東レ、インドで事業分野を拡大。自動車では高機能樹脂需要を視野に


東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣)は、インド現地法人のToray Industries (India) Private Limited(略称:TID)の新拠点としてアンドラ・プラデシュ州スリシティーに約35万m2の新規事業用地を取得した。

取得した事業用地は、東レグループの先端素材事業の重要拠点として積極的に経営資源を投入。当地並びに南アジアエリアで需要拡大が見込まれる多角的な事業分野で活用していく。

その第一弾は、紙おむつの需要増に伴う衛材用ポリプロピレンスパンボンド(PPスパンボンド)事業の新拠点を設立に決めた。新設備の生産能力は年間約18,000トンで、稼動開始は2020年4月を予定している。

さらに自動車市場では、拡大する高機能樹脂需要に対応するためのナイロン及びPBT樹脂コンパウンドの新拠点も設立予定としている。

同社にとってインド経済は、2016年から2030年にかけ年率6%の高い成長が見込まれる有望な市場であり、所得水準の向上に伴う高級品や高付加価値品の需要を取り込むべく動く。

今回、事業化を決定したPPスパンボンドの主要用途である紙おむつについては、土地の需要のベースとなる出生数が、世界2位の人口数(約13.4億人、2017年国連資料)を基盤に高い水準で推移する見通し。

今後、経済発展による所得増加と生活様式の変化に伴い、需要が急速に増加するとみられており、主要衛材メーカーが積極的にインドでの事業拡大を推進している。

また経済発展によって、インドの自動車市場は2025年に向けて年率7%と大きな伸びが見込まれている。

加えて、近年の環境規制強化の流れから、高機能自動車部品の需要拡大と、顧客要求特性の高度化により、当社の高性能素材のニーズが高まることが考えられると云う。そこで、この動きに対応するため、インド国内にナイロン樹脂、PBT樹脂のコンパウンド拠点を設置し、拡大するインド市場の獲得を進める。

東レグループはインドで、2011年に商事活動を行う事業を設立。2014年には現地法人のTIDを設立。さらに2016年には、インドでグループ初の製造拠点を設立し、エアバッグ基布の生産・販売事業を開始した。

1.TIDの概要
(1)名称 : Toray Industries (India) Private Limited (略称「TID」)
(2)設立 : 2014年1月
(3)所在地 : 首都ニューデリー近郊都市グルガオン(ハリアナ州)東レグループ 在インド拠点
(4)資本金 : 2,550百万INR
(5)出資比率 : 東レ株式会社 99.99%
東レインターナショナル 0.01%
(6)代表者 : 末永 繁一
(7)事業内容 : インド国市場調査及び東レグループ
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