トヨタ自動車(本社:愛知県豊田市、代表取締役社長:佐藤恒治)は、11月15日~16日に富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)で行われる「ENEOS スーパー耐久シリーズ 2025 Empowered by BRIDGESTONE 第7戦 S耐FINAL大感謝祭」で、2つの水素エンジン技術の進化に挑戦する。
*写真は、液体水素エンジンGRカローラ
今回のレースには液体水素を燃料として搭載した「#32 TGRR GR Corolla H2 concept(液体水素エンジンGRカローラ)」で出走する。
また、液体水素技術のさらなる進化に向けて継続的に超電導技術の開発に取り組んでおり、液体水素ポンプ用超電導モーター(超電導モーター)搭載車両の走行ができる段階まで進んでいる。
トヨタでは、将来のレース参戦を目指して、仲間と共に引き続き開発に取り組んでいくと話している。またカーボンニュートラルの実現に向けて、マルチパスウェイ戦略のもと世界中のお客様に選択肢をご提供していくために、引き続き歩みを進めていくという。
加えて富士スピードウェイでは、一般社団法人 日本自動車会議所が主催する日米自動車文化交流企画と連動し、イベント広場に米国で生産された車両を展示。米国向け車両の魅力を体感する機会を通じて、日米のクルマ文化の交流に貢献したいとも話す。
より具体的な車両開発の過程で液体水素エンジンGRカローラは、今年5月30日~6月1日の24時間耐久レースに於いて、新充填バルブの採用による安全性向上と軽量化、および水素エンジン燃焼切り替え技術の実証などで進化を遂げた。
そしてその最大の成果として、液体水素を昇圧してエンジンに送る「ポンプ」を交換することなく完走を果たし、耐久性の向上を確認することができた。
一方、依然としてエンジン出力増加に伴って「ポンプ」への負荷が増大したことで、最大出力での連続走行には耐久性の面で課題があった。
そこで更なるレベルアップのために、24時間耐久レース以降も「ポンプ」の昇圧性能と耐久性を確認するテスト走行を繰り返し、今回のレースでは最大出力での連続走行に挑戦する。
また、液体水素技術の可能性をさらに広げるために継続的に取り組んでいる超伝導技術の開発についても、超電導モーターを燃料タンク内に搭載した車両での走行ができる段階まで進んでいるという。
その開発過程では、高効率で小型の超電導モーターをタンク内に搭載してスペースを作り出すことで、1.3倍以上のタンク容量拡大が実現でき、航続距離の向上に繫がっている。
加えて、軽量・低重心化による走行性能向上や、入熱源であるフランジ(配管の継手のすき間を埋め、漏れを止める役目をするもの)がなくなることによるボイルオフ量の低減(タンクに貯蔵されている液体水素燃料が外部からの自然入熱などで気化してしまうこと)も期待できる段階にきている。
なお液体水素特有のマイナス253℃の温度環境は、特定の物質を極低温に冷やすと電気抵抗がゼロになるという超電導にとって適した温度帯でもある。
今後は、液体水素車両と超電導技術の親和性を最大限活かすことで、水素エンジン車の可能性を大きく広げていきたい考えだ。
最後に米国生産車両の展示についてだが、これは一般社団法人 日本自動車会議所が主催するNASCAR走行などの日米自動車文化交流イベントと連動。
米国で多くのユーザーに親しまれている3車種(セダンの「カムリ」、SUVの「ハイランダー」、ピックアップトラックの「タンドラ」)を、11/15(土)~16(日)の両日、イベント広場に展示する。
一般社団法人 日本自動車会議所、一般社団法人スーパー耐久未来機構(STMO)、および富士スピードウェイ株式会社からの関連のリリースは下記を参照されたい。
一般社団法人 日本自動車会議所
「クルマを文化に」日米自動車文化交流イベントを開催 -スーパー耐久最終戦 富士大会にてNASCARがデモラン-![]()
一般社団法人スーパー耐久未来機構(STMO)
日米モータースポーツ交流の新たな架け橋 -新クラス「ST-USA」創設を計画-![]()
富士スピードウェイ株式会社
NASCARが富士スピードウェイにやってくる!! ~ジミー・ジョンソン来日!日米スターが集結する“S耐FINAL大感謝祭”~![]()

