY FUEL CELLは、ガソリン車と同等の使い勝手と、FCVならではの魅力を高次元で融合したクルマで、将来にわたってFCVのベンチマークとなりえる高い価値をもったセダンだと云う。
ホンダの独自技術を背景に開発・搭載した燃料電池スタックは、従来型より33%の小型化を図りながらも、出力は100kW以上、出力密度は3.1kW/Lと、従来比で約60%の向上を実現。
これまで大きなスペースを必要としていた燃料電池パワートレインを、V6エンジンと同等サイズまでコンパクト化することで、世界で初めて一般的なセダンのボンネット内に収めることが出来ている。これにより、大人5人が快適に座れる、ゆとりあるフルキャビンパッケージを実現した。
また、70MPaの高圧水素貯蔵タンクを搭載し、パワートレインの高効率化や走行エネルギーの低減により、FCVトップクラスの一充填走行距離(参考値)700km以上を達成。一回当たりの水素充填時間は3分程度と、ガソリン車と変わらない使い勝手を実現した。
さらに最高出力130kWの高出力モーターにより、電動車ならではの爽快なドライブフィールと高い静粛性を両立。
加えて、外部給電器「Power Exporter 9000」を組み合わせることで、「走る電源」として災害時などにクルマが作る電力をコミュニティに提供することができるとしている。
ホンダは、地球温暖化や化石燃料の枯渇といった課題への解決策として、いち早く水素に着目。水しか出さないFCVを究極の環境車と位置づけ、1980年代後半から積極的に研究開発を行ってきた。
2002年にHondaが開発した「FCX」は、米国環境保護庁およびカリフォルニア州大気資源局認定をFCVとして世界で初めて取得し、日本と米国でリース販売を開始。
2008年には他社に先駆けて、革新的なセダンタイプのパッケージや異次元のドライブフィールを備えたFCXクラリティのリース販売も開始したが、今回のCLARITY FUEL CELLは、それらにより得られたFCVの使い勝手や走行性能などの各データをもとに開発されている。
■主要諸元
乗車定員:5名
一充填走行距離(参考値):700km以上(JC08モード走行時、Honda測定値)
充填時間:3分程度
燃料電池最高出力:100kW以上
燃料電池スタック出力密度:3.1kW/L
モーター最高出力:130kW
水素最高充填圧力:70MPa
エネルギーストレージ リチウムイオンバッテリー
寸法(全長×全幅×全高) :4,895mm×1,875mm×1,475mm
価格(参考):7,660,000円(消費税込み)
ボディカラー(全3色)
– プレミアムブリリアントガーネット・メタリック(ルーフカラーはブラック、インテリアカラー:プラチナムグレー)
– ホワイトオーキッド・パール(ルーフカラーはブラック、インテリアカラー:プラチナムグレー)
– クリスタルブラック・パール(インテリアカラー:ブラック)