スズキの新型軽自動車「スペーシア」にオプション装備として採用される
株式会社デンソー（本社：愛知県刈谷市、社長：有馬 浩二）は、運転に必要な情報をフロントガラス越しに表示し、ドライバーに伝えるヘッドアップディスプレイ(以下、HUD)を軽自動車向けに初めて開発した。
今回、軽自動車用として開発した同新装備は、ホンダのN-BOXの追撃を狙って2017年12月14日に発売されたスズキ株式会社（本社：静岡県浜松市、代表取締役社長：鈴木俊宏、以下、スズキ）の新型「スペーシア」のオプション装備として採用されている。
これまでHUDは、搭載性やコストが課題となっいてたことから、実搭載に至っては、高級車を中心とした一部の車種に限られていた。
しかし今回、デンソーが開発したHUDは、軽自動車のコンパクトな乗員スペースのなか、照射角度や範囲で普通乗用車とは限られる寸法やコスト要求をクリアしつつ、同車カテゴリーのフロントガラスに合わせた最適設計を追求。部品点数の削減等も積極的に行い、限られたインパネスペースへの初搭載を可能した。
また同社では、衝突警報などの先進安全装備の作動状況、交差点案内や見落としがちな進入禁止の標識など、運転に必要な情報を「見やすく・わかりやすく・タイムリー」にカラーで表示することにも拘り、この視線移動や、焦点の調節を減らすことが安全運転に貢献するとしている。
本質的にHUDは、フロントガラスに必要不可欠な情報のみを的確に映し出すため、運転中にメーターやナビを見るための視線移動がほとんどなくなることから運転時の疲労が大幅に削減される。
これにより自動車交通環境の安全確保に大きく貢献できる技術としても期待されており、今後、さらなる普及が見込まれている。
しかも今回は、日本国内に於いて消費者が保有する自動車の半数近くを締める軽自動車専用の装備であること。さらにカラーHUDを高級車ではなく、軽自動車市場に於いての普及を目指すということなどから、デンソーとスズキの今回の積極的な取り組みは、高く評価しても良いだろう。
そもそもデンソーは1991年以来、HUDを生産しており、今後も同社ではHUDをはじめとする安全分野の各製品の開発・供給を通じ、交通事故のない社会の実現を目指していくと結んでいる。