ブリヂストンがタイトルスポンサーを務める世界最高峰のソーラーカーレース「2025 Bridgestone World Solar Challenge(BWSC)」で「ENLITEN技術」搭載タイヤの装着チームが、チャレンジャークラス、クルーザークラスの両部門で優勝を果たした。
受賞チームのコメントは以下の通り
チャレンジャークラス優勝
Brunel Solar Team Mr. Elias Wawoe (Delft University of Technology)
「私たちが、最後にBWSCで優勝したのは8年前でした。それ以来、再び世界チャンピオンになることを目指して、様々な活動に取り組んできました。ブリヂストンのBWSC用タイヤは、過酷な条件下でも優れた耐久性を発揮し、私たちの挑戦を支えてくれました。
更にBWSCタイヤは、そのバリューチェーン全体でのサステナブルな取り組みの進化を体現しています。私たちはこれからも、イノベーションと持続可能な未来に向けた挑戦を続け、BWSCを通じてその姿勢を示していきます」
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クルーザークラス優勝
VTC Solar Car Team Mr. Kelvin To (Hong Kong Institute of Vocational Education)
「10年以上取り組んできたBWSCでの勝利は、私たちにとって非常に大きな意味があります。私たちは、再生可能エネルギーの最新技術を世界に発信し、持続可能な未来の実現を推進する一翼を担っています。
また、工学やデザインを学ぶ学生たちは、授業で習得したスキルを実際の3,000kmのプロジェクト(BWSC)に活かすことができました。ブリヂストンのBWSC用タイヤは、砂地や小石、穴のある道でもパンクせず、非常に高い信頼性を発揮するとともに、レースを通じてエネルギーマネジメントに貢献しました」
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Bridgestone E8 Commitment Award受賞
Iron Lions Solar Car Team Mr. Joel Pitts (Greenville High School)
「Bridgestone E8 Commitment Awardを受賞できたことを、心から光栄に思います。私たちのチームは、チャレンジャークラスで予選を通過し、本戦に出場できる世界レベルのソーラーカーを作るという目標を掲げてきました。この受賞は、私たちのチームとしての努力と情熱が認められた証です」
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ブリヂストン グローバルモータースポーツ管掌 今井弘氏のコメント
「BWSCへ参加した全てのチーム、チームスタッフ、ご家族の皆さん、運営にご尽力いただいた主催者、さらに多くのボランティアにお礼を申し上げます。すべての皆さんのパッションが結実し、素晴らしいイベントとなったことを共に喜びたいと思います。
ブリヂストンはタイヤサプライヤーでありタイトルスポンサーとして、BWSCを通じてサステナブルなモビリティの実現と次世代エンジニア・リーダーの育成を支えていきます。また、私たち自身もパッションをもってチームと共に極限へ挑戦し、『走る実験室』で生み出した新技術・イノベーションを、今後のサステナブルなグローバルモータースポーツ活動へ繋げてまいります」
ブリヂストンによるタイヤ技術に係る説明は以下の通り
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1.原材料・調達
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(1)新たな再生資源: 再生カーボンブラック
ENEOS株式会社との共創により、使用済タイヤの精密熱分解によって再生カーボンブラックなどを回収する技術開発を進め、Bridgestone Innovation Park(東京都小平市)の実証機で得られた再生カーボンブラックを、当社として初めてBWSC用タイヤに採用した。
(2)新たな再生資源② 再生スチール
ブリヂストンタイヤリサイクルセンター大阪で回収した使用済タイヤから、山陽特殊製鋼株式会社の電炉を用いて再生スチールを製造し、日本製鉄株式会社の設備にて圧延・熱処理したビードワイヤー(タイヤ補強材)を、当社として初めてBWSC用タイヤに採用した。
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2.開発
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「ENLITEN」技術による進化したタイヤを提供
商品設計基盤技術「ENLITEN」により、環境負荷低減を追求し、低転がり抵抗、軽量化、耐摩耗性など、ソーラーカータイヤに求められる性能にエッジを効かせてカスタマイズしたタイヤを開発。BWSCの過酷な走行条件下でもソーラーカーの性能を最大限に引き出し、約3,000kmにわたる安心・安全な長距離走行に貢献した。また、オランダのテイジン・アラミドの新素材であるサーキュラー原料を使用したアラミド「トワロン ネクスト」を採用するなど、サステナビリティへ繋がる環境性能を進化させた。
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3.生産・物流
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低炭素輸送の実現
BWSC用タイヤの輸送に、DHL社のGoGreen Plusソリューションを活用。持続可能な船舶燃料の使用により、燃料の製造、輸送、貯蔵、船上使用におけるライフサイクル全体(Well-to-Wake)でのCO2排出量を最大85%削減し、低炭素な輸送を実現した。
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4.使用
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BWSCでの使用タイヤ本数低減の促進
「ENLITEN」技術の進化により耐摩耗性能を向上させ、タイヤ1本あたりの走行可能距離を伸ばすことで、現地でのタイヤサポート本数(1チームあたり)を、前回の24本から16本に削減した。
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5.リサイクル
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使用済タイヤのリサイクル促進
オーストラリアのRubber Gem社との共創により、現地にて使用済タイヤを酪農用ゴムマットに再利用した。