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ホンダ、米国でLGとEV蓄電池を合弁生産へ

記事トップの写真は、左からLGエナジーソリューション CEOのクウォン・ヨンス(Kwon Youngsoo)氏と、ホンダ 代表執行役社長の三部敏宏氏

LGエナジーソリューションとEV用バッテリー生産合弁会社設立で合意

LGエナジーソリューション(LGES)と本田技研工業(ホンダ)は8月29日、北米に於いて現地生産・現地販売されるホンダ・アキュラ両ブランド車のEV用リチウムイオンバッテリーを米国内で生産するべく、双方による合弁会社設立で合意した。(坂上 賢治)

この新たな合弁会社は、関連当局の承認を経て2022年中に設立される予定。更に同合意に基づき、LGESとホンダは、総額約44億米ドルを投資し、米国に生産工場を建設する流れだ。

より具体的には、建設地の確定を経て2023年初頭に拠点工場の建設に着工。2025年中の量産開始を視野に据えている。

なお同バッテリー工場で生産されるリチウムイオンバッテリーは、全量が北米のホンダ工場へ供給され、その生産能力は最大約40GWh(ギガワット時)となる見込み。

拠点は主力の四輪工場のあるオハイオ州へのアクセスを考慮しながら選定を進める

両社は今日、急速に成長している北米内の電動化市場を鑑み、バッテリーをタイムリーかつ安定的に現地調達する事自体が最重要との共通認識に基づき、今合意に至った。

工場建設地の選定は、まだ確定していないとしているものの、ホンダの現行・主力四輪工場であるオハイオ州へのアクセスを考慮しながら進めるものとみられる。

本田技研工業の三部敏宏取締役・代表執行役社長は、「ホンダは、2050年迄に当社が関わる全ての製品と企業活動を通じて、カーボンニュートラルを実現するとした目標に向けて取り組んでいます。

〝需要のあるところで製品を生産する〟という当社伝統のポリシーは、EVの重要なコンポーネントの調達に於いても共通しており、これを踏まえてホンダは、世界の各地域でバッテリーの現地調達や生産を進めています。

世界有数のバッテリーサプライヤーであるLGESとの米国に於ける合弁事業に係る合意は、こうしたホンダの取り組みを示すものです」とコメントした。

写真は、LGエナジーソリューションとホンダの調印式に出席したメンバーの集合写真

ホンダは2027年以降、コストを抑えた量販価格帯の新EVを展開する予定

対して合弁先のLGエナジーソリューションのクウォン・ヨンス(Kwon Youngsoo)CEOは、「LGESでは、大切なお客様の信頼と尊敬を獲得するという最終的な目標に向けて、主導的なバッテリーイノベーターとしての地位を確立する事を目指しています。

新たな合弁会社は、高いブランド評価を持つホンダの電動化推進に協力し、お客様に持続可能なエネルギーソリューションを提供する事で、我々の中長期戦略の新たなマイルストーンとして、急速に成長する北米の電動化市場に寄与していく事になります」と述べた。

ちなみにホンダは北米のEV生産に関して、まずはGMが開発したリチウムイオン電池「アルティウムバッテリー」と同社のプラットフォームを採用したモデルを2024年に2車種発売する。

更に2027年以降は、コストを抑えた量販価格帯の新EVを展開する予定。そのためにはグローバル環境下で設備の共通化を含めたコスト低減策を推し進める必要がある。

従ってホンダとしては、北米に於いてはGMからのみバッテリー供給を受けるだけでなく、GM以外の企業との合弁会社設立が必要であると判断し、予てより同方策の検討も重ねていた。

2025年以降は、米国防省が指定した原材料の使用が禁止される

ホンダは、2035年迄に日・米・中の3市場で、四輪車販売に占めるゼロエミッション車の比率を80%へ引き上げる計画であり、これに向けて米国当地でバッテリーを含む車両生産の内製化率を高める必要に迫られている。

加えてホンダが2030年迄に年間200万台以上のEVを生産するのであれば、国際環境下で160GWhもの膨大なバッテリーを用意しなければならない。

そうしたなかでホンダが今回、米国内でのバッテリー製造拠点増強させる理由は、目下、米国でBEVとPHEV対象に、バッテリー容量に応じた税額控除が実施されている点にある。

この同税額控除の対象バッテリーは、北米あるいは米国と自由貿易協定を結んでいる国で調達された重要鉱物(リチウム等)が40%(2023年のコストベース)以上含まれている事が求められるだけでなく、同重要鉱物の内包比率は毎年10ポイントずつ増加し、来たる2027年には80%になる見込み。

この結果、同税額控除の対象となるのは段階的に北米で組み立てられた車両のみとなっていく流れだ。

併せて今後、米国務省が〝懸念国〟として指定した特定国からの重要鉱物は、2025年以降、次第に使用自体が禁止されていく流れにある。

つまり今後は、米国製のバッテリーを積んだ米国製EVだけに税額控除が適用されるようになっていく可能性が高い。これが今回のホンダによる投資行動に繫がっている。

CJPT、不祥事の大きさを踏まえ日野自動車を除名に

CJPT(コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ)は8月24日、日野自動車の認証試験不正を踏まえ、CJPTからの日野の除名を決めた。(坂上 賢治)

CJPTは2021年4月に立ち上がった後、トヨタ・いすゞ・日野・スズキ・ダイハツの5社連合により、商用車産業全体を捉え「ドライバーや作業者の皆様の負担を軽減」を出発点に「自動運転などの先進技術の共同開発」「カーボンニュートラル実現」「CASE技術の普及」への取り組みを進めてきた。

しかし今回、日野が起こした不正行為は、CJPTが共有する想いや目指す道とは相入れないものであり、このまま日野を含めて活動を進める事は、顧客やステークホルダー並びに社会からの理解を得る事が出来ないのではないかと言うトヨタ自動車の豊田章男社長からも投げかけがあり、結果、CJPT内での議論を経て日野を除名する結論に至った。

具体的には、共同企画契約等全ての契約から日野を除外すると共に、日野がCJPTへ出資している株式(10%)をトヨタに譲渡する。

但し先に公表済の福島・東京での社会実装など、現在CJPTが先行して取り組むプロジェクトについていは、顧客やステークホルダーに迷惑を掛ける事が無い様、日野も必要最小限の役割を果たしていくとしている。

今経緯についてトヨタの豊田章男社長は「今回日野が起こした認証試験不正は、お客様を始め全てのステークホルダーの信頼を大きく損なうものであり、日野の親会社としても、株主としても、極めて残念に思います。

長期間に亘り、エンジン認証における不正を続けてきた日野は、550万人の仲間として認めて頂けない状況にあります。

CJPTは、日本のCASE技術をベースに、皆で未来を作るプロジェクトです。現状では日野がいることで皆様にご迷惑をお掛けしてしまう考え、CJPTから日野を除名することが適当であると判断し、関係各社とも協議のうえ、今回の結論に至りました。

パートナーの皆様とは引き続き、輸送業が抱える課題の解決や、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する事を目指して、プロジェクトを進めてまいります」と話している。

一方の日野では、「Commercial Japan Partnership Technologies 株式会社に於いて、認証不正問題を踏まえ当社を除名するという意思決定がなされ、本日公表されました。当社として、今回の決定を大変重く受け止めています。

当社はこれまで、社会課題の解決への貢献を掲げ、様々な取り組みを進めて参りました。しかし、エンジン認証に於いて長期に亘る広範な不正を行ったという事実に鑑みると、そのスタート地点にさえ立てていなかったと言わざるを得ません。

まずは、起こした不正の深刻さおよびその真因を正面から受け止め深く反省し、正すべきを正して参ります。そして、人流や物流を支えるという商用車メーカーの原点に立ち返り、社会から再び必要として頂ける企業として生まれ変わるための変革に、強い覚悟を持って取り組んで参ります」と結んでいる。

ステランティス、マッスルカーらしさ満載のBEVを初公開

ステランティスの傘下ブランド「ダッジ( Dodge/1914年創設のダッジ・ブラザーズ由来 )」は米国東部時間の8月17日、ミシガン州ポンティアックで行われたファン向けイベント〝ダッジ・スピードウィーク〟の3日目に4座席( 後席を折りたたむ事でラゲッジルームを確保する )クーペスタイルの電動マッスルカー「ダッジ ・チャージャー・デイトナSRTコンセプト( Dodge Charger Daytona SRT Concept )」を初披露した。(坂上 賢治)

退屈過ぎる既存の電気自動車像を破壊する独創的個性

ダッジ は、今から56年前の1966年に〝初代チャージャー〟を誕生させて以降、永きに亘って米国内に於いて、随一のマッスルカーブランドとして孤高の地位を築いてきた。

そんな同ブランドで、初のBEV( 二次電池式電気自動車 )が〝ダッジ ・チャージャー・デイトナSRTコンセプト〟と命名されたのは偶然ではない。この新型車には、1970年のストックカーレース「NASCAR」で、時速200マイルを突破を記した同名モデルに匹敵する破壊的実力を詰め込んだとダッジでも謳っている。

この新たなダッジ製BEVは、既存の〝スマートだが退屈過ぎる〟電気自動車像を破壊して、誰もが見た事も、乗った事も無い、全く新しいBEVの姿を提案する。

そんな同車に搭載された電動パワーユニットは、新開発の4WD・800Vユニット( 最大 350kW の急速充電をサポート )であり、かつてのSRTヘルキャットエンジン( V型8気筒OHVスーパーチャージャー )を大きく凌駕する動力性能を持つという。

マッスルカー独特のレトロ感とモダンな走りを両立

ちなみに一般的なBEVは大抵、無音で走るものだが同車はそれらとは全く異なる。その様子はダッジらしい走り、ダッジらしい迫力で、退屈ではない未来のBEVを示唆させるものとなっている。

そんなダッジ ・チャージャー・デイトナSRTコンセプトのエキゾースト音はなんと126dBに到達。内燃エンジンのヘルキャットに勝るとも劣らない押し出し感を運転するドライバーのみならず、周囲へも伝える。

実はこのサウンド、ダッジで新開発された〝フラッツォニック・チャンバード・エキゾースト( Fratzonic Chambered Exhaust )〟によって生成される合成音だ。その構造は、車両車後部に搭載したアンプとチューニング・チャンバーを介して独自のサウンドを造り出す〝EV界初のシステム〟だとしている。

またワイドで盛り上がったリアフェンダー、ノッチバックのルーフラインなど、マッスルカーの遺産をシッカリ受け継ぐエクステリアは、イルミネーション付きのフロントグリのルレトロ感と相まって絶妙にダッジらしさを醸し出す。

未来のマッスルカーが〝どんなもの〟なのか

一方で、格納式ドアハンドルなどエアロダイナミズム理論に裏打ちされた現代車らしい空力特性も備える。同じく時代に相応しく搭載される灯火類はフルLEDであり、足元には21インチのセンターロックホイール( フロントタイヤ305mm、リアタイヤ325mm )に対抗6ピストン・ブレーキが奢られる。

対してインテリアデザインは、湾曲した16インチのインストルメントクラスターと、ほぼ10度の角度を持つ12.3インチのセンタースクリーンがドライバーを取り囲む様に配置され、ドライバー中心の没入感を提供する。また8.3インチのヘッドアップ ディスプレイ( HUD )にはドライバーが必要とする車両情報を刻々と表示する。

ステアリングホイールは上下がフラット形状の新デザイン。ステアリングホイールのプッシュ・トゥ・パス・ボタンを押すだけでディスプレイ上の演出が変化。更に2速式の変速システムも備えており、一時的に出力を高める〝パワーショット〟機能を駆使する事によって、ドライバーに未来のマッスルカーらしさとは〝どんなもの〟かを教えてくれる。

アキュラ、プレシジョンEVコンセプトを米モントレーで披露

本田技研工業傘下の米国現地法人アメリカン・ホンダモーター(本社:カリフォルニア州トーランス、社長:貝原 典也、アキュラ<Acura>ブランド)は、米国カリフォルニア州ぺブルビーチ開かれるペブルビーチ・コンクール・デレガンス(開催8月21日)の会場で、プレミアム電動車のショーカー「プレシジョンEVコンセプト(Acura Precision EV Concept)」を公に世界初披露すると日本時間の8月19日に発表した。(坂上 賢治)

このモントレーカーウィーク(Monterey Car Week)は、毎年8月にカリフォルニア州モントレー郡のモントレー半島で行われる全米注目の自動車イベントのひとつ。全米からの来訪のみならず、世界から自動車愛好家とモータースポーツファンが集結する。

2022年の開催スケジュール進行では、キックオフが8月12日の金曜日。以降、プレレユニオンを経て、8月21日・日曜日のペブルビーチコンクールデレガンス、同レトロオート迄10日間に亘るカーウィークイベントが続く。

同イベントに於いてアキュラは、イタリア製のラグジュアリーパワーボートからインスピレーションを得て、電動車としてのパフォーマンス能力に重点を置いた車両を提案するのだと言う。

アキュラでエグゼクティブ・デザイン・ディレクターを務めるデイブ・マレック氏は同車について「アキュラプレシジョンEVコンセプトは、これまでのデザイン言語を更に進化させた造形であり、電動化時代の未来を指し示す不動の北極星のようなものです。

その表現方法は例えば、イタリア製パワーボートの造形にインスパイアされた〝流麗で特徴的なフォルム〟、EVらしく開口部がないノーズ部に〝LEDで光る新しいダイヤモンド・ペンタゴン・グリル〟、鋭角でシャープな形状のデイタイムランニングライトや〝パーティクル・グリッチ〟独特の抽象的なパターンを前後の造形やホイールにも配しています。

またカリフォルニアの強い日差しに合わせて最適化されたマット塗装の〝ダブル・エイペックス・ブルー〟という名称の鮮やかな特別塗装を纏っています」と語った。

ちなみにインテリアでは、フォーミュラ1レースカーのコックピットに着想を得た低めのドライビング ポジションと2グリップヨークスタイルのステアリングホイール、赤いアンビエント ライトとパイプライトなど、ドライバーの感覚を刺激する没入型体験コンセプトが盛り込まれた。

一方、スピリチュアルラウンジモードに切り替えると、ステアリングホイールが格納されて心地良い香りと安らかな「水中アニメーションプロジェクション」で温かく落ち着いたイメージに変わりドライバーはリラックスした室内空間が愉しめると言う。

なおプレシジョンEVコンセプトを初披露した日、2024年中に北米で発売を予定しているブランド初のEV量販モデルの名称が「Acura ZDX(ズィーディーエックス)」となる事も発表された。

このAcura ZDXは、今回披露したプレシジョンEVコンセプトのデザインを具現化する最初のモデルとなるだけでなく、GM(ゼネラルモーターズ)のアルティウムバッテリーを搭載したGMとの共同開発モデルとなり、TypeS(タイプエス)も設定されると言う。

東海クラリオン、安価な後付け自動運転システムの提供へ

既存のマイクロEVなどを自動運転化させ、地方創生や観光活性化に貢献したい意向

先の大戦前にあたる1948年(昭和23年)にユニオン電気商会として創業。現在カーナビゲーションシステムなどを販売している専門商社の東海クラリオン株式会社(愛知県名古屋市中区正木、代表取締役:安部 源太郎)は7月7日、国内外の地域事情に沿って様々な車両を選べる〝後のせ自動運転システム〝YADOCAR-iドライブ(ヤドカリ・ドライブ)〟(限定地域で自動運転レベル4を実現する)〟の開発と、同システム提供の意向を明らかにした。(坂上 賢治)

そもそも同社は、通信機能を備えたドライブレコーダーなどを組み合わせたADAS(運転支援)システムを構築して名古屋市交通局を始めとする運輸事業者に納入するなど、自動運転レベル3(システム側からの要請があった場合、即時、手動運転に応えなければならない)までの後付けシステムを開発・販売して来た実績を持っている。

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自工会、モビリティの世界から新たな地平へ踏み出す

日本自動車工業会は5月19日、副会長人事、雇用安定に基づく成長と分配、税制、カーボンニュートラルやCASEへの取り組み、生まれ変わる東京モーターショーなど、盛り沢山のテーマを掲げたオンライン記者会見を実施した。(坂上 賢治)

当日の出席者は、トヨタ自動車社長の豊田章男会長を筆頭に、本田技研工業社長の三部敏宏副会長、ヤマハ発動機社長の日髙祥博副会長、いすゞ自動車社長の片山正則副会長。

自工会常勤専務理事の永塚誠一副会長に加えて、この日より正式に新副会長に就任した日産自動車社長の内田誠氏、スズキ社長の鈴木俊宏氏を含む7名がオンライン上に並んだ。

まず冒頭で豊田会長は、この日より新たな自工会の役員体制が正式スタートした事を宣言。これに続き、更なるスピード感と現場感を以て自工会を革新させていく動きを推し進めるため、正副会長各社を支える若手のサポートチームを始動させた。

より具体的に豊田会長は、現地・現物・現実をキーワードに個社の枠を超えた自工会としての取り組みを加速化させると語った。

この新体制に関して、乗用分野を新たに担う事になる内田副会長から、個社の対応では克服が難しい課題が増えている中、自工会としての取り組みは重要だと考えている。

また軽自動車分野を新たに担う鈴木副会長は、日本国内に於いて軽自動車に求められている事、果たして行くべき役割に真摯に貢献していきたいと語った。

各推進テーマは先の冒頭の通りで、第一の雇用と安定では〝前期での取り組みを発展させるべく、雇用安定に基づく成長と分配の浸透〟を目指す。

それには、労組組織を持つ大手企業中心の活動では不足であるため、成長と分配の流れを中小事業に於いても推進できる流れを作る事。第二に、抜本的な税制改正が実現されていない中、今年もより一層、精力的に取り組むとした。

第三に、当初は豊田会長自身に取っても〝暗中模索〟だったカーボンニュートラルの取り組みについては、耐久レース活動などを昨年来の挑戦から明確になってきた二酸化炭素を照準に据えた削減活動を今年も続けて行く事を説明した。

これに補足して乗用車分野を担う三部副会長はG7開催を目前に、二酸化炭素そのものを正しく計測する見える化や削減の方策など、日本の自工会として世界をリード出来る国際的なガイドラインづくりや技術の幅広い選択肢の提案などに取り組む最中にあるとの状況を報告した。

同じく同テーマで大型商用車分野を担う片山副会長からは、この1年間の取り組みを介して山岳部の資源の切り出しから街中に至るまで、様々な環境で使われる商用車は、やはり技術の選択肢を狭めない事がいかに重要であるかを再認識した。今は様々な技術の可能性を模索している最中だと話す。

また二輪車分野を担う立場から日髙副会長が、中・小型車を対象に着脱式バッテリーの国際規格を世界へ働き掛けている事や、大型車を視野に水素・バイオ燃料エンジンの研究開発に取り組んでいる事などを語った。

続く第四の自動車産業に於ける自動運転やデジタル化等で豊田会長は、同取り組みを推進させるべくCASEへ向かう手綱を緩めない事。第五に、次世代の自動車社会に寄り添ったファンづくりを掲げた。

なかでも特に炭素中立の実現に関しては、エネルギーをつくる・運ぶ・使うに至る全ての工程を徹底に洗い出す事で初めて達成できるものである事が判った。

しかしその山を乗り越えるルートは決して1本ではなく、国内に多様な技術的背景を持つ数多くの自動車メーカーが存在する日本に於いては規制によって、その自由な翼を縛るなど選択肢の幅を決して狭めるべきではないと説明した。

更に自工会が新たなファン獲得を目指す中で、来年2023年開催予定としている〝東京モーターショー〟について、前回の同ショーで他業界からの参画を呼び掛けた事により述べ数で130万人を超える集客が実現できた。

これを踏まえて来年の東京モーターショーでは、前回の取り組みから更に歩みを推し進めて、モビリティーの枠を超えた全く新しいイベントタイトルとして「JAPAN オールインダストリー ショー」へと変化させていく事を発表した。

この呼称を刷新したイベントには、国内の基幹産業として過去より引き継いできた自動車ショーの枠を超える全く新しいイベントの姿を目指す。そのためにも未来を目指すスタートアップ企業なども積極的に巻き込んでいきたいと述べた。

ちなみに昨今は世界各国に於いて、例えば欧州・独国ではモビリティへのステレオタイプなイメージを、より広域な見方で捉えた新IAAが開催されたり、欧州から大西洋を隔てた米国では近年、春開催の各地の自動車ショーを押しのけ、ラスベガスで行われる家電見本市からスタートしたCESが注目を集めている。

そうした意味では、潔く〝モビリティ〟の表現自体をも捨て去った「JAPAN オールインダストリー ショー」の新タイトルは、自工会が決断した不退転の意志が示されているとも言うそうだ。

メガウェブ、BEV戦略発表車群を12月20日まで展示中

トヨタの「MEGA WEB」22年の足跡を残して閉館

トヨタ自動車が東京・お台場に体験型テーマパーク「MEGA WEB」(メガウェブ)を開設して22年、その使命を終え、この12月末に幕を閉じる。併せて森ビルを中心に事業展開してきた複合施設パレットタウンの中核を担う施設だった商業施設(ヴィーナスフォート)や、ライブハウス(Zepp Tokyo)、大観覧車などの営業も順次終える。

施設の跡地には、トヨタグループ会社の東和不動産が手掛ける大型複合アリーナ(2025年6月竣工予定)が建設される。また御殿場には、来秋開業予定で富士モータースポーツミュージアム(富士スピードウェイホテル併設)が始動するなど、メガウェブが紡いできた夢は形を変え、これらの施設に引き継がれていく。(佃モビリティ総研・間宮 潔)

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F1GP、フェルスタッペンが運を引き寄せ2021年の王座獲得

2021年のFIAフォーミュラ・ワン世界選手権、第22戦アプダビGP(開催地:アラブ首長国連邦・ヤス島、開催期間:12月10~12日)の決勝レースが12月12日(日曜日)に1周5.281kmのヤス・マリーナ・サーキットを58周する形で行われた。(坂上 賢治)

決勝スタートでは、メルセデスのルイス・ハミルトンが先頭に躍り出て以降、終始優位なレース運びを繰り広げた。しかし最終周の58周目にレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンがトップを奪い、ホンダエンジン車に1991年のアイルトン・セナ以来30年振りのワールドチャンピオン(ドライバーズチャンピオン)をもたらした。

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トヨタ、WEC2021の開幕初戦で総合優勝を獲得

ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで5月1日、2021FIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦・スパ・フランコルシャン6時間の決勝レースが行われ、トヨタ自動車傘下のTOYOTA GAZOO Racingから出走した「GR010 HYBRID」8号車が初勝利を挙げた。7号車も3位で6時間を走り抜き、2台揃って表彰台のポディウムに登った。

今季WECでハイパーカークラスへの参戦を決めたトヨタ。しかし開幕当初のフリープラクティスでは、技術的なトラブルに見舞われるなどで芳しいラップタイムを刻む事が出来ずに終えた。

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トヨタ、世界耐久(WEC)開幕戦に新世代車両で臨む

「ハイパーカー」新世代に向け、最新鋭GR010 HYBRIDで開幕戦へ

トヨタ自動車傘下のガズーレーシング(TOYOTA GAZOO Racing)は、来る5月1日(土)にベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで行われるスパ6時間レースで、今季の新レギュレーションに沿った最新鋭マシンで挑戦する。(坂上 賢治)

ちなみにこのスパ6時間レースは、2021年シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)の開幕戦であると同時に、今年のル・マン24時間レースへと繫がる新耐久レースシリーズのこけら落としとなるもの。

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自工会の豊田会長、東京モーターショー2021の開催中止を発表

自工会(日本自動車工業会)は4月22日の11時15分より、オンライン記者会見を開催。登壇した豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は、来たる2021年の東京モーターショーの開催中止を宣言した。(坂上 賢治) 続きを読む 自工会の豊田会長、東京モーターショー2021の開催中止を発表

仏ルノー、独ダイムラーの全株式を売却へ

仏・ルノーSAは3月11日(仏現地時間)、先の2月に発表した2020年12月期連結決算で、最終損益が80億800万ユーロの大幅赤字を記録。

これを受けて来たる2025年までに年産能力を2019年比から23%減の310万台、固定費を2019年比で30億ユーロへ削減させる構えであったが、これに起因し、自社保有の独・ダイムラーAG全株式(16,448,378株/ダイムラーの株式資本に於ける1.54%相当)を売却する意向であると発表した。

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テムザック、京都太秦で「乗れるロボットRODEM」の体験実証

株式会社テムザック(本社:福岡県宗像市、代表取締役社長:川久保勇次、以下「テムザック」)は3月8日、予てより開発していた”乗れるロボット”RODEM(ロデム) のシティモビリティ化に向けたプロジェクトを始動させ、3月に東映太秦映画村にて5G遠隔操作の体験イベントを行うと発表した。

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ハイセンスホームアプライアンス、日本サンデンの筆頭株主に

中国のハイセンスホームアプライアンスは3月1日、サンデンホールディングス株式会社の第三者割当増資により8,362万7,000株を1株256円で購入し、総購入価格は約214億円(13.02億人民元)であることを公表した。

結果、本件クロージング後に、ハイセンスホームアプライアンスはサンデンホールディングスの約75%議決権を持ち、サンデンホールディングスの筆頭株主になった。

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三菱ふそうのeキャンター、イケアのサステナブルな輸送で活用

三菱ふそうトラック・バス株式会社 (本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長・CEO ハートムット・シック、以下MFTBC)は3月8日、スウェーデン発祥のホームファニッシングカンパニー イケアの日本法人イケア・ジャパンの配送向けに2020年内に電気小型トラック「eCanter(eキャンター)」を合計3台納車の完了したと発表した。

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ヤマハモーターMIRAI、エッセンシャルな存続企業を目指す

「ヤマハ発動機グループの一員として〝グループの経営に貢献する会社〟として成長していくため、その第一歩を踏み出しました」と話すのはヤマハ発動機の特例子会社であるヤマハモーターMIRAI株式会社 の高橋愛社長である。

同社では現在、32人の知的障がい者と3人の精神障がい者が、社員として部品梱包や清掃、事務などの仕事をしながら自立を目指している。

新たな事業領域として、総務系のシェアードサービスを開始
新たな事業領域として、総務系のシェアードサービスを開始

会社を持続させるためには、欠かせない存在になることが不可欠 続きを読む ヤマハモーターMIRAI、エッセンシャルな存続企業を目指す

マセラティ、史上初の女性F1ドライバー〝マリア〟を讃える

「私は勇敢というか無謀というか、無鉄砲だったのかもしれない。なんと言われたっていいの、私はただ全速力で走るのが好きだっただけ(マリア・テレーザ・デ・フィリッピス/1926-2016)」

マリア・テレーザ・デ・フィリッピスは、史上初の女性F1ドライバーとして、マセラティ250Fのステアリングを握ってグランプリに出場を果たした女性だ。

彼女の人生は、情熱と大胆さそのものであり、マセラティは3月8日の国際女性デーを祝して彼女を讃えている。

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トヨタの勝田貴元、WRCフィンランドで総合6位を獲得

2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦アークティック・ラリー・フィンランドの最終日デイ3が2月28日、フィンランド北部ロヴァニエミの南側エリアで行なわれた。

69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)
69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)

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サイベラム、自動車のサイバーリスク対応で日本国内に新拠点

サイベラム (Cybellum、本社:イスラエル・テルアビブ)は3月2日、日本国内の独自拠点を来たる3月4日に開設すると発表した。同社によると、日本のコネクテッドカーの市場規模は、2025年に2兆円近くに達し、2020年から2027年の間に15%近く成長するという。

コネクテッドカーへのサイバー攻撃は、昨年1年間で99%増に 続きを読む サイベラム、自動車のサイバーリスク対応で日本国内に新拠点

日産、e-POWERの発電専用エンジン開発で熱効率50%が視野に

日産自動車は2月26日、オンラインで報道陣を募り、次世代の「e-POWER」向け発電専用エンジンで、世界最高レベルの熱効率50%を実現するための技術的背景を説明した。現在、国内外の自動車メーカーを問わずガソリンエンジンの平均的な最高熱効率は30%台であり、いずれ開発が進んだとしても40%台前半が限界とされていた。そうしたなか同社が示した熱効率50%は、世界のエンジン開発の歴史上に於いても極めて革新的な値である。(坂上 賢治)

発電専用エンジンだからできるアプローチ 続きを読む 日産、e-POWERの発電専用エンジン開発で熱効率50%が視野に