曙ブレーキ工業株式会社(本社:埼玉県羽生市、代表取締役社長:信元久隆)は6月14日、電動パーキングブレーキの研究開発で培った技術ノウハウをベースに既存他社量産品に対し高い2倍のクランプ力を発生する「中・小型トラック用電動パーキングブレーキ」を世界で初めて開発した。
既存の他社量産品は1つのモーター出力を1つのスピンドル機構を介し1つのピストンに伝達する構造になっていることに対し、今回の電動パーキングブレーキは、中・小型車の多くに適用されている2ピストンディスクブレーキをベースとしている。
この構造の強みを活かし、1つのモーター出力を2つのスピンドル機構を介し2つのピストンに伝達できる独自の構造としている。
具体的な発生出力で、既存の他社量産品に対し200%以上になった。また出力を得るために必要な電流値は14Aと乗用車用既存製品と同等になっており、車両1台当たり3kg以上の軽量化も可能になるとしている。
曙ブレーキでは、「自動車の電動化で搭載システムの電子制御化が進む中、ブレーキに対しても、消費電力の低減、車両の軽量化、安全性向上に繋がる製品開発が求められています。
今後は、確実な量産立上げに向け、2019年に生産体制を構築します。将来は、同パーキングブレーキを軸としたビジネスの拡大、および当社で継承されてきた技術と新たな差別化技術の融合による様々な電動ブレーキキャリパー開発への展開を進めていきます。
今後も、当社のコア技術である摩擦と振動、その制御と解析に関わる全ての分野において世界を牽引する存在となるべく、独自技術の構築に向け研究開発に取り組んでいきます」と話している。