中国現地時間の7月19日金曜日、BMWチャイナオートモーティブ・トレーディングリミテッドとテンセントは、北京で新たな自動運転車プラットフォーム「D3」の開発協業で合意した。BMWグループは同プラットフォームを通信の基盤に個々地域ユーザーのニーズを満たす自動運転技術と新型車に関わる開発を行う。(坂上 賢治)
同発表の席上で、BMWの自動運転技術部門を率いるアレハンドロ・ヴコチッチ(Alejandro Vukotich)上級副社長は「同発表は自動運転技術の躍進に向けて重要な節目となるものです。
我々にとって安全性の追求は最重要テーマであり、そのためにはシミュレーションやテスト、検証のためのビッグデータ処理は避けて通れません。このためのデータセンター網構築の取り組みはBMWの未来を刻む新たなステップとなるでしょう」と語った。
またBMWグループ・リージョン・チャイナのヨハン・ゴーラー(Jochen Goller)社長兼CEOは「BMWグループとテンセントによる同開発プロジェクトは自動運転技術の世界で新たなベンチマークを印すことになるでしょう」と話している。
一方、テンセントのテンセントクラウドスマート部門を率いるドーソン・トン(Dowson Tong)氏は 「クラウドコンピューティング、ビッグデータ、セキュリティ、AI分野での両社の協力関係はここ1年で大きく進みました。この協業を踏まえ、中国に於ける自動運転社会の進化に貢献できることに心躍らせています」とコメントした。
テンセントが自動運転技術でITアーキテクチャと同ツール、プラットフォーム環境を提供する新プラットフォーム環境は、中国当局のデータセンターに係るセキュリティ規制をクリアしつつ、当地の自動運転技術でレベル3からレベル4に到達するための基盤となる。少なくともレベル3以上を目指す自動運転技術には、道路の混雑状況だけでなく、走行車両間のリアルタイム分析にも欠かすことが出来ない。しかしそうした大規模なデータ処理環境が、今年末を目標に具体的な実証準備を整えられることになるという。