仏・ミシュラン(本社:クレルモン=フェラン、CEO:フロラン・メネゴー)は7月3日( 欧州発表日・日本法人からの情報公開は8月9日 )、タイヤと道路の摩擦により生じるタイヤ摩耗粉塵の排出量の評価に於いて、欧州最大の会員数を持つドイツ自動車連盟( ADAC:Allgemeiner Deutscher Automobil-Club )から、タイヤ摩耗粉塵排出量評価で優位性が認められたと発表した。
同社によると、タイヤの摩耗粉塵は、欧州「ユーロ 7規制( 自動車の排出物を制限するEUの最新環境規制 )」の対象となっている憂慮すべき課題であり、この問題でミシュランは、過去20年間に亘ってタイヤの摩耗粉塵の削減に取り組んできたという。
そうしたなか今年6月、欧州に於いて厳格なテスト基準で知られるドイツ自動車連盟から、自国内販売の160種のタイヤ(サマー、オールシーズン、ウィンタータイヤを含む)を対象にしたタイヤの摩耗粉塵排出量の調査結果を明らかにした。
その概要でミシュラン製品は、競合他社のプレミアムブランド12社のタイヤの平均値と比べ、摩耗粉塵が26%少ない結果になっていると、その評価結果を示した。
更にミシュランでは、「タイヤの寿命を通じて一貫して優れた性能を発揮する製品を提供するため、耐久性、粉塵排出量の削減、原材料の最小限の使用などに取り組んできました。
今回の結果は、同社が追求してきた革新性による成果と言えます。そして、ミシュランのアプローチは、当然ながら粉塵排出量が少ないタイヤを実現します。ドイツ自動車連盟の調査でも、それが高い安全性と共に発揮されていることが示されています。
欧州だけ見ても、車両走行で発生するタイヤ摩耗粉塵は年間約50万トン排出されています。
2024年7月に制定されたユーロ7規制では、今後欧州市場で販売される全てのタイヤの摩耗粉塵量を明確にすることが可能となり、将来的には、ここで制定される基準に満たないタイヤは販売できなくなります。
*安全利用に資するタイヤを示した図解(AICTはユーロ7規制によるタイヤ摩耗指数)
ミシュランは、タイヤと路面の摩擦によって生じる摩耗粉塵排出量の軽減を目指して、20年以上にわたり革新を続けてきました。この取り組みにより、2015年から2020年の間に、タイヤの摩耗粉塵排出量を5%削減する革新技術の開発を実現しました。
これは、同期間中に10万トンに及ぶタイヤ摩耗粉塵を削減したことに値し、同社は今後数年間で、この数値をさらに改善する目標を掲げています。
この目標を達成するため、ミシュランは研究開発に多額の投資 (2024年に7億8,600万ユーロ) を継続的に実施し、摩耗に関する理解を深めています。
またミシュラングループは、その素材に関する専門知識と合わせて、長年にわたり、原材料の最適化に焦点を当てた設計戦略を基盤としてきました。
2023年末、ミシュランはフランス国立科学研究センター (CNRS) とクレルモン・オーベルニュ大学と共同で、研究施設「BioDLab」を設立しました。同研究所のミッションは、摩耗粉塵の生物劣化メカニズムに関する理解を深めること、および粉塵を環境に同化させるためのツール開発です。
この取り組みを通じて、ミシュランはタイヤの摩耗と粉塵の減少への理解をさらに深めることを目指しています。
達成目標には、排出物質の削減、科学的根拠に基づく対応策の提供、さらに実際の技術的ソリューションの開発が含まれています。この目標を達成するためには、厳格さと継続的な投資が不可欠です」と話している。
ADACの調査報告書はURLのPDF文書の通り(英文983KB):
https://assets.adac.de/image/upload/v1749035559/ADAC-eV/KOR/Text/PDF/33478_dppcxx.pdf